家庭内映画館

ホームシアターやAV機器、映画の感想・映画にまつわる話をだらだらと書き綴っていきます。

「サンゲリア パーフェクト・コレクション」・・・(616)

2010-11-27 11:45:54 | Weblog
「サンゲリア パーフェクト・コレクション」ZOMBIE
監督:ルチオ・フルチ
出演:イアン・マカロック、ティサ・ファロー、リチャード・ジョンソン、オルガ・カルラトス、アウレッタ・ゲイ、アル・クライヴァー、ステファニア・ダマリオ、他
1979年・イタリア・91分<レンタル>

<STORY>
ある日、ニューヨーク湾内で奇妙な事件が発生した。漂流中のクルーザー内に踏み込んだ警備船の警官達が、全身腐乱した男に襲われたのである。クルーザーの持ち主である娘アンと新聞記者ピーターは、行方不明となっているアンの父親を探すため、カリブ海に浮かぶマトゥール島へ向かう。だがそこは、死者が蘇り生者を貪り喰う、恐るべき魔境と化していたのである...

イタリアン・ホラーの巨匠、ルチオ・フルチの代表作。
最初にこの作品を観たのは多分25年くらい前のお昼の洋画劇場(テレビ東京系)でした。
録画して何度か観たと思うのですが、画面右上に時刻表示が出てたことが一番印象に残ってます(笑)
ジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」の亜流であり、作品全体の出来としては遥かに及びませんが、作品全体に漂う陰惨な雰囲気はなかなかのものです。
おそらく低予算が故でしょうが、安っぽさが終末感を増幅させてまして、これもまた良い味出してます。
あと何と言ってもゾンビの造形の良さですね!今作のゾンビの怖さは正直言ってロメロの「ゾンビ」を遥かに凌駕しております。
今作がもっと予算と時間を掛けて作られていたら、もしかしたらゾンビ映画の金字塔と呼ばれる作品となっていたかも知れませんね...まぁきっとフルチにそこまでの力量は無かったと思いますが(笑)

久々に観返してみると意外に島でのシーンが短くて、島に着くまでの最初の3~40分くらいはちょっとダルいかな~と思いますが、後半は今観ても十分面白かったです。
有名なゾンビvs鮫のようなトンデモシーンもありますけど、やはりゾンビ映画というジャンルを代表する一作であることを再確認しました。

「その男 ヴァン・ダム」・・・(615)

2010-11-23 13:56:41 | Weblog
「その男 ヴァン・ダム」JCVD
監督・脚本:マブルク・エル・メクリ
出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム、フランソワ・ダミアン、ジネディーヌ・スアレム、 カリム・ベルカドラ、ジャン=フランンソワ・ウォルフ、他
2008年・ベルギー=ルクセンブルク=フランス・96分<レンタル>

<STORY>
90年代に絶大なる人気を持っていたアクション・スター、ヴァン・ダム。しかし最近では年齢のせいかアクションを演じるのも疲れ気味。金銭トラブルや娘の親権争い、出演依頼もビデオストレート作品が続き、運にも見放されている。そんな彼が故郷ベルギーでたまたま入った郵便局は、強盗が占拠中。警察との交渉役に利用された彼は、今度は犯人と間違えられてしまう。果たしてヴァン・ダムはこの「どん底」から脱する事はできるのか...

ジャン=クロード・ヴァン・ダムの凋落をセルフ・パロディにした、一風変わった作品。
もっとコメディかと思ってたら、意外にもサスペンス色の強い作品で
ヴァン・ダムのプライベートをパロディにしてる以外はそんなにコメディって感じも無かったですね。

話的にはそんなに面白いわけでも無くて、銀行強盗に間違われたヴァン・ダムと強盗一味と警察の三つ巴のドタバタ・サスペンスです。
この強盗事件を機に最後は大団円で終わるのかと思ってたら、そうでも無かったのが衝撃でしたね~
まぁラスト近くに結構長い独白のシーンがあって、あの言い訳じみた(笑)シーンのために作られた作品だという気がしないでもないですが...あとジョン・ウーへの嫌ごととか(笑)

何か非常に奇妙な感じの作品で上手く感想が出てこない感じですが、悪い作品では無いと思います。
特にB級アクションの好きな方なら楽しんで観れるのではないでしょうか?
ただ、スカッとする作品ではないし、思い入れが強いほどちょっと哀しくなってしまう感じはありますが...

まぁ本国ベルギーやハリウッドでの評価は知りませんが、日本では”落ちぶれた”と言うほど元々一流俳優だという認識は無いと思いますけどね...(笑)

「犬神の悪霊」・・・(614)

2010-11-22 17:58:40 | Weblog
「犬神の悪霊」犬神の悪霊
監督・脚本:伊藤俊也
出演:大和田伸也、泉じゅん、室田日出男、岸田今日子、鈴木瑞穂、小山明子、他
1977年・日本・103分<レンタル>

<STORY>
ウラン鉱探査のため久賀村を訪れた竜次は、村にすむ麗子と結婚した。犬神すじの垂水家が祝いに来るが、麗子の父親は追い返してしまう。その後不吉な事件が続き、村人たちは垂水家のたたりではないかと疑う。川魚が大量に死ぬという事件で疑惑は頂点に達し、垂水家の母子は村人たちに殺されてしまう。憤怒に燃える父親は村全体にのろいをかけて自殺する。その怨念は、麗子の妹・磨子へと向かって...

「エクソシスト」「オーメン」などのオカルトブームに便乗して(笑)撮られた和製オカルトホラー。
恥ずかしながらDVD化されて、初めてこの作品の存在を知りました。
70年代の日本のホラーですのでそんなにお金も掛かってないでしょうし、色んな部分で稚拙さというかツッコミどころも満載です。
ただ、その安っぽさが却って禍々しさを浮き彫りにしてまして、キリスト教的な悪魔憑きを扱った「エクソシスト」よりも日本人としては怖かったです。

今作では”犬神憑き”がテーマになってまして(犬神についてはWikiで調べてください)
前半では村社会における”犬神筋”の差別を描き、後半では犬神が取り憑いた少女が大暴れするアクションホラーになっております。
この後半部分なんかは完全に「エクソシスト」のパクりでしょうね~

上にも書きましたが、呪いや祟り、それによって人が狂ったり死んだりする、非常に日本的な土着の怖さがあって、カルトムービーとして埋もれさせておくのはもったいない気がしますね。
まぁ”犬神筋”っていうのが現実の差別問題に繋がっているので、なかなか大っぴらには出来ないところなのかも知れませんが...

どこにでも置いてる作品では無いかも知れませんが(私は宅配レンタルで借りました)機会があったらご覧になってみてください。
現在の邦画は甘ったるい作品が多いですが、今作は(賛否両論あるでしょうけど...)70年代の勢いを感じさせる作品に仕上がってます。

「ファンハウス 惨劇の館」・・・(613)

2010-11-20 03:14:14 | Weblog
「ファンハウス 惨劇の館」THE FUNHOUSE
監督:トビー・フーパー
出演:エリザベス・ベリッジ、クーパー・ハッカビー、マイルズ・チャピン、ラルゴ・ウッドラフ、ショーン・カーソン、他
1981年・アメリカ・97分<レンタル>

<STORY>
エイミーは、ボーイフレンドのバズと初めてのデートに行くことになり、友達カップルと共に4人でカーニバルへ向かった。人々で賑わう中、アトラクションの1つ“ファンハウス”に入る。彼らはそれぞれ2人きりになって楽しんでいたが、偶然にもマスクを被った客引きの男が女を惨殺するところを目撃してしまう。4人はパニック状態になりながら急いで脱出を試みるが出口が見つからず、一人また一人と殺されていく...

「悪魔のいけにえ」のトビー・フーパー監督作品。
カーニバル(移動遊園地)を舞台にしたスラッシャーホラーで、トビー・フーパーの作品の中では地味目な作品ではありますが、なかなか面白い作品です。

今作もキングレコードの”ホラー秘宝”シリーズでDVD化された1本で、観るのは20年ぶりくらいですが
禍々しさや狂気や、何と言っても異形の哀しみは現在観ても色あせていませんでした。
確かに30年近く前の作品ですので、現在のホラーと比べると残酷描写もほとんどありませんし、人もあまり死にません。
が、さすがにトビー・フーパー「この人本当に狂ってるのでは?」と思える作品全体に漂う狂気は、「悪魔のいけにえ」ほどでは無いにせよ良い意味で居心地の悪さに繋がってますし
殺人鬼の存在(生い立ち)は何とも言えない哀しさ・切なさで、より怖さを増していたと思います。

フリークスを扱った作品ですので、もしかしたら観ていて不快に思う方もいるかと思うんで誰にでもおすすめはできませんが、ホラーファンで未見の方はぜひ。

「96時間」・・・(612)

2010-11-18 00:58:32 | Weblog
「96時間」TAKEN
監督:ピエール・モレル
製作・脚本:リュック・ベッソン
出演:リーアム・ニーソン、ファムケ・ヤンセン、マギー・グレイス、リーランド・オーサー、ホリー・ヴァランス、他
2008年・フランス=アメリカ・93分<レンタル>

<STORY>
17歳のアメリカ人少女キムが、友人と訪れていたパリで何者かに誘拐された。事件発生時にキムと携帯電話で話していた父親のブライアンは、元秘密工作員の知識と行動力で犯人グループの身元を割り出し、娘を救出するために単身パリへ向かう...

先日観た「狼の死刑宣告」と似たタイプ、っていうか「親が子の仇を討つ」お話です。
作品としては同じような感じなんですけど、内容(テーマ)が「狼~」とは180度違いますね~
「狼~」は何のバックボーンも持たない一般市民が子供の仇を討つためにギャングと戦うという、テーマ的にも重くて、色々と考えさせられる作品でした。
が、今作は打って変わって、元工作員の父親が攫われた娘を救うために
もうそれこそ”スーパーマン”的な活躍を見せます。

個人的にはどちらも好きですし捨てがたい作品ではありますが
やはりこちらの方が胸のすく”勧善懲悪”が見れてすっきりするかな?
とにかくリーアム・ニーソンがありえないくらいの活躍で、ピンチの切り抜け方とか
「それは都合よすぎるやろ!」と突っ込まずにはいられませんが
まぁそういう意味では非常に安心して観られる作品ですね。

特に最初の娘が攫われるシーンで犯人と携帯で話す場面があるんですけど
犯人に「必ず探し出してお前を殺す」と言い放ち、後半でそれをやってのける場面では
ちょっと涙もんのカッコ良さでした(笑)

セガール作品のバカさ加減と何が違うのか?と言われると、確かに返す言葉は無いかも知れませんが(笑)
とにかく悪人をバッタバッタとなぎ倒していくのは見ていて本当に気持ちが良いです。
まぁそういう意味ではバカ映画と紙一重の作品ですので、誰にでもおすすめできる作品では無いかも知れませんが、「正義は勝つ」的なアクションの好きな方にはおすすめです!

映画の感想<番外編>

2010-11-17 01:22:33 | Weblog
拙ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
急激に寒くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
私は当たり前のように風邪をひいております...orz

基本的に映画(DVD)を観た時にブログを書いて
それを下書きという形で保存し、少しずつここに発表しております。
映画を観れる時と観れない時の差が激しいので
出来るだけコンスタントにブログを更新できるようにそうしています。
おそらく私のブログのラインナップを見ていただければわかるかと思いますが
現在ここに掲載してるもので、観た時から約4~5ヶ月遅れてます(笑)

しかもここ2ヶ月ほど、劇場やDVDでは映画は観れておりませんし
どんどん世間との時間的なズレは広がるばかりですが(笑)
今後ともよろしくお願いします。

ちなみにテレビ(CATV含む)放映での映画は相変わらずネットなどやりつつ
ぼんやりと観ておりますので、その感想など...

「ROOKIES-卒業-」
テレビドラマの映画化にして、完結編。
原作は未読ですが、テレビ版はとりあえず毎週ダラダラ観るにはそれなりに楽しかったです。
が、これって映画化する意味あったのでしょうか?っていうか、
人気イケメン俳優が大挙出演してるんで金になるってふんだんでしょうね~...どうでもいいようなやっつけ作品でした。

「252-生存者あり-」
ディザスタームービーですが、当然それを描ききるだけの予算など無く(笑)
災害(巨大台風?)で地下に閉じ込められた人々をメインに描いた、まぁ人間ドラマですね~
「バックドラフト」+「デイライト」を100分の1レベルにショボくした感じです。
なんとなく”最後泣かせとけばいいだろ~”みたいなご都合主義的な感じが
非常にいや~な感じの作品でしたね。

「復活の日」
30年ほど前の作品ですが今回初めて観ました。
内容は「252」と同じような感じで、自然災害とウイルスの違いはありますが
極限状態での人間ドラマを描いた作品です。
とにかくキャストが豪華で当時の角川の勢いを感じますね~
ボー・スヴェンソン、チャック・コナーズ、オリビア・ハッセー、ジョージ・ケネディ
ヘンリー・シルヴァ、グレン・フォード、ロバート・ヴォーン...金掛かってるな~(笑)
ただ、こういう世界規模の作品を映画で描くにはどうしても尺が足りなくて
中途半端な印象が否めませんね。
それなりにお金を掛けてテレビシリーズなんかでやれば面白い作品になるかも知れません。

「大魔神」
恥ずかしながら初めて観ました。
時代劇も特撮も特に好きでは無いというのもありましたが、食わず嫌いでしたね~
さすがに日本特撮史に名前を残してる作品だけあってなかなか面白かったですよ。
時間も短いですし、話もシンプルな勧善懲悪でカタルシスもあって良かったと思います。

「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」
一応シリーズ全て観てるのですが、正直言ってあまり好きな作品ではありません。
ただ、今作を観てちょっと印象は変わりました。と言うのは、1作目・2作目を観た時は
何と言うか古臭くてスカスカな感じがして退屈だったのですが
この最新作でも同じような感じだったので”あ!これはこのシリーズの作風なんだ”と
20年かかってやっと気づきました(笑)
そういう風に観ると「小洒落た大人のアドベンチャー」って感じで、まぁそれなりに楽しめましたね。

「セルピコ」
社会派の巨匠シドニー・ルメット監督、アル・パチーノ主演作品。
もうそれこそ20数年ぶりに観ました。
警察の腐敗と戦う一人の警察官を描いた実話に基づく社会派ドラマです。
重く暗いドラマですが、よくまぁ10代の頃にこんな映画を観てたなぁ~(笑)
時代的に「アメリカン・ニューシネマ」の時代の作品ですので、全体的な雰囲気として
そういう感じもありますね。
ハッピーでもアンハッピーでも無いラストがなんともやるせないです。

「ソウ6」・・・(611)

2010-11-13 01:09:12 | Weblog
「ソウ6」SAW VI
監督:ケヴィン・グルタート
出演:コスタス・マンディロア、マーク・ロルストン、ベッツィ・ラッセル、トビン・ベル、ショウニー・スミス、ピーター・アウターブリッジ、他
2009年・アメリカ・95分<レンタル>

<STORY>
FBI捜査官のストラムが死体となって発見される。ジグソウの後継者はストラムではないかとの風評が広まり、ジグソウの事件が終結したかに見える中、ストラムの上司だったエリクソンは捜査結果に疑問を抱く。そして、ホフマン刑事に近づくが...

「ソウ」シリーズ6作目です。
話が入り組みすぎてもうよくわからん感じになってきてますが(笑)
それでもシリーズ6作目にしてはなかなか頑張ってるな~っていうのが正直な印象です。
3~4作目あたりで中だるみはありましたが、何とか水準は保ってる稀有なシリーズだと思いますね...「ソウ5」の時も同じこと書きましたが(笑)

ただここまで来ると「何人殺す気やねん?!」とジグソウの逆恨みにそろそろツッコミを入れたくなってきましたので、もういい加減止め時ではないでしょうか?
もし続けるのであれば(ネタバレになりますが...少なくとも”ソウ7”は絶対ありますよ...笑)
もうジグソウの遺志とは切り離すべきです。

おそらく”死のゲーム”のアイデアだけを色んなところから集めてきてるような状態で
アイデアの奇抜さ、残酷さにジグソウの遺志を絡めることで何とかシリーズを繋ぎとめてるような感じですね。
”死のゲーム”も完全に最初のコンセプトからはずれてきてますし
ベタなラストで良かったんで今作で終わらせるべきでしたね~...ラストで「やってもうたな~」と思いましたもん(笑)

決して面白くない作品では無いんですけど、正統な続編にも関わらず”「ソウ」の亜流みたいな映画”になってしまってますからね...
もういい加減終止符を打つか、そうでなければ1作目を超える衝撃作を!

追記:これ観たのが5ヶ月ほど前なので(笑)追記を...どうやら現在公開中の新作「ソウ ザ・ファイナル3D」で完結のようです。
ウィキペディアによると
”日本の配給側はシリーズのプロデューサー、マーク・バーグに「本作が完結編となり、続編・外伝さらにビギニングも製作はしない」と確認をとったうえで邦題を決定した。”とのことです。

「狼の死刑宣告」・・・(610)

2010-11-09 23:11:52 | Weblog
「狼の死刑宣告」DEATH SENTENCE
監督:ジェームズ・ワン
出演:ケビン・ベーコン、ギャレット・ヘドランド、ケリー・プレストン、アイシャ・タイラー、ジョン・グッドマン、他
2007年・アメリカ・106分<レンタル>

<STORY>
家族と幸せな生活を送るニックはある日ギャングの襲撃に遭い、目の前で長男を殺されてしまう。犯人は捕まるもあまりに身勝手な殺害理由、そして納得のいく刑罰を下せないことを知った彼は、法廷で裁くことを断念する。怒りを抑えられない彼は自らの手で復讐を果たすが、その相手はギャングのボスのたった一人の弟だった...

「ソウ」シリーズの生みの親、ジェームズ・ワンが監督したバイオレンス・アクション。
「狼よさらば」的なヴィジランテ(自衛)映画なんですけど、原作が「狼よさらば」と同じ人だったんですね~知りませんでした。
邦題の「狼」もそういうところから付いたんでしょう...何か浮いてる感じはありますけど(笑)

内容は本当にありがちな話で、息子をギャングに殺された父親の復讐譚です。
70年代あたりにこのテの作品が多くありましたが、大体刑事や元軍人が主人公で
本当に一般市民が主人公って「狼よさらば」くらいじゃないでしょうか?
ケヴィン・ベーコン演じる今作の主人公も何の特殊能力も権力も持たない一般市民です。
その辺の脇の甘さが後に血で血を洗う泥沼の殺し合いに繋がっていくわけですが
とにかく最初から最後まで痛ましい作品でした。

さすがに「ソウ」の監督だけあって、バイオレンスシーンは痛々しくて良いです。
あと、このテの作品には結構珍しいと思うのですが被害者側だけではなく、加害者側の家族も描かれていて面白かったですね~...まぁさすがにあのドライな親子関係はちょっとマンガチックですが(笑)

ケヴィン・ベーコンはさすがに上手いですし、ジョン・グッドマンも凄みがあって
個人的に好きなジャンルということもあって良かったと思います。
ただ、ギャング側にもスポットを当てすぎて”怖さ”がちょっと薄れてしまってその点は残念でしたね。

20年前ならもっと単純に楽しめたかも知れませんが、子供をもつ父親となった現在では
身につまされる作品ではありました。
日本では日常的に起こるような事件ではありませんが、それでも何が起こるかわからない現代社会ではまったく自分と無関係な話では無いと思うと色々と考えさせられますね。
ラストシーンのケヴィン・ベーコンの姿を見ると、復讐劇の爽快さよりも虚しさの方が強く心に残りました...女刑事のセリフ「この戦いに勝者はいない」という言葉が非常に印象深かったです。

「ストレンジャーズ 戦慄の訪問者」・・・(609)

2010-11-06 00:42:14 | Weblog
「ストレンジャーズ 戦慄の訪問者」THE STRANGERS
監督:ブライアン・ベルティノ
出演:リヴ・タイラー、スコット・スピードマン、他
2008年・アメリカ・85分<レンタル>

<STORY>
友人の結婚式からの帰り、クリスティンはジェームズからのプロポーズを断ってしまい、気まずい雰囲気のまま二人はジェームズの別荘に戻った。そこへ深夜にもかかわらず少女が訪問し、まるで心当たりのない人物の名前を尋ねられる...

事実に基づいた作品という部分も含めて「正体不明 THEM」とよく似てますね~
しかも悪いことに(笑)さらにエンターテイメント色が薄くなってます。
そういう意味では非常に微妙な作品で、緊張感はそれなりにありますが
特に盛り上がりも無ければカタルシスのある結末も無いです。
かといって面白くないのか?と言われれば、これはこれなりに”こういう作品として”楽しめると思いますし、まぁ賛否の別れる作品でしょうね。

話はシンプルでプロポーズを断られてギスギスしてるカップルが
(実話だからしょうがないけどこの設定は全然いらない)
別荘にいるところを何者かに襲われる、ってだけの話です。
一応主人公側は携帯電話もあるし銃やら色々武器もあるんですけど、犯人たちに翻弄され、追い詰められていきます。
ラストも特に何てことはなく、静かに終わっていくんですけど
こういう作品(ネタバレになるので詳しくは書きません)は日本のような国ではちょっと理解しづらい作品ですね~

特に私なんかは「自分ならここでこうやって撃退する!」なんて思いながら観てましたので(笑)
犯人たちに面白いように追い詰められていく様がかなり歯がゆくて、ちょっとイライラしました。

「サブウェイ123 激突」・・・(608)

2010-11-03 22:26:37 | Weblog
「サブウェイ123 激突」THE TAKING OF PELHAM 123
監督:トニー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン、ジョン・トラボルタ、ジョン・タトゥーロ、ルイス・ガスマン 、マイケル・リスポリ、ジェームズ・ガンドルフィーニ、他
2009年・アメリカ・105分<レンタル>

<STORY>
4人組の男が地下鉄をジャック、乗客を人質に立てこもった。犯人は無線で地下鉄運行指令室に連絡し、59分以内に市長に1,000万ドル用意させろと要求。連絡役には最初に無線で話をした地下鉄職員のガーバーを指名してきた。人質救出班のカモネッティ警部がそれを代わろうとすると、犯人は乗客を射殺。犯人との交渉役に就くガーバーだが、彼はある容疑で左遷されたばかりで...

74年の「サブウェイ・パニック」のリメイク。
残念ながらオリジナルは未見のため比較はできませんが、なかなか面白かったですよ。
とりあえずいつも思うことですが、トニー・スコットの画はシャープでスタイリッシュでこれぞハリウッド映画!って感じで個人的には凄い好きです。

今作ではインターネットや携帯電話が当たり前のように使われていますが
原作が書かれたのは73年、オリジナルが撮られたのが74年なので、当然この辺は今作でのオリジナルの設定でしょうね。
ただ、そうなると話の根幹に関わる部分が変わってきますね...オリジナルがどうなのか気になるな~...観たくなってきました(笑)

犯人と地下鉄職員とのやり取りを含め、中盤~終盤の頭くらいまではテンポも良いし結構先がどうなるかハラハラする展開で良かったです。
が、やはり最後が問題ですね~...ネタバレになるので書きませんが、ちょっと拍子抜けっていうか、もっとピシッと締まるラストを見せて欲しかったですね。

それにしてもこの邦題はどうにかならなかったのでしょうか?
オリジナルと同じ「サブウェイ・パニック」で全然良かったと思うんですけどね~
”激突”って何が激突なの?まさかパトカーとタクシーのこと言ってるんじゃないでしょうね?
いつもいつも思うことですが、勢いだけの邦題は本当にヒドいの一言です。