そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

とん挫した安倍晋三の妄想、ばらまき・ゴロニャン外交

2016-11-23 | 安倍晋三
安倍晋三の描く次期総選挙に向けての構想があった。北方領土問題とTPPの外交成果である。ここで点数を稼いで、解散総選挙そして自民党の大勝利という構想である。
北方領土問題を、経済支援をテコにして、少なくとも二島返還の目処を得るという構想である。多分プーチンの方から臭わせていたに違いないが、この1週間でそれらのことが全て水泡に帰した。安倍が内々に示した経済支援の内容は良く解っていないが、ロシアの天然ガスのサハリンー北海道パイプラインの設置とか、様々な技術支援や共同開発であったろう。話し合う度に規模を広げたので、プーチンが応じたのであろう。海部・橋本・小渕とその都度、領土問題は進展してきてはいた。その交渉相手は、シベリア抑留を深く反省し詫びていたエリチェンである。エリチェンは返還に前向きであったが、官僚がそれを必死に抑えてきた経緯がある。
プーチンにはそのような背景がない。ロシアに益がなければ撤退する。領土問題は為政者にとって生命線である。日本はソ連崩壊の絶妙のタイミングで政治的判断を誤った。安倍晋三より何枚も上手であり、国内の支持も盤石の者がある。日本がウクライナやシリアなどでロシア支援などの大きな動きをやらない限り、ロシアは領土問題を本気で取り組むことはない。今日の報道では、国後、択捉にミサイル配備が終わったということである。ロシアは領土返還の意志は全くないことを具体的に示したといえる。

TPPではクリントンが大統領選を制し、選挙公約でとりあえず掲げたTPP離脱を「日本の要請で仕方なく再加入することになった」と言わせ、そのタイミングを計っていた彼女に恩を売る形を、安倍晋三は描いていた。そのために、ろくに審議もせず、失言を重ねる農水大臣を辞任させず、大臣の言葉通りに強行採決したTPPである。
なのにクリントンが敗北し、TPP離脱を掲げていたトランプが勝利した。そのトランプに、ゴルフクラブを手土産に豪邸を訪ねた。まさかTPPなんか離脱しませんよね、日米同盟守ってくださいますよねと、念を押したはずである。ところがトランプのTPP離脱宣言で、安倍晋三のゴロニャン外交はとん挫した。

安倍晋三の外交姿勢は鮮明である。首相在位の最長記録を更新しよかという勢いであるが、中国と韓国にはいまだ訪れることなくヒール役に仕立て上げる。途上国には金をばら撒き、大国にはアメリカの支援を背景に下僕に徹するという姿勢である。
外交には寝業師が必要である。トップ会談で乗り切ろうとする安倍晋三にはそれがなく、建前だけでは硬直した外交しか展開できない。阿部晋三の外交が妄想と化しとん挫した。経済政策同様に敗北を認めないであろうが、外交はそうはいくまい。そろそろ正念場である。


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