脱あしたのジョー

MTオリーブフィットネスボクシングクラブのブログ

저녁 하늘 Evening Sky

2019-05-08 | Weblog


代官の会社では英語がほぼ共通語になるらしい。そこで週回ほどだが特別レッスンを持っている。日本人は文法にすごくこだわる。例えば「There is the」とは言わないとか「sundays」と言う言葉は可能だとか、受験で出題される問題は場合によってはすごくマニアックでそこまで気にしなくてもとさえ思うのだが、「there is the」は現地で大学に行っていた人が「えっ!それ本当ですか」と言うぐらいだから、いかに文法に細かくて大学受験の英語はあまりにもマニアック実践的ではないだろう。私の感想では日本人が文法にうるさいのは日本語が規則性のあるオーガナイズドされた言葉であるからだ。日本語は表現にも暗黙のルールがある。例えば韓国語と比較してみると저녁 하늘(チョニョK ハヌル)と言う表現がある。これは歌や小説でも出てくるのだが、直訳すると夕方の空と言う表現であるが(おそらく漢字語とハングル独特の表現があるが夕方の空はハングル表現だと思う)しかしこの言葉は少しひっかかる言葉だ。日本語では小説や詩にもこういう表現はないと思うのだが日本人の感覚では夜の空を夜空と一言で表現されるので、夕暮れの空と言うのはいささか不自然なように聞こえる。一方韓国語や英語は日本語に比べてこれは不適切だこういう表現は使わないというというのは自由で、いろいろな表現の仕方がある。日本人が文法にうるさく間違いをおそれるのは、日本語そのものを表現する時にも言葉の使い方や表現のルールと言うものがあって、そういうことを意識しすぎるから自由に表現できないのだと思う。確かに英語にもルールがあるが、しかし表現は自由であるし、日常会話では特にアジア人の間ではそんな難しい言葉や受験に出てくるような構文重視の英語はつかわない。Drレベルの人でもえっこれぐらいだったら俺でも理解できるわ言うぐらいで、他の国の人たちは英語はToolと考えている。悪代官にはとにかく最初はこっちに来るか相手に向かうかぐらいの感覚で英語をつかんで、自分の思っていることやいいたいことを表現する、そして文章を作るときは日本語みたいに学校はとか家ではとか同士が限定されるものを主語としてとらえない。まず自分あるいは人を主語にして話すことが大事だと伝えた。

話は私の学生時代の話になるが、試合の後はじめてジムに顔を出した時、顔を見るなりチームメイトから大爆笑されたことがある。「なっなんだ!お前ら」とキョロキョロとまわりを見渡し不思議そうにしていたら。近くにいたバーガーが「お前の目エイリアンみたいだ」と大爆笑。「はあっ」と思って鏡を見たら、確かに目のあたりが腫れていて影になっているのか全体的に黒目に見える。これじゃエイリアンだ。私がへたなのかわからないが、試合をすると結構ダメージがあって、顔を晴らすことなど日常茶飯、たぶん試合にたびにエイリアンみたいになっていたのだろう。でも試合がおわって、いつも来てくれるピーターとジウンと帰りに車の中で80'sの音楽を聴きながら食べるハンバーガーは格別、私の青春の思い出である。今振り返ってその当時のことを思い出すと、私はボクシングを通して思い切り遊んでいたと思う。英語はレジャー的なスポーツを「go fishing」とか「go surfing」と表現するが、まさに私はその言葉通りに「go boxing」していたと思う。ハワイは人種のるつぼだ。特にアジア人が多い環境で本当に自分らしさをそこで出せた、そこは自分にとって自分のすべてをぶつけて行ける場所であったと思う。日本は言葉もそうだがオーガナイズドされすぎだ。クラブにしても私から見たら暗黙のルールがありすぎて、我々のような変なやつはそこで生き生きと競技できない。外国のリングは人種が違うし、性格や文化も違う、ボクシングと言うのは不思議なもので、そういう違いも共に競技したら認め合うことができる。はじめはすごく嫌いなやつも試合がおわれば好き嫌いに関係なく相手に敬意をはらうことができる。それは相手もそうであったし、そういう体験があったからこそ、私はここで本当に成長できたと思っている。

今日あげた歌は夕暮れの空で検索したらヒットした曲、Ailee(エイリ)と言うアメリカ系韓国人の曲、タイトルの「저녁 하늘」と言う言葉の中には何気ないせつなさが表現されている。そのせつなさを感じる夕暮れの空の下をエイリアンがハンバーガーを食べながら友人たちと談笑しながら帰っていく。これは私の思い出の1ページである。
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