京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

着物の工夫・H様の場合

2010-04-14 16:11:19 | 仕事
しばらく記事を書く時間がなく、失礼しておりました

今日は着物は自分なりに工夫できると言うことを
お客様のH様の了解を得て、ご紹介したいと思います。




今回お仕立てをさせていただいたH様の小紋を裏から見たところです




胴抜きという仕立ての方法です。

写真で良く判らないかもしれませんが
衿の部分と腰から下の部分だけ裏をつけて袷に、
腰から上の身頃の部分は、表地だけの単衣になっています。




お袖の部分は、袖口のみ裏をつけました。


表から見ると袷のお着物に見えて、着てしまえばこういう仕立てにしていることは
言わなければ判りません。

何枚もお着物を誂えていただいているのですが
いわゆる暑がりのH様、少しでも涼しく快適に着たいと
今回試しに胴抜き仕立てにしてみました。

特に4・5月、10月の初めあたり、ホントは単衣を着たいんだけどという時などは
少しでも涼しく着られたらいいですね。

お仕立てにも、こんなことができることは
最近ではほとんどご存じないですし、特に私たち店側もおすすめすることがありません。

でも、普段快適に着物生活をしようと思ったら
こうしたい、こうしたらどうだろう・・と、ご自分の着方やご希望を
ぜひお話ください。
私たちも一緒に考え、できる範囲で着やすいお着物を作りたいと思います。





こちらhH様のお母様の小紋。
良く見ると・・・?お分かりでしょうか。
上の小紋で使った八掛けは、この小紋につけてあったもの。

色も合わせてみて悪くないじゃないと洗い張りをして、
胴裏とともに使いまわしました。





そして、表地は・・
白地と鮮やかな朱色の花が少し気になったので
上からグレーを一色掛けて染めました。

少し印象も変わっていい感じになりました。

こちらは、さて何にしようか・・H様、思案中
着物でも、コートでも、帯でも。。
そんなこと考えるのも、着物の楽しみの一つですね

少し着物のことが分かってくるとアイデアも浮かびます。

こんなことどうだろう?なんて思ったら、ぜひご相談ください。
そんなことを一緒に考えるのも、私たち呉服店の仕事です

コメント (1)
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