京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

着物の魅力とは?

2010-02-08 16:13:23 | 着付あれこれ
このところ、毎日寒いですね・・・
寒がりの私は、冬眠状態、催し中で外出できないことをいいことに
暖かな店内でヌクヌクとしております。

寒いので??先日、たまたま業界関係のブログを見ていたところ
ちょっと気になる意見があって・・・


着物業界の衰退を嘆き、どうすればいいかということで
礼装以外の普段着の着物をもっと簡単に着られたらいい。
簡単に着られる着物があったら、着物の需要は確実に増えるだろう・・

というようなことをおっしゃってました。
おはしょりや二重太鼓もネックだというようなことも・・


確かに・・
私も、普段着がもっと簡単に、気楽に着られたらいいという部分は賛成です。

ただ、簡単に着られるということで、作った帯、
二部式になった着物などを提案することは反対です。

手が回らなくなった・・などの理由で、着物や帯を二部式にしたら着る
ということであれば、そうして着るのも賛成です。
実際に、二部式やつけ帯にするお直しもさせていただいています。

簡単に着ることのできる着物があれば、もっと着物は売れるでしょうか・・・

私は、違うと思うのです。

着物の好きなお客様が求めていらっしゃることや着物に感じていらっしゃる魅力は
そうではないように思います。

これは、私の意見ですが
着物や帯は、まっすぐな直線で構成され、脱いでたためばまた平面になってしまうから
「美しい」と感じます。
もしも洋服のように、ボタンやたとえばマジックテープのようなもので
止めて着られるような立体的なものであれば、洋服と同じでしょう。
それって着物?魅力的?



着物の特性である、直線の美しさ、
まっすぐのもので立体的な体を包む美しさ
風呂敷が代表的ですが日本の文化は包む文化とも言います。
おおらかな感じがします。


簡単に着られる着物を作るという発想より
簡単に着られるようにして差し上げるのが呉服業界の仕事ではないでしょうか

売ることしかしなかったからつけが来ているのでは・・
売ったものを、着られるようにしておかなかったからいけないのでは・・?

私は、浴衣のつけ帯も嫌いです。
あれを作るくらいなら、どうして皆さんに簡単に
帯を結ぶことを教えないんだろうと思うのです。

買っていただいたら、着ていただくようにするのも
売る側の責任だと思います。



売ることばかりにに力を入れていたから、着付教室ができ
着付をするのに、いろんな道具を使ったり、覚えるまでに何年もかかったり
半襟が何センチ、おはしょりが何センチ・・みたいに教科書どおりに
着ていなければ、下手な着付 のように思えてくるようなことになり
着付が難しくて着られない・・・
ということになったように私は思うのですが・・・


こういう意見を聞くと、
なおさら早く簡単に着られるように皆さんに着付を教えたいと思えてきます。



参考までに・・
二重太鼓だって、こうしてクリップで形を作って簡単に結ぶ方法だって
あるのです。
器具なんて使わなくても・・
いくらでも、こんな方法はお教えします







今となっては、着物を綺麗に自分で着られるっていうことは
それだけで、なんだか「知性的な女性」というイメージがします。
そんなところも、皆さんが着物に魅力を感じてくださることの一つでは
ないかと思うのですが・・・・

皆さんは どう思われますか??



コメント (1)
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