家庭内映画館

ホームシアターやAV機器、映画の感想・映画にまつわる話をだらだらと書き綴っていきます。

映画の感想・・・(76)

2006-01-31 22:17:01 | Weblog
「トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン」監督・原作・脚本:ウィリアム・ピーター・ブラッティ/出演:ステイシー・キーチ、スコット・ウィルソン、ジェイソン・ミラー、他/1980年・アメリカ・118分<レンタル>

ベトナム戦争で精神障害に陥った者を収容する施設に新任所長がやって来た。彼らと真摯に向き合おうとする所長だったが...

「エクソシスト」の原作者、ウィリアム・ピーター・ブラッティが監督した...う~ん何と言えばいいのか(笑)一言で表現するならカルトドラマです。
出演者も名の知れた人が多く、ステイシー・キーチをはじめロバート・ロッジア、トム・アトキンス、ネヴィル・ブランド、ジョー・スピネル、リチャード・リンチなどが出演しています。

昔から「ホラー」としてそれなりに有名な作品だったのですが、この邦題のせいで今まで観たことがありませんでした。
ちなみに正確な発音なら「カーン」では無く「ケイン」です。おそらくプロレスラーの”キラーカン”(ちなみにこちらもカーンでは無くカンです)あたりとかけたのでしょう...確かにインパクトはありますが観る気はなくすなぁ~...。

内容は上記のような感じなのですが、ステイシー・キーチ扮する新任所長にも実は秘密があってこの人選も含めて大きな計画になってるのです(ちょっとネタバレ)。
全体的にアングラな舞台劇のような感じで、宗教的・哲学的な雰囲気です。少なくとも「ホラー」って感じは無いです。

延々と精神病院の様子を見せられるだけなので、正直退屈するって感じは否めないです。が、クライマックスのバイオレンス・シーンや意表をつくようなハート・ウォーミングなエンディングなどもあり、私は完全に理解できませんでしたが観る人が観ればそれなりの名作ではないのだろうか?という感じはありました。

善・悪・神・信仰・孤独・絆...難しいテーマを扱ってますが、興味がある人は観てみてはいかがでしょうか?

ちなみにネットで色々調べてみたところこれはブラッティ自身による「エクソシスト2」だという説もありました。確かに内容的にはそんな感じがしますね~久々に「エクソシスト」が観たくなりました。

追悼 2006・1・24

2006-01-28 02:32:21 | Weblog
ショーン・ペンの実弟で「レザボア・ドッグス」「トゥルー・ロマンス」のクリス・ペンが遺体で発見されました。
死因等は不明とのことですが事件性は無いみたいです。

クリス・ペンはマット・ディロン主演の「ランブルフィッシュ」でデビューし、「フットルース」等キャリアを重ねていきましたが、一時期ドラッグで低迷しそうになりました。が、その後の活躍で名バイプレイヤーとしての地位を確立してきたところの突然の訃報でした。

決して主役タイプの役者ではありませんでしたが、脇で光る、存在感のある役者だったと思います。

まだ40歳でした...早すぎる死ですね...
ご冥福をお祈りします。

映画の感想・・・(75)

2006-01-27 00:40:24 | Weblog
「ワイルド・タウン=英雄伝説=」監督:ケヴィン・ブレイ/出演:ザ・ロック、ジョニー・ノックスヴィル、他/2003年・アメリカ・87分<レンタル>

米軍特殊部隊を除隊し故郷へ帰ってきたクリスが見たものは、荒廃し変わり果てた町の姿だった。変わり果てた町の様子に愕然とした彼は、町を救うべく裏組織に立ち向かっていく...

WWEのプロレスラー、ザ・ロック主演のアクション。久々に”ハリウッド・アクション!”って感じの映画を観ました...ザ・ロック主演の映画は初めて観ましたが結構上手いですね~。まぁああいう感じなんで役柄は限定されるでしょうけど、役者でも十分やっていけるのではないでしょうか?もちろん”芝居心”が無ければWWEではやっていけないんでしょうけど...(苦笑)

この作品は実在の保安官ビュフォード・パッサーをモデルに作られた映画で、実は73年にジョー・ドン・ベイカー主演、「ウォーキング・トール」というタイトルで一度映画化されていて、続編も2作製作されています(ちなみに今作も原題は同じく「WALKING TALL」で、意味は”胸をはって歩け”です。私はこのタイトルのほうが好きです)
ですので、一応今作は73年版のリメイクということにもなりますが、かなり現代風にアレンジされていますね。

シンプルな勧善懲悪のアクションで時間も短くスッキリしています。基本的に肉体アクションがメインですので派手さはあまり無いですが、なかなか楽しめる作品に仕上がってますね。

ただオリジナル版の方が(もっと地味でしたが...笑)面白かったような気がします...なにぶん観たのが遥か昔のことなので(笑)ちゃんと憶えてないですけど...。
70年代頃はベトナム戦争の影響もあってかダークな作風の映画が多いですけど、良い作品が多いのでこのオリジナル版の方も機会があれば観ていただきたいですね...もちろん(?)DVD化はされておりませんので、古いビデオを置いているレンタルショップでお探しください。

映画の感想・・・(74)

2006-01-22 01:13:37 | Weblog
「マシニスト」監督:ブラッド・アンダーソン/出演:クリスチャン・ベイル、ジェニファー・ジェイソン・リー、他/2003年・スペイン=アメリカ・102分<レンタル>

機械工のトレヴァー(クリスチャン・ベイル)は、極度の不眠症で1年間ほとんど眠れずにいた。ある日トレヴァーは新入りの溶接工、アイバンに気を取られ、仲間の腕を機械に巻き込む大事故を起こしてしまう。上司や同僚は、アイバンという男は存在しない、と、トレヴァーに不信感を抱く。同じ頃、トレヴァーの自宅の冷蔵庫には、身に覚えのない不気味な首吊りゲームの絵が張られていた。誰かが自分を陥れようとしている、そう信じたトレヴァーは、ますます精神を蝕まれていく...

「バットマン・ビギンズ」「アメリカン・サイコ」のクリスチャン・ベイルが約30kgの減量をして挑んだサスペンス・スリラー。

いかにも、なスリラー的雰囲気を醸し出しながら、淡々とした不気味さを持つ作品です。
まぁこのテの単館系っぽいスリラーにありがちな「一体どうなってゆくんだろう?」的な謎を積み重ねてラストでネタが明かされる、おなじみの作りです(笑)。
もちろんネタバレになりますんでラストには触れませんが、考えオチではなくてちゃんと終わりますのでスッキリしてます。

トレヴァーが心の拠りどころにしている娼婦役でジェニファー・ジェイソン・リーが出演しているのですが、年齢を重ねてますます父親(故ヴィック・モロー)に似てきましたね~(笑)この人は数少ない”カッコいい”女優さんだと思います。

退屈と言えば退屈かもしれませんので、万人向けではないですが、それなりに楽しめる作品だと思います。

ちなみにビデオ版のパッケージになっている奇妙なトレヴァーのショットはただ単におどけているシーンです。ストーリーとは一切関係ありません。

映画の感想・・・(73)

2006-01-20 00:34:53 | Weblog
「ザ・リング2 [完全版]」監督:中田秀夫/出演:ナオミ・ワッツ、サイモン・ベイカー、シシー・スペイセク、他/2005年・アメリカ・128分<レンタル>

“呪いのビデオテープ”の恐怖を描いたハリウッド版『ザ・リング』の続編。片田舎のアストリアへ引っ越したレイチェルとエイダン親子。平和な生活を送るはずのふたりだったが、エイダンの体に異変が起こり究極の選択を迫られることに...

...正直言ってもうお腹いっぱいです(笑)

一番最初(日本版「リング」1作目)の「呪いのビデオテープ」と「ビデオを観終わった後に電話がなる」っていう設定が一番良かったですね~...身近なものなのでその分怖さが増しました。
その後は...まぁビジネスですからしょうがないですけど、あまり長々と引っ張るような話では無いのでは?

今作はサマラよりもシシー・スペイセクが出てることの方が驚きました(笑)

J-ホラーもどういう形にせよ次の段階に移っていかないとダメでしょう。

映画の感想・・・(72)

2006-01-18 01:20:04 | Weblog
「スケルトン・キー」監督:イアン・ソフトリー/出演:ケイト・ハドソン、ジーナ・ローランズ、ジョン・ハート、他/2005年・アメリカ・104分<レンタル>

ルイジアナの屋敷で住み込み看護婦になったキャロライン。屋敷には鏡が一つもなく、至る所に魔よけのレンガくずがまいてある。屋敷裏部屋の奥にある小部屋は、マスターキーでも開けることができない。好奇心にかられ、鍵をこじあけてしまったキャロライン。そこは背筋も凍りつく「呪いの部屋」だった!その日から、土地に伝わる古呪術“フードゥー”の魔力が彼女を襲いはじめるが...

”呪術”をテーマにしたゴシック調のホラーです。

地味~な映画ですが不気味な雰囲気があって良いです。
南部(ニューオリンズ)の田舎町が舞台で、しかも呪術ということで全体的にそういう雰囲気に溢れかえっていますね...ストーリーは脳梗塞で全身がマヒしてしまったベン(ジョン・ハート)の看護士となったキャロライン(ケイト・ハドソン)が巻き込まれる恐ろしい出来事、ってことなんですけど結構良くできてます。
私は勘が鈍いので(苦笑)最後までわかりませんでしたが、結末も良いですし結末を見て改めて思い返すと”なるほど~”と思える伏線もはられています。

”呪術”って日本ではあまり馴染みが無いし、作品自体がまぁどっちかというと小品だと思いますが、なかなか面白いですよ。

映画の感想・・・(71)

2006-01-14 00:36:09 | Weblog
「1.0 [ワン・ポイント・オー]」監督:ジェフ・レンフロー&マーテン・トーソン/出演:ジェレミー・シスト、デボラ・カーラ・アンガー、ウド・キア、ランス・ヘンリクセン、他/2004年・アメリカ=ルーマニア=アイスランド・92分<レンタル>

コンピュータープログラマーのサイモンのアパートに、差出人不明の箱が届けられた。しかし中身は空。何度捨てても届けられる空き箱を不審に思ったサイモンは戸締りを強化するが、箱は部屋に届き続ける。時を同じくして、アパートの住人が変死体で発見され、アパートは全体的に鬱々としていた...

...ストーリーを見るかぎりではとても面白そうだったんですけど...

基本的にサスペンス・スリラーですがアート系の匂いがする、いかにも単館でやりそうな映画、というより映像作品といった感じです。
不条理というか悪夢というか、デヴィッド・クローネンバーグやデヴィッド・リンチの作品に近い感じでしょうかね?
あとなんとなく「未来世紀ブラジル」にも似てる感じがしました~。

で、結局私の脳みそでは理解不能ということで(笑)あんまりよくわからず...雰囲気は良かったと思いますが、まぁあんまり面白くなかったです。

「CUBE」とか「es」なんかが好きな人ならもしかしたらハマるかも...いややっぱり「π」あたりが好きな人の方が向いてるかな?

個人的にはランス・ヘンリクセンが出てたのが嬉しかったです。それだけです(苦笑)。

映画の感想・・・(70)

2006-01-13 00:39:20 | Weblog
「怪談新耳袋 [劇場版] 幽霊マンション」監督:吉田秋生/出演:黒川芽以、吹越満、根岸季衣、曽根英樹、他/2005年・日本・95分<レンタル>

古いマンションに引っ越して来た17歳の少女、愛実。そのマンションの表には、一本の白線が引かれていた。マンションの住人は必ず夜中の12時までにこの線の内側に入らなければいけない...

実話怪談を集めた「新耳袋」という本がありまして、この映画はその本が原作です。
元々は1話5分の短編としてテレビドラマ化されたものの劇場版で、この”幽霊マンション”は劇場版としては2作目になります。ただ1作目が短編のオムニバスだったので「新耳袋」の映像化としては初の長編作品です。

原作にある話とこの映画とはかなり違いまして、ほぼオリジナルといっても差し支えない感じになってます。

元々この基になった話は数年前に某ラジオ番組で話題になりまして、ハッキリ言ってメチャクチャ怖い話なんですけど、この映画は”怖い”というよりは”暗く・哀しく・重い”話です。

前半、主人公親子が引っ越してきてある家族が引っ越してゆきます。そしてその子供が忘れた人形を届けに行った主人公、愛実がその母親から幽霊マンションの話を聞かされるところまでは結構怖くて良かったんですけど...まぁハッキリ言って怖い映画でも無いし、そんなに出来も良くないですね。個人的にはテレビシリーズの短編の方をお薦めします。

ただし、DVDには原作者:木原浩勝・中山市朗、両氏のオーディオコメンタリーが収録されていてこれが面白いので、そういう意味では観ておいても損はないかと思います。
両氏とも関西の出身ということもあってか、怪談映画とは対極にあるような漫才的なトークが1時間半繰り広げられます(笑)。
映画の中身で謎っぽい部分(愛実がサングラスをかけてることとか...)にはまったく触れず(笑)たまに触れても解説も無く、ほとんどが映画に対するツッコミと言うかダメ出しと言うか(笑)そんな感じのなかなか楽しい音声解説ですので、こちらはお薦めします。

あとこのテのホラーでいつも思うのですが...なぜエンディングテーマがこんなにくだらない曲なんでしょうか?「リング」なんかもそうでしたが、この辺は大人の事情が絡んでるのでしょうか?つまらない歌モノにするならインストにして欲しいです。

映画の感想・・・(69)

2006-01-10 23:11:55 | Weblog
「CUBE [ファイナル・エディション]」 監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ/出演:モーリス・ディーン・ウィント、ニコール・デ・ボアー、他/1997年・カナダ・91分<セルDVD>

さまざまなトラップが仕掛けてある謎の立方体の部屋の集合体で、極限状態の男女6人が絶望的なサバイバルを展開していくサスペンススリラー

ハッキリ言ってB級サスペンススリラーの傑作です!
公開当時評判を聞いて劇場まで足を運びました。大阪では”テアトル梅田”という小さな劇場での単館ロードショーで、確か当時やっていたバンドの練習前に観に行ったんですけど(笑)もう何と言うか衝撃でしたね~。

まずオープニングで心を鷲掴みにされ、その後もあれよあれよという間に引き込まれていきましたね。
しかも舞台が一辺4.2メートルの立方体の部屋で音(音楽)もほとんど無く、観ているだけで息苦しさを感じました。

なぜこんなものが造られたのか?なぜこの6人が集められたのか?登場人物たちの会話の断片から何となく推理する程度で劇中では説明的なことはほとんど無いです。
トラップ(罠)の謎解きも数学が絡んでいて私などはサッパリでしたが(笑)それでもあまり気にならずに純粋に楽しめました。
それにおそらく大事なことはそんなことではなく、極限状態での人間のエゴや愚かさ、そして生きる意味や希望など...そういうことを描いているんだと思います。

最後に明かされる衝撃の事実と希望と絶望とがない交ぜになったラスト...スリラー、サスペンス、ホラーなんかが好きな人で未見なら是非お薦めします。

ちなみにDVDはオリジナルの「CUBE」(短編「ELEVATED」収録)とこの”ファイナル・エディション”の2種類が発売されていて、どちらも現在廃盤ですが”ファイナル~”の方はまだ店頭で見かけますので入手は難しくないと思います。
”ファイナル~”は「ELEVATED」が削られた代わりに監督の音声解説(まだ見てないです)が収録されていたり、映像がデジタル・リマスターされ音声もdtsで収録されています。
ただこの作品元々が「ULTRA STEREO」(私も専門的なことはあまり詳しくないですが簡単に言うと低予算映画で使われる映画音響方式)なのでdtsといってもさほど効果は感じないです。


映画の感想・・・(68)

2006-01-09 18:02:13 | Weblog
「明日に向って撃て!」監督:ジョージ・ロイ・ヒル/音楽:バート・バカラック/出演:ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス、他/1969年・アメリカ・111分<セルDVD>

1890年代のアメリカ西部。銀行強盗のブッチとサンダンスは、南米ボリビアで一旗上げる夢をもっていた。列車強盗に成功した彼らは、サンダンスの恋人エッタとともにボリビアへ向かうが...

まぁ今さら私ごときが語る必要もない名作です。今回で観るのは3度目くらいになるのかな?恥ずかしながら今回DVDのパッケージを見て初めて知ったのですが、今作は”アメリカン・ニューシネマ”に入るんですね~...全体的には割りと明るくポジティブですが、確かにそう言われると有名なラストシーンも含め、悲壮感・絶望感のようなものが垣間見えます。

基本的には”西部劇”ですが、19世紀末の近代化の波が押し寄せる中、時代に取り残されてゆく2人のアウトローが描かれています。
ブッチとサンダンスという2人のアウトローは実在の人物でこの物語も実話に基づいて製作されています。
原題も2人の名前を並べただけの「BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID」と割と味気ないものですが(笑)邦題の「明日に向かって撃て!」と付けた人はセンスがありますね~...最近は割りと原題をそのままカタカナ表記することが多いようですが、良い邦題を付けれるんならそれに越した事は無いと思いますが、配給会社ではその辺はどう考えてるんですかね?

ちょっと話がずれましたが(笑)...なんというかこの全体に流れる空気感とか主演の2人のカッコ良さとかバカラックの音楽の素晴らしさとか、ぜひ自分の目と耳で確かめて欲しい1本です。

ちなみに今作の監督・主演2人が再び組んだ「スティング」も痛快娯楽作品として素晴らしい作品ですので、こちらもお薦めします。