幕内の結果（六日目）

○　雲虎（６－０）

　雲虎はきのうの会津若松巡業で隙間風の入る薄汚いホテルに宿泊してしまったとのことで、旅の疲れが抜けきらなかったようだ。けさはふだんより口数も少なく「今朝もいつものように勃起した」と淡々としたコメント。それでも「この勃起が大日本毛呂乃教の大いなる御加護によるものであるのは言うまでもない」と、毛呂乃様への感謝の言葉だけは忘れない。

 

○　摩羅の川（６－０）

　摩羅の川が昨日の電気毛布に引き続いて投入した寒さ対策グッズは「湯タンポ」。この湯タンポも奥様が事前に準備していたもので、「お、ねだん以上♪」の歌でおなじみニトリから購入してきたとのこと。内助の功のお陰か、本日も速攻相撲の危なげない取組で６勝目。「電気毛布と湯タンポの２つがあれば向かうところ敵無しですよ。ただ、目覚めたときには８割方嫁に取られてましたが」と余裕の笑顔。

○　毛呂乃（６－０）

　きょうはダッチワイフ・アミちゃんの貫通式。アミちゃんのお相手として注文していた、あたらしいダッチハズバンドのコージくんが届くということで、わくわくそわそわの毛呂乃様。コージくんに自分の技術や理論を叩きこんで後継者にすることを今後のライフワークに決めたらしく、雲虎が毛呂乃様のごきげん伺いにでむくと「まだ宗教にはまってるの？」とそっけない態度。いよいよ念願のコージくんが届くとさっそくレッスン開始。「・・・まらの硬度は銅（＊註）くらいでいいんだよ。それよりも、はじめての女の子を相手にするときに大切なのはね・・・」とその指導は真剣そのもの。

（＊註　毛呂乃教ではまらの硬度を鉱物になぞらえる。硬度１の滑石～硬度１０のダイヤモンドまでの１０段階のうち、銅の硬度は２．５～３くらい）

 

●　玉椿（２－４）

　「けさも微妙なんだよねえ・・・」と首をかしげる玉椿。「・・・いや、勝ちと言い張れないこともないんだよ。んでもさ、きょうが勝ちだったらきのうはもっと勝ってたわけでさ」とわけのわからない言い訳をはじめたところ、観客席から「けさはどう見ても負けじゃねーか」との厳しい野次が。

 

○　汚痔（５－１）

　酒をのむとまらに勢いがつく汚痔、きのうは幼馴染をあつめて近所のワインバーでボジョレー・ヌーボーをのみ、上機嫌で帰宅。「ボジョレーは梅酒ほどの効果はない」とは言うものの、朝には元気なまらを見せて二日目から５連勝。「やはり飲料はある程度有利に働きますね」とアルコールの有効性を再確認。

 

●　蒼狼（３－３）

　「勝つたりまけたり人生いろいろですねー」と勝っても負けてもさわやかな蒼狼。モンゴルの大草原に生まれ、部族どうしの血で血を洗うような抗争のために故郷を追われ、鉄筋コンクリートだらけの日本でまらずもうに出会う、というこれまでの人生を振り返り、あらためて土俵に上がれる喜びをかみしめているかのようだ。

 

○　家満（６－０）

　家満は今日も勝って大相撲の大鵬に並ぶ４５連勝を達成したが、相変わらず土俵態度はいただけない。この日の相撲も翌日、２日まとめての報告。「幕下じゃあるまいし、１日おきに報告って、弱いお相撲さんとか十両以下ならともかく、連勝してて、注目度も高い、優勝目指してるほかの力士の心理にも影響するわけですよ、結果が翌日までわからんっていうんじゃあね。１５日あれば、報告遅れざるを得ないこともありますが、こう毎回のように１日おきじゃあね、いかに強くても、あとだしじゃんけんみたいに思われたらかなわんでしょ。あまり目に余るようなら不戦敗認定とかも含め、本気で処分を検討せざるを得ない」と理事長もおかんむりだが、家満はそんな非難もどこ吹く風。人気や人々の支持などに頼らず、実力だけでこの世界をわたっていこうというという覚悟の表れか、ただただ強い相撲を見せつけて花道を去っていく。

 

○　月乃猫（２－４）

　きのうは寒くて布団から出られず、みすみすチャンスを逃してしまった月乃猫。「ほっとくと残り全敗しそうなので、寒さ対策としてエアコンを起床３０分程前にセット。こーすれば起きた時寒くなく布団のぬくもりにも負けないはず」と、きのうの反省を生かした作戦にでた。起きるときには部屋はぬくぬく、まらも元気いっぱい、布団の誘惑も気持ちよく振り切って、堂々と２勝目。「正直暖房使うのはちょっと早いかもしれないけど、しばらくはこの作戦で行きたいと思います」と勝ち越しにむけてここから反撃に出たい。