家庭内映画館

ホームシアターやAV機器、映画の感想・映画にまつわる話をだらだらと書き綴っていきます。

みなさま、よいお年を!

2012-12-31 04:02:18 | Weblog
拙ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今年も残り数日になりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
私は相変わらず雑事に追われ、バタバタした毎日を過ごしております。

今年はWOWOWに加入したこともありまして、映画を観る本数は結構増えてるのですが
気軽に観れるぶん吟味しないで観てしまうので
テレビで観た作品はなかなかブログを書くまでに至りません。

以前にも書きましたが、観れる時に映画を観て、書ける時にブログを書いて
それを定期的にアップロードするようにしているのですが
ここ2ヶ月ほどはテレビで放映した作品ばかりで
DVDをレンタルしてきて観ることは全然なくて
書き溜めたブログはもうそろそろ無くなりかけております(笑)

休み中にまた色々DVDを借りてきて観たいな~などとも考えておりましたが
年末年始は格闘技が何本かありますし、あと長時間のバラエティも多いので(笑)
ゆっくり映画を観るのはまだ少し先になりそうです。

アップのペースもかなり落ちてしまってますが
ボチボチ続けていきますので、またお付き合いください。
よろしくお願いします。
それでは皆様良いお年をお迎えください!

「その土曜日、7時58分」・・・(761)

2012-12-29 02:21:06 | Weblog
「その土曜日、7時58分」BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD
監督:シドニー・ルメット
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク、アルバート・フィニー、マリサ・トメイ、他
2007年・アメリカ・117分<レンタル>

<STORY>
娘の養育費もまともに払えない男、ハンク。そんな彼に兄のアンディはある強盗計画を持ちかける。狙うのはなんと彼らの両親が営む宝石店。ハンクとは対照的に不自由ない生活を送っているかに見えたアンディにも緊急に金が必要なワケがあった。ためらうハンクだったが、アンディに言葉巧みに説得されてしまう。しかし、いざ実行に移す段になって怖じ気づいたハンクは、男を金で雇い、自分は車で待機することに。そして...

巨匠シドニー・ルメット監督の遺作。
ルメット監督が亡くなられたのは昨年の春なのですが、なかなか観る時間が無くて
1年半経って、2012年の最後にやっと観ることができました。

簡単に言えば、ダメ兄弟がダメな強盗計画を立てて家族もろとも破滅してゆくという
凄まじく重く欝なサスペンスです。
強盗が失敗する所から始まって、登場人物それぞれのエピソードを時間軸を遡ったりしながら
なぜ強盗を計画したのか?なぜ失敗したのか?その後どうなっていったのか、ということが
色んなエピソードを組み合わせていくことで描かれていきます。
話が時間通りに進むわけではないですが、わかりにくいというような事はなく
非常に良い効果を生み出しております。脚本が上手いのでしょうね~

コーエン兄弟が撮りそうな題材の作品ですが、さすがにルメット監督が撮ると重厚で非常に考えさせられるサスペンスになりますね。
とはいえ、コーエン兄弟が撮ったらどうなるのかな~?っていう興味もありますが...
ちょっとネタバレになってしまいますが...はっきり言って救いようのない哀しいドラマです。
ただ、非常に良質なサスペンスであり人間ドラマでもあります。
ですので、もし未見の方がいらっしゃったら是非ご覧いただきたいですね。

「スマグラー おまえの未来を運べ」・・・(760)

2012-12-22 00:04:55 | Weblog
「スマグラー おまえの未来を運べ」SMUGGLER
監督・脚本:石井克人
原作:真鍋昌平
出演:妻夫木聡、永瀬正敏、松雪泰子、満島ひかり、安藤政信、高嶋政宏、小日向文世、他
2011年・日本・114分<レンタル>

<STORY>
25歳のフリーター・砧は、パチスロの裏ロムという儲け話にのってしまい、300万円の借金を背負う。金を返すため、金融業者・山岡から紹介された日給5万円のアルバイトを始めるが、それは死体運びのスマグラーの仕事だった。山岡の指示で田沼組組長の死体を運んだスマグラーは、田沼組とチャイニーズ・マフィアの抗争に巻き込まれてしまった。田沼組から組長を殺した暗殺者、背骨と内蔵を探し出して連れて来いとの指令が下り...

「闇金ウシジマくん」の原作者でもある、真鍋昌平の同名作品の映画化作品。
原作は先に読んでいたのですが、金融業者の山岡が男性から女性に設定が変更されてる以外はそんなに大きな変更も無く
割と原作に忠実な実写化かと思います。
まぁ元々が漫画ですので、今作も全体的に漫画っぽくはあるのですがエンターテイメントとして楽しく観れました。

ただ、この話ってダメ男の砧が裏社会の人間(特に丈)と出会い、生死ギリギリの経験を経て
一人の人間として成長する、っていうような話が大きな幹になってると思うので
映像で見せるアクション・エンターテイメントにしてしまったことで、その辺の元々原作の持っていたテーマがブレてる感じがちょっとしました。
もちろん今作からもその辺は感じられるかと思うので問題はないかと思いますが...

あと、役者が良いですね~...永瀬正敏、松雪泰子、満島ひかり、安藤政信、高嶋政宏、小日向文世、島田洋八、我修院達也etc.主役の妻夫木は代わりが利くかな~と思ったりしますが(笑)脇を固める役者陣はみんな非常に良い味出してました。そういう意味では役者に救われた作品といえるかも知れません。
結構痛々しい拷問シーンやらアクションシーンやらがあるので誰にでもおすすめできる作品ではないですが
「殺し屋1」とか好きな方なら楽しめるかと思います。「殺し屋1」よりはポップで観やすいです。

「フライトナイト/恐怖の夜」・・・(759)

2012-12-15 00:25:50 | Weblog
「フライトナイト/恐怖の夜」FRIGHT NIGHT
監督:クレイグ・ギレスピー
出演:アントン・イェルチン、コリン・ファレル、クリストファー・ミンツ=プラッセ、デビッド・テナント、イモージェン・プーツ、他
2011年・アメリカ・106分<レンタル>

<STORY>
ごく普通の高校生チャーリーの隣家に魅力的な男ジェリーが引越してきてから、夜ごと町の人々が姿を消していく。チャーリーはジェリーの正体がバンパイアであることを知るが、それを証明するすべもない。チャーリーは最愛の人を守るためにも、自らの手でジェリーを倒す決意をするのだが...

トム・ホランド監督の「フライトナイト」(85年)のリメイク作品。
オリジナルは当時劇場で観ました。
ポップな作りの青春ヴァンパイアホラーで非常に良く出来た作品でした。
正直言ってどんなリメイクになるのか心配でしたが、まず率直に言って良く出来たリメイク作品だと思います!

一番気がかりだったのがコリン・ファレル(笑)
コリン・ファレルって何か童顔っぽい感じもするけどやたらとワイルドっぽさをかもし出してたりもするし
オリジナルでヴァンパイアを演じてたクリス・サランドンのスマートな感じを出せるのかなっていうのが心配していた点でした。
正直言って日本人受けするタイプの役者では無いと思いますし...(笑)
結論から言いますと、もちろんクリス・サランドンとは全然違うタイプではあるのですが、
今回は設定自体がワイルドでイケイケな感じなので全然違和感なく見れましたね。

他にもラストでヴァンパイア退治に協力するピーター・ヴィンセントもオリジナルのロディ・マクドウォールよりもかなり若いデビッド・テナントが演じていたり
細かい点で色々と違いはありますが大きなストーリーはほぼオリジナル通りです。
個人的にはリメイク映画のお手本と呼びたいくらいバランスの良い作品だと思いますね。
例えば以前にご紹介しました「マザーズデイ」なんかはリメイクと名乗らなくてもいいくらい改変されてました。
この辺はまぁ宣伝の部分でもリメイクとして製作したほうがプラスだと判断されたのでしょう。
そういう意味では今作はリメイクとして撮った意味のある作品だと思います。

結構オーソドックスなヴァンパイアものなので衝撃のようなものはありませんが
非常にテンポも良くて、グロシーンも多くなくあっさりと見れる青春ホラーに仕上がってますので
普段ホラーをあまり観ない方にも十分おすすめできる作品ですね。
難を言うならエンディングテーマをもうちょっとノリの良いロックな感じの曲にして欲しかったな~

「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」・・・(758)

2012-12-09 01:45:44 | Weblog
「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」HORRORS OF MALFORMED MEN
監督:石井輝男
原作:江戸川乱歩
出演:吉田輝雄、由美てる子、土方巽、賀川雪絵、小池朝雄、大木実、他
1969年・日本・99分<セルDVD>

<STORY>
医学生の人見広介は、精神病院に監禁され、聞き覚えのある子守歌にひかれて、脱走。歌の主は、初代という少女だった。そのメロディにつながる風景が、2人のイメージに合致した。その翌日、初代は何者かに殺害された。広介は、謎を解くべく北陸に向かった。車中で見た新聞に、広介と瓜二つの菰田源三郎なる男が病没したとの記事を見て、その町に降りた。源三郎の父・丈五郎は人目を嫌い、執事の蛭川に後を託すと妻のときを連れて無人島に渡り、島を人工改造しているという...

昔からカルト映画の代表作の1本として噂には聞いていましたが、海外でDVDリリースされたことでようやく観ることが出来ました。
(ちなみに現在発売されてるものはリージョン1のDVDで、日本国内向けプレーヤーでは再生することが出来ません)
石井輝男の作品はほとんど観てませんし、江戸川乱歩もほとんど読んだこと無いです。
で、今作を観た感想はただただ「まぁ確かにカルトやな~」っていうことですかね?(笑)
今や伝説となってる「人間花火」より明智小五郎の唐突さのほうがよっぽど衝撃的でした!

まぁ単純にタイトルや差別的なセリフ(キ○ガイ等)のせいで
いわゆる”自主規制”ってことになってなかなか人目に触れないことでカルト化してしまっただけで
作品としては別に何てことは無いというか、単純にB級・C級サスペンスですよ。

物理的に観れないからカルト化したものでは無く、公開時ヒットしなかったもののファンに支えられて
じわじわと人気の出たカルトの方がやっぱり良い作品多いですよね~「ブレードランナー」とか...
ビデオやレンタルショップが登場するまではどんな映画も一期一会だったはずなので
「観れない」というだけでプレミアが付くのはいかがなものか?っていうのが今回カルトを代表する今作を観た感想です。

「ムカデ人間」・・・(757)

2012-12-01 03:27:45 | Weblog
「ムカデ人間」THE HUMAN CENTIPEDE
監督:トム・シックス
出演:ディーター・ラーザー、北村昭博、アシュリー・C・ウィリアムス、アシュリン・イェニー、他
2009年・オランダ=イギリス・90分<レンタル>

<STORY>
ヨーロッパを旅行中の2人のアメリカ人女性。車で移動中、突然タイヤがパンクし、夜の闇の中で立ち往生してしまう。助けを求めてさまよった2人は、一軒の大邸宅にたどり着いた。次の日、目覚めるとそこは地下に作られた病室のベッドの上。隣には彼女たちと同じように、日本人男性が寝かされている。家の主であるドイツ人男性は、恐るべき手術によって“人間ムカデ”を創り上げるという生涯の夢を実現させようと企んでいたのだ...

何とも形容しがたい作品ではありますが...
まずこのプロットを考えた人の変態性と主演のディーター・ラーザーをキャスティングしたセンスに拍手を贈りたいですね(笑)

話的には結構ホラーやサスペンスでありがちな誘拐・監禁ものではありますが
今作の特徴は何と言ってもその誘拐した人たちを「繋げる」という特殊性にあります。
主人公が元々シャム双生児の分離を専門としていた医師だという部分を逆にしたようなこの設定は
我々のような常人にはまったく理解しがたい上にこの上なく気持ち悪いものであります。

で、これがどんなストーリーになるのかな~と思ってたら、ムカデ人間を作るという部分を除けば結構オーソドックスなスリラー映画になってます。
そして観てるうちにこの変態医師に何となく感情移入してしまう自分もいたりします(笑)
これは誘拐や殺人を描いた作品では無く、繋がった人間に美しさを見出してしまった
どうしようもなく哀しい男の物語なんだな~と。
以前に観た「変態村」あたりと共通するような、常人にはまったく理解しがたい「あまりにも変態的で、哀しくも美しい」そんな愛を描いた
”ラブストーリー”ではないでしょうか?観終わった後の何とも言えない心地悪さが心地よかったりします(笑)

「ムカデ人間2」も早く観たいです!