京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

腰原淳策展~手をかけた仕事の違い~

2012-01-24 22:37:53 | 催し
寒いですね~~

夕べはすごい雪でした・・・しばらく寒さが続くとか・・・

お家に引きこもっていても寒いだけですので
ぜひ、こんなときには思い切って「わき」までお出かけください


開催中の「女正月展」ですが
初日からあいにくの雨・・・
にもかかわらず、皆様お越しくださいましてありがとうございます。
腰原淳策氏も、青梅から駆けつけてくださり、
主人も私も久しぶりにお会いし、昔話や近況など話に花が咲きました。



せっかく初日にきていただいたので、次の日から先生に代わって
作品について、お客様に説明できるようにしっかりとお聞きしておきました。
ど素人のような質問も代表して私がしっかりと


その一部を少し・・・






こちらは、先日アップした店内写真にも写っている小紋をアップしたものです。


着物一反分に、フリーハンドで縞を描いたものです。
白い部分は蝋を筆につけて、そしてその間には紫の染料で二本の縞が描かれています。

筆の強弱、染料のにじみ、筆を休めた部分・・・全てが「味」となり深みが増し
体にかけてみると、とても品のよいたっぷりと量感のある着物と感じます。

型やプリントのものとはやはり違いが出ます。







こちらは、何種類かの葉っぱの型を作り、それに染料をつけて直接生地にハンコのように
押して染めていきます。
友禅で描かれたポイントにしたもみじを除いて、色や向き、ボリュームを考えながら
一反分繰り返していくのだそうです。


写真はアップしませんでしたが、このほかにもいろいろ・・・。

そのひとつ、蒔き蝋という手法で染めた反物について。
昔ながらのブリキの霧吹きに溶かした蝋をいれ、口で吹いて蝋を均一に生地に乗せていくのだそうです。

私は、そのブリキの霧吹きを見たことがないのですが、50個ほど買って蝋を吹いてみて
均一にふぶきになるように使えるものは2個ほどなのだそうです。
さらに、この技法は経験が必要で、数をこなしていないときれいな吹雪にならないとのこと。

昔は、仕事がたくさんあったので、数をこなしたそうですが
最近では生産が少ないため、これを職人さんができるようになるまでの数がこなすことができないので
この技術を受け継ぐ職人さんも育たないのではとのこと。


ここまで、手をかけて作るのですから、その価格ももちろんそれなりになります。
ですから最近は、一般的には小紋にこれだけの労力をかけるより、もっと簡単な方法で作る方向にあります。


実際にこうして手をかけて仕上げた反物を見てみると
やはり、存在感が違います。
手をかけたものを見たことがなければ違いも解りません。
比べようがないのですから・・・

私にとっても、こういう作品を見るのは勉強になります。

腰原氏は、技術がもう残せなくなってきたから、これからはせめて品物を残さなければと思って
こういう手をかけた作品も作るようにしていると、お話なさってました。

最近の業界の状況を考えると、そうおっしゃることがとてもよく解ります。


今日は、こんなことも伝えておかなくては・・・と、ここで少しだけ紹介させていただきましたが
まだまだ書ききれません。
どうか、皆さんにも、実際にご覧頂きたいと思います。

催しは日曜まで・・・
ぜひ、お越しくださいませ。

福袋も!数が少なくなってきました・・・お早めに・・

コメント
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