家庭内映画館

ホームシアターやAV機器、映画の感想・映画にまつわる話をだらだらと書き綴っていきます。

映画の感想<番外編>

2010-08-31 17:45:35 | Weblog
いつも拙ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
暑い日が続きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
今月は色々とバタバタしていてなかなか映画を観る暇もないのですが
地デジチューナー内臓のHDDレコーダーを買ってからテレビ放映の映画を結構観てます。
あんまり数が多いとブログを書くのが億劫になるので(笑)
テレビで観たものの感想をここでまとめて書こうと思います。

「奪還 DAKKAN アルカトラズ」
セガール兄貴のいつもと何ら変わらない(笑)アクション映画です。
ギャングスタ系のアクションにセガールが絡んだっていう、それ以上でも以下でも無い作品ですね。冒頭に珍しくピンチのシーンもありますが、後は無敵です。

「沈黙の聖戦」
同じくセガール兄貴のやっぱりアクション映画(笑)
「奪還~」と違っていかにもセガール的な正統派のバカアクションです!
ここまで無敵だともう映画という枠組みが崩壊しております(笑)違う意味で必見!

「DOOR」
80年代の和製ホラー。監督は高橋伴明、主演は奥さんの高橋恵子。
ストーカー系のホラーですね~...今回が初見ですがなかなか不条理な感じで悪くは無かったです。ラストのバトルとかも良い感じです。
ただ、さすがに画面から時代が滲み出ていて、ちょっと当時のトレンディドラマを彷彿とさせる感じには若干萎えますが...

「野性の証明」
子供の頃にテレビで観た記憶はあるのですが、まともに観るのは今回が初めてです。
何故、高倉健が戦車隊に追われてるのか理由がわかりました(笑)
原作は未読ですが、薬師丸ひろ子の設定や存在ってそんなに必要だったんですかね~?
もっとシンプルなドラマでも良かったような気がします。
何にせよ角川に元気があった70年代らしいスケールのデカい作品でした。ラストの切なさが良いです!

「ハゲタカ」
大森南朋がファンドマネージャー・鷲津を演じた、テレビドラマの劇場版。
なかなか面白かったですが、ドラマを観てないとちょっと入り込みにくいかな?
何にせよやっぱりドラマ版の方が面白かったです。

「サマー・ウォーズ」
大ヒットし、評価も高かったアニメです。監督はアニメ版「時をかける少女」の細田守。
正直言って何が評価されたのかよくわからない、ヒドい作品でした。
ラストのバトルが花札って...
テレビ版はかなりカットされてるらしいですが、ノーカットだったとしても評価が変わるほど違いがあるとは思えませんね。
仮想世界「OZ」の映像だけは凄いと思いましたが、それだけです。内容がヒドすぎます。

「剱岳 点の記」
黒澤作品等で活躍されたカメラマン・木村大作の初監督作品。
カメラマンらしい美しい映像の作品でしたが、中身は全然つまらないです。
名カメラマンが名監督になれるわけでは無いという素晴らしい見本のような作品ですね。
ただ自分が撮りたいものを撮れば良いわけではなく、
やはり観客を楽しませようというエンターテイメントの精神がどれだけ大切かを改めて思い知らされました。
同じくカメラマンから監督に転向したヤン・デ・ボンの初監督作品「スピード」と今作を比べれば一目瞭然ですね。

「フィースト3-最終決戦-」・・・(589)

2010-08-29 13:26:02 | Weblog
「フィースト3-最終決戦-」FEAST III:THE HAPPY FINISH
監督:ジョン・ギャラガー
出演:ジェニー・ウェイド、クルー・ギャラガー、ダイアン・ゴールドナー、トム・ギャラガー、カール・アンソニー・ペイン、マーティン・クレバ、他
2009年・アメリカ・79分<レンタル>

<STORY>
モンスターの襲撃によってゴーストタウンと化したテキサスの街。スクールバスで街からの脱出を図るもモンスターに囲まれてしまった生存者たちの前に、モンスターを追い払うことのできる謎の男“預言者”が現れる。彼に導かれ地下の安全地帯へと逃げ込んだ生存者たちだったが、そこには更なる恐怖が待ち受けていた...

モンスター・パニック・ホラー「フィースト」シリーズ完結編。
3作目ですが2と3はほぼ前後編といった作りになってます。

1作目から続く、生き延びるべき人がバンバン無駄に死に(今作も冒頭からいきなりきます)
死んでくれ!ってやつが長々と生き延びるノリは健在です。
ちなみに”顔に鉄パイプ”(2作目を観てください)は個人的に大好きです。

2作目の続きなので内容はまったくそのままです。
1作目・2作目の生き残りが怪物との攻防戦を繰り広げ、なんとか街から脱出しようとするのですが
もう完全にコメディと化してますので、脱出できる感じは微塵も感じません(笑)
ここへ来て新たなキャラが登場したり、もう完全にカオスですね~

ラストは完全にちゃぶ台ひっくり返してますし、開いた口が塞がらないとは正にこういうことを言うんだと思います。
もしこのラストでそのままエンドクレジットで終わってたら多分頭に来てたと思うのですが
あのラテンな弾き語りオヤジが良いです!なんか許せます!
そこまで計算づくだったとしたらこの監督は本当に侮れない監督だと思いますね。
ただ、1作目で得た評価はおあずけとなりましたね...次作では真価を問われることになるでしょう。

1作目は本当に全てのホラーファンに観て欲しい、素晴らしいパニック・ホラーでしたが
2・3作目はなかなかオススメしづらいです(笑)...とにかくグロいし...
全てがこういう作品では困りますが、こういう作品も楽しめる度量の広さみたいなものは持ちたいものです。
ただ、モンスター・ホラーとしてのテンションの高さは尋常ではないので
ドタバタコメディになってしまっても観るべきところはちゃんとある作品だと思います。

「フィースト2-怪物復活-」・・・(588)

2010-08-28 00:55:55 | Weblog
「フィースト2-怪物復活-」FEAST II:SLOPPY SECONDS
監督:ジョン・ギャラガー
出演:ジェニー・ウェイド、クルー・ギャラガー、ダイアン・ゴールドナー、カール・アンソニー・ペイン、マーティン・クレバ、トム・ギャラガー、他
2008年・アメリカ・97分<レンタル>

<STORY>
地獄の一夜が明けた。
舞台はテキサスの砂漠地帯に孤立した荒野のバーから市街地へと拡大、無数に増殖した殺戮モンスター“フィースト”対生き残った人間たち。壮絶なサバイバル・バトルは、想像を絶する衝撃と興奮とともに果てしなくエスカレートしていく...

オンライン脚本コンテスト“プロジェクト・グリーンライト”で優勝した
モンスター・ホラー「フィースト」の続編。話はまんま前作の続きからになってます。

前作もかなりエログロな悪趣味ホラーではあったのですが、今作はさらに輪をかけてヒドくなってます(笑)
今作を観てから改めて思い返すと、1作目は設定が夜のバーというワンシチュエーションであったことが功を奏したと言いますかギリギリのところで良いバランスをとっていたと思います。
今作では舞台がバーから街に広がりまして時間帯も昼のシーンが多くなったことで
まぁ悪く言うと「馬脚を現した」かな~っと...
誤解の無いように言っときますがまあまあそれなりに面白い作品ではあるんですよ。
ただ前作が「コメディ要素のあるモンスター・ホラー」であったのに比べて
今作では「怪物が暴れまわるコメディ」になってしまってますね~

さらに今作では監督の父・妻に続いて弟・甥まで出演の「ホームビデオか!」と突っ込まずにはいられないキャスティングですが、家族が多く出てるのにヌルくならずこの無駄なテンションの高さは評価できます。(子供が死ぬのはちょっといただけませんが...)

1作目が面白かった人は是非観て欲しいところですが、シリーズとしての評価は落ちるでしょうね(笑)
あと凄まじくグロいので苦手な方はご注意を!
「フィースト3」に続く。

「デビルズ・バックボーン」・・・(587)

2010-08-21 01:03:11 | Weblog
「デビルズ・バックボーン」EL ESPINAZO DEL DIABRO
監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ
出演:マリサ・パレデス、エドゥアルド・ノリエガ、フェデリコ・ルッピ、イレネ・ビセド、フェルナンド・ティエルブ、他
2001年・スペイン=メキシコ・106分<レンタル>

<STORY>
内戦下のスペインで人里離れた荒野の真ん中に立つ孤児院を舞台に、夜ごとに出没する少年の霊に悩まされる少年の姿と、その孤児院に隠された秘密を描く...

「パンズ・ラビリンス」「ヘルボーイ」のギレルモ・デル・トロが
2001年にスペインに招かれて製作したホラー映画。
ホラーと言ってもいわゆるオカルト的な作品ですね。
「パンズ・ラビリンス」が非常に深い作品でしたので、今作にも期待したのですが...
まぁ一言で言ってしまえば幽霊による復讐譚、日本の古典的な怪談のような話で
まぁ正直言って退屈でした。

「パンズ・ラビリンス」と同じくスペイン内戦下での話なんですけど
こちらの方がより戦争というものが深く物語に関わっている感じがします。
何度かここに書いてますが、私は社会科が苦手ですので(笑)あまりよくわかりませんが
戦時下における人間の欲望や人々が持つ秘密であるとか、何かそういうことを描きたかったのかな~っと...

こういう段階を経て「パンズ・ラビリンス」のような作品にたどり着けたわけですから
あくまで通過点として見ればまぁこれはこれでありかなって感じでしょうか?
観るか観ないか迷って観てみたら、結局こういう結果でした(笑)
とりあえずシリーズもの以外のデル・トロ監督の次作に期待します。

「ス SOO」・・・(586)

2010-08-16 23:25:18 | Weblog
「ス SOO」
監督:崔洋一
出演:チ・ジニ、カン・ソンヨン、イ・ギヨン、オ・マンソク、他
2007年・韓国・123分<レンタル>

<STORY>
最高の殺し屋にして、最高の解決屋の“壽(ス)”ことテス。
テスの願いは、19年前に麻薬組織のボスの金を盗んだ自分の身代わりに捕まった双子の弟テジンに会うことだった。しかし、その願いが叶った日、スの目の前で弟は殺されてしまう。テスは刑事だった弟になりすまして犯人捜しを始める...

崔洋一監督が単身韓国に渡り、現地のスタッフ・キャストと撮ったハードボイルド・バイオレンス。
作品全体を通して観ると、静かで重くてハードボイルドの雰囲気は出てたと思うので
まぁそんなに悪くはないと思います。ただ、ツッコミどころは満載です(笑)

やっぱり時間が長いです。話が盛り上がってくるのは中盤辺りからなので20分は余裕で削れたのでは?
何故この内容で2時間超になったのか理解に苦しみます。
あと、何と言っても裏社会で有名な殺し屋なのに弟になりすまして行動してる時は
まったくその凄さが見えません。私はてっきりその能力を駆使して敵を倒していくものだとばかり思ってましたが、全然普通でした。
少なくとも「さすがは凄腕の殺し屋!」と思わせるようなところは無いもなかったです。
それとヒロインがあんまり可愛くなかったです...(笑)

上にも書きましたが全体を通して「凄腕の殺し屋」的な感じがほとんどなかったのが非常に残念でしたね~...何のためにそんな設定にしたの?って感じでした。

「フィッシュストーリー」・・・(585)

2010-08-14 22:46:55 | Weblog
「フィッシュストーリー」フィッシュストーリー
監督:中村義洋
原作:伊坂幸太郎
出演:伊藤淳史、高良健吾、多部未華子、濱田岳、森山未來、大森南朋、石丸謙二郎、他
2009年・日本・112分<レンタル>

<STORY>
パンクバンド・逆鱗が75年に残した最後の曲「FISH STORY」。発売当時誰にも聴かれなかったその曲が、巡り巡って地球滅亡の危機を救う...

伊坂幸太郎の短編の映画化作品。
とりあえず伊坂幸太郎なので話自体は問題ないのですが映画としてどうなんでしょうか?
中村監督は以前にも伊坂幸太郎の「アヒルと鴨のコインロッカー」を映画化していて健闘していたとは思いますが、
今回は「アヒル~」より落ちるかな~っていうのが正直な感想です。

音楽をやってた人、特にオリジナルをやってた人は一度は考えたことのある「音楽で世界を変える」っていうようなことが物語の根幹にありまして
その点は私も音楽経験者の端くれとして非常に興味深く観れました。
で、パンクバンド「逆鱗」を取り巻く物語がメインのストーリーとして話が進んでいくのですが
最終的には「ヒーロー=正義の味方」のドラマになります。

ドラマとしては伊坂幸太郎らしく淡々としながらもハッピーエンドで非常に素晴らしいものなんですけど
複数の年代のドラマがコラージュされてて、行ったり来たりするんでちょっとわかりにくいな~って感じはしました。
あと、役者は伊坂幸太郎の世界観に合う人をキャスティングしてるな~っていうのはよくわかるんですけど、作品全体の感想で言うと伊坂幸太郎の世界観は正直あまり感じませんでしたね。

「ヒーローもの」の一つとして、興味深い作品ではありますが
映画の出来としてはやっぱりイマイチだったように思います。
特に「伊坂幸太郎原作の映画化」として見れば「?」の付く作品になってしまったことは否めませんね。

「野獣死すべし」・・・(584)

2010-08-07 00:07:23 | Weblog
「野獣死すべし」野獣死すべし
監督:村川透
原作:大藪春彦
出演:松田優作、小林麻美、鹿賀丈史、室田日出男、他
1980年・日本・118分<レンタル>

<STORY>
通信社のカメラマンとして、アンゴラ、レバノン、ウガンダなど、世界各地の戦場を渡り歩いた経験を持つ伊達邦彦。彼は相棒と組んで銀行を襲撃。神を裏切るのが目的のように、次々と殺人を重ねていく...

これまた数十年ぶりに観ました。この頃の角川映画を観ると小学生の頃を思い出して
何となくノスタルジックな気持ちになってしまいます。
ちなみに最後の廃墟(?)でのシーン以外は憶えてなかったんですけど
観て見ると見覚えのあるシーンが多くありました...それだけ子供には衝撃的な作品だったのかも知れませんね。

で、久々に見返してみましたが、松田優作は「タクシードライバー」がやりたかったんでしょうね~
戦争によって狂気に走った男が壊れていく様子を一人芝居で延々と演じてますし
役作りのために10kg以上減量しただの奥歯を抜いただのの逸話も正にデ・ニーロ的であります。

残念ながら原作は未読ですが、どうも原作とは内容が違うようですね...確かにマンガ的というか少年ジャンプあたりで連載されてそうな(笑)ちょっと現実離れした感はあります。
ただ、これは以前にも何度か書いてると思うのですが、松田優作という役者の持つ説得力の凄さがそう思わせないのがさすがだと思います。
どんなに荒唐無稽な話であっても松田優作が演じることで説得力や緊張感が生まれてくるんですよね~...今さらながらに稀有な存在だったと思い知らされます。

私くらいの世代には角川映画っていうと日本映画っていうものの一つの象徴でありますし、全盛期の作品を観ると作品の出来や内容云々以上に懐かしさが感じられて個人的には好きなんですけど、今時の若い人にはこの頃の角川映画なんかはどういう風に捉えられているのでしょうか?