脱あしたのジョー

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Soumissionと言う小説

2022-07-05 | Weblog
ある実業家がイスラム教は我々の理解をこえて異質であると言うような発言をしていた。彼は宗教学を学んだわけではないので、あまり言いすぎると問題になるが、しかし彼の言うことはわからんでもない。
9.11以来少しイスラム教に対して風当たりが強くなりつつアメリカで、あるイスラム教徒がインタビューで、自分は何回も職務質問されたと言っていた。どうやらテロ=イスラム教徒結びつけられているようだが、トランプの発言もそうだが欧米では、それ以来いささかイスラム教徒に対しての風当たりが強いようである。私はイスラム教をわるい宗教だとは思ってはいないし、差別する気はない。ただその性質がテロに利用されやすい宗教でそこに大きな問題があるだから警戒もされやすいのだろう。キリスト教特にプロテスタントが個人の信仰によるものだとするとイスラム教やユダヤ教と言うのは共同体の宗教である。もちろん信じるのは個人であるがしかしその信仰は親などによって継承されそれが共同体によって守られていく宗教でそれゆえに強固なものとなるのである。キリスト教などの個人宗教は戒律など存在しないが。イスラム教には戒律が存在し、その戒律が社会全体によって守られていくことはよく知られていることで、日本人がよく理解できないのが、日に何度かメッカにむかってひれ伏せることさらに食事などの戒律であるが、これらのことはそのイスラム社会の中では義務であり、社会や国によって守られていることは確かである。イスラム教と言うのはキリスト教や仏教などとの個人の信仰とは違う。イスラム教を信じると言うことは彼ら彼女らの社会やすべての常識を受け入れると言うことだ。そういう性質であるからはっきり言ってテロに利用されやすい。だから警戒されても仕方がないであろう。少し前韓国で話題になったフランスの小説がある。それは「soumission(日本語では服従)」と言うミシェルウエルベックの小説である。内容は2022年の大統領選挙に極右民族主義政党と新生ムスリムがのこった結果極右をおそれた国民がイスラム政党を選択して、その結果国がイスラムに支配されると言う小説である。もともとミシェルウエルベックの小説は過激すぎるのとあまり日本人にはうけそうにないので日本語訳にはなりにくいが、しかし彼の小説はヨーロッパ特にムスリムが多いとされるフランス政府の問題を浮き彫りにした小説であると思う。これ以上このことについて言及することはさけたいが、イスラム教と言うのは共同体の宗教だ、少数派であっても右を向けと言えば全員が右を向くそういう性質がテロに利用されやすいということを宗教的立場から言えると思う。

reference 
Michel Houellebecq "Soumission"

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