京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

お客様の着物紹介24~正統派の着物と帯~

2018-11-13 14:42:57 | お客様の着物紹介
11月も半ば、秋も深まってきました。

先日、フィギュアスケートの表彰式をテレビで見ていて、
アシスタントのお嬢さんたちの振袖姿につい目が留まりました。
あでやかで、華やかでやっぱり振袖はいいですね

そのお嬢さんたちの振袖を見た時、半衿がみんな白でした。
とても清潔感があって、改めて「やっぱり白の半衿、いいな」と感じました。

最近の振袖のコーディネートの傾向はといえば、半衿は色のついた刺繍のものが多く
真っ白や白地の刺繍だと寂しくさえ感じます。
テレビの芸能人の方や、送られてくる振袖のカタログを見慣れてしまってるからかもしれません。

華やかにかわいらしい衿元・・・否定しているわけではありません。
でも、真っ白の清潔感のある衿元の、古典柄の振袖姿もまたいいものと

前置きが長くなりました。
着物のお好みも時代によって変わってくるものですが
やっぱり質の良い正統派のお着物は、見飽きることがなく
見ていると心が落ち着くようにも思います。
こんな事を感じるのは年のせいもあるかもしれませんが・・・
色々なものを見ていると、結局落ち着くところなのかもしれません。

先日、お客様にお納めした附下と袋帯。





薄いグリーン・・という表現は、この着物の地色を伝えるには失礼な気がしますが
貧相な私の頭で思い浮かぶ適切な表現がなく・・・。
でも、着物の色はどれも一言ではいえないくらい「いい色」です。

そんなきれいな「薄いグリーン」の地色にかかれているのは
霞に和楽器、古くから変わることなく使われている意匠です。



色使いも柄もまさしく古典の正統派な感じです。




帯は、昔は朱系の帯は多かったのですが
最近では珍しいと感じる色合いの錆朱の箔の袋帯です。

「慶寿文」と名付けられてましたが
松・竹・梅をデザイン化してあり、よく見ると七宝と菱の組み合わせの柄です。

時代が変わっても、不変といえる正統派の附下と帯です。

附下の霞のぼかし、帯の箔・・・
上手な職人さんが少なくなってきたといいます



最近は、値段だけにとらわれ、いろんなものが軽く浅くなってきたように思います。

着物だけでなく、ちゃんと手をかけて作られたものを見ると
なんだか、ホッとするというのか、気持ちが落ち着くのですが・・・。



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