家庭内映画館

ホームシアターやAV機器、映画の感想・映画にまつわる話をだらだらと書き綴っていきます。

「ヒーローショー」・・・(661)

2011-05-28 00:59:28 | Weblog
「ヒーローショー」THE HERO SHOW
監督:井筒和幸
出演:後藤淳平、福徳秀介、ちすん、米原幸佑、桜木涼介、林剛史、阿部亮平、石井あみ、永田彬、結城しのぶ、大森博史、筒井真理子、木下ほうか、升毅、光石研、他
2010年・日本・134分<レンタル>

<STORY>
目標もないまま自堕落な生活を送る専門学生のユウキは、ヒーローショーの悪役バイトを始めることにする。ある日、バイト仲間のノボルがユウキの先輩・剛志の彼女を寝取ったことで、ヒーローショーの舞台上で2人は殴り合いを始めてしまう。その後も剛志はユウキも含め悪友たちを招集し、ノボルをゆすろうとするが、ノボルも自衛隊上がりの悪友を集め報復に出る...

井筒監督がジャルジャル主演で「ガキ帝国」「岸和田少年愚連隊」の夢を三度...っていうつもりで撮ったのかな?と思ってましたが、そんなでも無さそうな感じの作品でした(笑)
特に製作者側からのアナウンスは無いですが、基本ストーリーは2006年に起こった「東大阪集団暴行殺人事件」が下敷きになっているようです。

個人的に「ガキ帝国」は邦画ではベスト10に確実に入れたい作品ですし、「岸和田少年愚連隊」も非常によく出来た青春群像劇だったと思います。
今作も若手漫才師ジャルジャルを起用してますし、久々に往年の井筒作品の輝きが取り戻せてるかと思ってましたが
はっきり言ってまったくダメな作品でした...まだ「パッチギ」の方が全然マシですね~
きっと監督なりのメッセージはあるのでしょうが私にはまったく伝わりませんでした。
ただただ薄っぺらい生き方をしてる若者達がただただ意味も無く破滅していくだけのように見えて
とにかくツッコミどころ満載でしたね...プロットも脚本もヒドすぎです。

関東が舞台なのになぜ関西人のジャルジャルが主演なのか?しかも標準語?
殺人に至るまでの理由が希薄。途中でいくらでも止めることできたでしょ?
しかも結婚や転職を考えてる人間が殺人に加担って無理がありすぎる。
他にも、喧嘩が強いっていうジャルジャル後藤演じる勇気の喧嘩が強いと感じられるシーンがまったく無いし
とにかくちぐはぐでブツ切りな印象ばかりが残りました。
無駄なシーンも多いし、これで2時間超といわれてもカンベンしてくださいとしか言いようが無いですね。

きっと「ヒーロー」であるとか「人生をやり直す」とかエンディングに流れるピンクレディーの「SOS」であるとか、そういう部分が何らかのメッセージであるんでしょうけど、とにかく作品としての出来がこの程度だと何も伝わらないです。
個人的には井筒監督は好きな監督ですし、上に書いた作品以外でも「二代目はクリスチャン」「犬死にせしもの」など素晴らしい作品を数多く撮ってます。だからこういう作品を観ると余計に残念に思ってしまうんですよね~そうそう映画を撮るチャンスも無いでしょうし...

「シロメ」・・・(660)

2011-05-26 21:43:17 | Weblog
「シロメ」SHIROME
監督・脚本・編集:白石晃士
出演:百田夏菜子、早見あかり、玉井詩織、佐々木彩夏、有安杏果、高城れに、他
2010年・日本・83分<レンタル>

<STORY>
“シロメ”と呼ばれる化け物が潜むと噂される廃墟。そこに足を踏み入れた者は、白目をむいた怪物によって地獄に引きずりこまれてしまうという。真相を確かめるため、テレビ番組の収録で廃墟を訪れた6人は、数々の超常現象に襲われる...

「ノロイ」「オカルト」の白石晃士監督作品。お得意のフェイクドキュメンタリーです。
主演は「ももいろクローバー」というアイドルグループだそうです...名前くらいは聞いたことありますが
残念ながら私はアイドルというものに昔からまったく興味が無いので詳しいことは全く知りません。

まぁはっきり言いまして、ホラーの体裁をした「ももいろクローバー」のプロモーションビデオだというのが一番的確な表現だと思います(笑)
もちろん白石監督独特のあの禍々しさは健在ではありますが「オカルト」に比べれば”ちゃんちゃらおかしい”としか言いようが無いレベルですね~
個人的にアイドルの世間を舐めきったようなウソっぽさっていうのが嫌いで、今作でも全編に渡って腹立たしいかぎりではありますが、最後の方で心霊スポットで歌い踊るシーンなんかはちょっとキチガイじみててなかなか良かったです...ちょっと歪んだ評価の仕方ではありますが(笑)

基本的に「ももいろクローバー」のメンバーがフィーチャーされてますが、怪談サークル「とうもろこしの会」の吉田会長がなかなか美味しい役で登場いたします...というようなことも含め、完全にマニア向けな作品ですね。

「パーフェクト・ゲッタウェイ」・・・(659)

2011-05-21 01:33:09 | Weblog
「パーフェクト・ゲッタウェイ」A PERFECT GETAWAY
監督:デヴィッド・トゥーヒー
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ティモシー・オリファント、キエレ・サンチェス、スティーヴ・ザーン、マーリー・シェルトン、クリス・ヘムズワース、他
2009年・アメリカ・97分<レンタル>

<STORY>
ハネムーンでハワイを訪れたクリフとシドニーのカップル。彼らは、ハワイで最も美しいと言われるビーチに行くために、原野をトレッキングしていた。そんな中、「オアフ島で新婚カップルが殺害され、犯人のカップルはカウアイ島に渡った」というニュースを聞く。道中、ニック&ジーナ、ケイル&クレオという二組のカップルと出会ったクリフたちは、疑心暗鬼に陥るが...

何と言うか、完全に残念な作品でした。
この作品のキモはなんと言っても「どのカップルが犯人か?」というところですが
そのカップルがたった三組しか出てこず、まぁ一言で言えば三分の一の確立で犯人がわかるわけですね(笑)
正直言ってもう少し犯人がわかりにくければ、もっと楽しめたかもしれませんが
序盤で「きっとこのカップルが犯人だろうな~」と思ってたカップルが案の定犯人で(笑)
そうなってくると色々と”ミスリード”としか思えないシーンもあって、なんとも残念な出来であると言わざるをえないですね。

ラストだけはなかなか切なさもあって個人的には良かったなぁ~と思います。
締め方としては最良だったのでは無いでしょうか?その点は評価します。

「アウトレイジ」・・・(658)

2011-05-18 18:03:15 | Weblog
「アウトレイジ」OUTRAGE
監督・脚本・編集:北野武
音楽:鈴木慶一
出演:ビートたけし、三浦友和、椎名桔平、加瀬亮、國村隼、杉本哲太、塚本高史、中野英雄、石橋蓮司、小日向文世、北村総一朗、他
2010年・日本・109分<レンタル>

<STORY>
関東一円を仕切る巨大暴力団組織、山王会。その若頭である加藤は、傘下の池元組と弱小ヤクザ、村瀬組の接近を警戒し、組長の池元に村瀬組を締めるよう命じる。そこで池元は、配下の大友組にそれをそのまま丸投げ。弱小組織ながらも武闘派の大友組は、毎度、池元からやっかい仕事ばかりを押しつけられていた。さっそく村瀬組を締め上げにかかる大友組だったが...

北野武監督、久々のバイオレンス作品です。
”キタノブルー”などと称され、海外では一流監督みたいな扱いを受けてますが
個人的にはたけしの芸術系の作品はまったく面白くないです。
ついでに言うとコメディも面白くないです。
この人の本領を発揮するのは間違いなくバイオレンスだと思いますよ!

今作も相変わらずドライでクールな視点から、凄まじく痛々しい抗争が描かれています。
Vシネマ以来、竹内力や哀川翔らが演じるちょっとカッコいいヤクザが主流になってましたが
たけしの描くヤクザは正に深作イズム溢れるダーティーさが素晴らしいですね~

基本的には素晴らしいヤクザ映画だと思うのですが、あえて難点を挙げておきます。
まず、これは特に難点ってほどでは無いのですが、さすがにたけしも監督としてキャリアを積んできたこともあって
良い意味での素人臭さが無くなってしまったこと。
監督デビュー作『その男、凶暴につき』は、凄まじいまでの狂気があったのですが
今作では、そういう意味ではちゃんと映画として成立してるって感じになりましたね。
もう一点は、個人的にはかなり致命的な感じがしたのですが、編集がヒドいです。
たけしが編集してるようですが(クレジットに編集で別の人の名前があったので一人でやってるわけでは無いようですが)
なんかブツ切りって感じの印象が否めませんね。
悪く言うと”バラエティ的””ひょうきん族的”な(笑)...まぁ狙いとは思うのですが
私はあんまり良いとは思えませんでした。

”狂気”っていうのは誰にでも真似できるものでは無いでしょうけど
バイオレンスやアクションを撮る監督は北野武の狂気を見習うべきです!
何にしてもここ最近の邦画ではトップクラスの作品だと思います。おすすめ!

映画の感想<番外編>

2011-05-14 02:27:06 | Weblog
拙ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
やっと「ウルフマン」までたどり着きました(笑)ここからが2011年に観た作品になります。
以前にも書きましたが、今年に入ってから体調があまり芳しくなくてできる限り睡眠を優先させております。
DVD観るのってやっぱり「映画を観る」って気持ちが強いせいか集中力が必要で、
精神的に疲れてるとなかなか映画を観ようって気にならないんですよね。
で、地上波の映画だと(あまり良いことではないのですが...)テレビドラマでも観てるような感覚で
気軽に観れるので、最近は地上波やケーブルテレビで観ることの方が多いですね~

あと、最近は海外ドラマをよく観てます。
「フリンジ」「スーパーナチュラル」「プリズンブレイク」「ダメージ」「ウォーキングデッド」などなど...
日本でもこういうドラマが作られるようになったら最高なんですけど
まぁ子供も観るような時間帯ではホラー系は無理でしょうし、深夜では予算が無いでしょうし...難しいところですね。

「ごくせん THE MOVIE」
漫画『ごくせん』を原作とした仲間由紀恵主演のテレビドラマ『ごくせん』の劇場版。
ドラマシリーズは観ておりましたし、こういう勧善懲悪な水戸黄門的ドラマは嫌いでは無いです。
ただ、あくまでシリーズファンに向けた最終回的な作りで、まぁそういう意味では映画作品としては雑な作品ですね。
別に難しい話では無いのでシリーズを観ていなくても楽しめる作品ですが、別に劇場作品ではなくてテレビの2時間スペシャルで十分な無いようではありますね~

「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」
こちらも「ごくせん」と同じく、漫画が原作のテレビシリーズの劇場版で最終回的位置づけの作品です。
こちらは「ごくせん」と違ってある程度はテレビシリーズの知識が無いと全体の流れはわかりにくいですね。
まぁそれなりに楽しめますがこちらもテレビの2時間スペシャルで十分だと思います。
個人的には吉瀬美智子の美しさだけが印象に残る作品でした(笑)

「ウルフマン」・・・(657)

2011-05-11 00:19:31 | Weblog
「ウルフマン」THE WOLFMAN
監督:ジョー・ジョンストン
出演:ベニチオ・デル・トロ、アンソニー・ホプキンス、エミリー・ブラント、ヒューゴ・ウィーヴィング、ジェラルディン・チャップリン、他
2010年・アメリカ・102分<レンタル>

<STORY>
19世紀、イギリス・ブラックムーア。舞台俳優のローレンスは弟ベンが行方不明になったと知り、久々に実家の城に帰ってきた。しかし到着早々、無残に引き裂かれたベンの死体が発見される事態に。自ら犯人捜査に乗り出すローレンスだが、謎の狼男に襲われ、自らもウルフマンとなってしまう。満月の夜にウルフマンに変身し、次々と村人を襲うローレンス。その父ジョンはあえてローレンスを凶行に走らせる不可解な行動をとり...

「ジュラシックパーク3」のジョー・ジョンストン監督作。オーソドックスなゴシックホラーです。
オリジナル脚本として1941年の「狼男」の脚本家の名前がクレジットされてますので一応リメイクってことになるんですかね?
残念ながら「狼男」は未見で、調べてみてもリメイクというようなことは書かれてないですが...
まぁ作品を観ればそんなことどうでも良いくらいのごく普通の狼男ものでした(笑)

もちろんオーソドックスなゴシックホラーを狙って製作されたと思うので、ストーリー的に特別驚きが無いのもしょうがないのでしょうけど
それにしてもどうでも良いくらい当たり前な内容なんでちょっと残念ですね~
もちろん’41年版と比べれば比べ物にならないくらい特殊メイクの技術は進んでますが(ちなみに担当はリック・ベイカー)
それでも現在の他の作品と比べれば特に凄いことやってるわけでは無いですし
そういう意味ではまさに可もなく不可もなくな狼男映画でした。
見所はベニチオ・デル・トロ、アンソニー・ホプキンスの二大怪優の共演くらいでしょうか?

監督のジョー・ジョンストンは「ジュマンジ」や「遠い空の向こうに」など、
ちょっと泣かせる作品を撮らせれば良い仕事するのに(笑)
今作では監督の持ち味とホラーという要素が上手く融合できなかった感じがしますね。
古典であることはわかるのですが、21世紀なら21世紀なりの狼男ものを見せて欲しいというのが率直な感想です。
「狼男アメリカン」の方が100倍面白いです。

「シャッター・アイランド」・・・(656)

2011-05-07 00:54:50 | Weblog
「シャッター・アイランド」SHUTTER ISLAND
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ、ベン・キングズレー、ミシェル・ウィリアムズ、マックス・フォン・シドー、パトリシア・クラークソン、ジャッキー・アール・ヘイリー、他
2010年・アメリカ・138分<レンタル>

<STORY>
精神を病んだ犯罪者だけを収容し、四方八方を海に囲まれた「閉ざされた島」から、一人の女が姿を消した。島全体に漂う不穏な空気、何かを隠した怪しげな職員たち、解けば解くほど深まる謎…。事件の捜査に訪れた連邦保安官テディがたどり着く、驚愕の真実とは...

劇場公開時はディカプリオ主演であるとか、ストーリーがどうであるとか、っていうのが取り沙汰されてましたが
個人的にはマーティン・スコセッシ監督作品ということを一番楽しみに観ました。が...まぁ誰が撮ってもあんまり関係ないというか(笑)スコセッシだからどうというような感じは全く無かったですね~
これを観てる時は結構眠たくて(笑)半分寝ながら観てるような状態ってのもあったんですけど
何かイマイチ面白くなかったな~...
ラストも「はぁそうですか...」って感じで、特に衝撃もなかったです。
っていうか、やっぱりラストまで興味深く引っ張っていってくれないと衝撃のラストがあっても
やっぱり意味を成さないな~と改めて感じました。

ちなみに今作は原作があるそうで、原作者は「ミスティック・リバー」と同じ人なんですね~
また機会があったら原作の方は一度読んでみたいと思います。

「アイアンマン2」・・・(655)

2011-05-02 00:32:34 | Weblog
「アイアンマン2」IRON MAN 2
監督:ジョン・ファブロー
出演:ロバート・ダウニー・Jr、サミュエル・L・ジャクソン、サム・ロックウェル、グウィネス・パルトロウ、ミッキー・ローク、ドン・チードル、スカーレット・ヨハンソン、他
2010年・アメリカ・124分<レンタル>

<STORY>
自らアイアンマンであることを告白した大企業スターク・インダストリーのCEO、トニー・スターク。そんな彼に新たな危機が迫っていた。まず、米国政府がパワードースーツの没収を命令。そして、彼に恨みを抱く謎の男‘ウィップラッシュ’が一撃で車を真っ二つにする電流ムチを携えて現れ、ライバルの武器商人ハマーも独自のパワードスーツを開発する。そんな中、胸に埋め込んだエネルギー源‘リアクター’の影響でトニーの体は蝕まれていき...

まぁ可もなく不可もなくな続編ってとこでしょうか?
1作目はまだシンプルな作品だったので、それなりに楽しめましたが
個人的にそんなに”特撮ヒーロー”に萌えない私としましては
ただヒーローが活躍するだけの作品ではやっぱり飽きてしまいます。

今作は流れとして『アベンジャーズ』の一環という感じもあって
その辺がアメコミに思い入れの無い私のような者にとっては
なかなかとっつきにくい感じがあったのかも知れません。

あとミッキー・ローク扮するウィップラッシュという敵キャラが
半裸でムチを振り回すという「SMの女王か!」と突っ込まずにはいられない
ちょっと恥ずかしいキャラでイマイチ魅力も感じませんでした。
唯一の見せ場はやはりラストの量産型アーマーとのバトルくらいでしょうか?

もし続編があれば観るでしょうし、『アベンジャーズ』も観たいとは思ってますが
もっとドラマに深みをもたせることは出来ないんでしょうかね~?
あと、前作もそうでしたがこのテの作品で2時間超はやっぱりキビしいかと思います。