家庭内映画館

ホームシアターやAV機器、映画の感想・映画にまつわる話をだらだらと書き綴っていきます。

「となり町戦争」・・・(354)

2008-05-16 00:06:15 | Weblog
「となり町戦争」となり町戦争
監督:渡辺謙作
原作:三崎亜記
出演:江口洋介、原田知世、瑛太、菅田俊、飯田孝男、小林麻子、余貴美子、岩松了、他
2006年・日本・114分<レンタル>

<STORY>
「舞坂町はとなり町・森見町と戦争を始めます。開戦日5月7日。終戦予定日は8月31日。」
ある日届いた、となり町との戦争のお知らせ。偵察業務に就かされた“僕”は、その業務遂行のために、対森見町戦争推進室の“香西さん”と夫婦生活を始める。戦時にもかかわらず、町は平穏を崩さない。かろうじて戦争状態と分かるのは、日々のニュースで発表される戦死者の数だけ。淡々とした日常生活のなかに侵食した戦争。“僕”は、知らず知らずのうちに、その戦争の中心にいたのだ...

第17回小説すばる新人賞受賞作品の映画化です。
図書館では常に貸し出し中で残念ながら原作は未見です。

話自体は単純で、文字通り隣町同士が戦争を始め、そこに主人公が巻き込まれてゆく...というストーリーです。
原作を読んでいないので詳しくはわかりませんが、”役所”や”戦争”を皮肉った感じの内容ですね。

最初の方は目に見える形では戦争は描かれておらず、ただ戦死者数だけが報道されるという「大怪獣東京に現る」みたいな作りになっています。
で、少しづつ戦争は本当に起こっていて主人公は間違いなく”殺し合い”の真っ只中にいる、という感じに物語は進んでいきます。

非常にシュールで不条理で突拍子も無い内容ですが、まあまあ面白い作品です。
常に世界のどこかで戦争が起こっていますが、直接関係無い者にとっては「対岸の火事」的な認識しか無いと思います。この作品では戦争が起これば人は殺し合い、そしてその人たちにも家族があり仕事があり生活があり...という当たり前であるけど当事者で無ければなかなか思いが及ばない、そういうことを皮肉って描いているんだと思います。

人によっては陳腐な内容に思われるかも知れませんが、メッセージ性もありエンターテイメント性もありでそう悪くは無い作品だと思います。
できれば原作を読んでみたいですね。