どうも今回の、メキシコ発の豚インフルエンザ騒ぎには大きな疑問が残る。つまり、何処を見ても、豚の発症例がないことである。2月中ごろに疑われた養豚加工業者も、結局は白と断定されたようである。つまり、豚の発生例は確認されていないのである。
OIE(世界獣疫事務局)は、北米インフルエンザと名前を変えるように提案している。これまでスペインとか香港型というように地名で呼んでいた。今回もくした例に倣って、北米インフルエンザと呼ぶべきと提案している。鳥インフルエンザに怯えるタイでは、すでにメキシコインフルエンザと呼んでいる。
又、神戸大学感染センターでは、インドネシアの豚の調査から1割が鳥インフルエンザ(H5N1 )をもっていることが確認された。これは非常に高い確率である。病原性の高いH5N1が豚もっているのは、豚体内で変化が疑われ極めて大きな問題であると同センター長の永井美之は指摘している。豚インフルエンザもこうした結果が疑われてはいる。
今回の豚インフルエンザも、人のレベルか豚のレベルか、あるいは国境を越えてからかはわからないが、遺伝子レベルの変化が疑われる。
ところが、前述のように豚の臨床例は未だないのである。OIEは改名することで、豚の貿易に支障がなくなるとしている。更に、インフルエンザウイルスは、異なる種を経ることで変化することが確認されている。今回も、実際に豚の症例があれば、H5N1である可能性も否定できないのだ。
このウイルスを豚に特定して考えると病気の把握が偏見にならないかと懸念する。豚症例が特定されない「豚インフルエンザ」の呼称は変えるべきではないのか。
追記:WHOがフェーズ5に上げたことは評価されるべきである。最も大切なことは、情報の共有である。最も被害を受けるのは後進国である。今回、海外旅行できるレベルの人たちが感染しているのは、世界への広がりが象徴的である。
それにしても、人込みには近づかない。丁寧な手洗いとうがいをするという対応策は感染症に対する古くて新しい普遍的な
対応策ですか。科学進歩の恩恵を預かっているのはマスクの機能向上位なのかな。
今までの経験では昨年の鳥インフルエンザ、古くは致死率の高いエボラ出血熱の流行や生物兵器として炭疽菌がばらまかれたとき脅威を感じました。