半透明記録

もやもや日記

ジェレミーに説明する

2013年03月25日 | 夢の記録


このところは眠りが浅く毎晩夢を見ているものの、息子の泣き声によって途中で強制終了させられるために、その内容を覚えておくことができません。ゆうべは母が夜中のミルク係をかわってくれたので、私は別室で朝まで目覚めることなくぐっすり眠りました。その間、息子はぎゃーぎゃー泣いたそうですが、少しも気がつきませんでした。すまない。だが息子よ、今のうちから泣いておくがいい。この世界は美しくもあるが悲しくもあるので、涙を流すことにもきっと慣れるに違いないよ。


というわけで、今朝の夢。乗り物に乗る夢はよく見ますが、いつもは自動車か列車の夢が多いのに、今回は船でした。もしかしたら今後は船の夢をよく見るようになるかもしれない、という予感もする。つまりは、免許証もないのに自動車を運転するとか、電車と電車の乗換えがうまくいかないとかいうのではなく、もう乗ってしまったので降りることのできない船、自分で針路も決められず、まわりはただただ深い水という状況。もしかしたら、これからは船の夢を見続けるのかもしれないな。

春の夢を覚えていたら、それはなにかしら意味を持っているものです。




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私はとある大きな船に乗っていた。どこか別の土地を目指してさきほど出航したばかりのその船は、なかなか乗ることのできない特別な船であることは分かっていた。どのように特別であるかというと、乗船の条件は、その人になにかしら能力や夢、人生の目的がなければならないのであった。そのいずれも持たない私がどうして乗船できたのかは分からない。ただ、乗る前には自分にはなにかしら優れた能力があると信じていたらしい。ところが乗ってまもなくそれは間違いであったことが判明した。

私にはどうやらひとりの連れがいて、彼女は非常に能力が高い人物であった。4ヶ国語を楽に操る彼女は意志も強く、こともなげに、私の方を振り返りもせずに一等客室の方へ入っていった。そのあとに続く見知らぬ女性も、彼女ほどではないがどうやら語学に強いらしかった。入り口で彼女たちを見送りながら私は立ち尽くし、ここへきてはじめて自分にはなんの能力もないのだと悟ってしまう。私はとても一等の乗客にはなれそうにない。

そこで別のエリアへ向かうことにした。広々としていた一等客室とは違い、そこはこみごみとして、長くまっすぐな狭い通路に沿って小さな客室が続いている。さまざまな国籍を持つらしい人々が押し合って通路を歩き回っていた。彼らは自分達には特別な能力がないということを自覚してはいたが、それでもそれぞれが人生に対する強い意志、成功への大きな願望を抱いているということは彼らの体から滲み出て見えた。新天地への期待を漲らせながら明るい顔つきで通路を次々に行き過ぎる彼らの障害物となっただけの私は、ここでも入るべき部屋を見つけられない。

次に食堂へ向かう。食堂としては風変わりなほど細長い室内には誰もいない。給仕もいなければ料理人もいない。他の乗客さえまだ誰もいなかった。ともあれ、ここでは壁にかかった食品の写真を見て注文する仕組みのようだ。写真の下には値札がかかっているが、それを見て私はまたしても無力感を味わう。代金をお金で支払うことができないのだ。食べ物を得るために私達は精神を対価にしなければならなかった。私にはそれがないので、なにも食べることができない。さいわいまだ腹は減っていないが・・・。

がっくりきて椅子に腰掛けると(ほとんどなにもない食堂だが、椅子とテーブルはいくらか置いてあった)、見たことのある顔の大柄な男性が私の傍らに立った。ジェレミー・クラークソンだった(イギリスBBCの人気番組『Top Gear』の司会者)。

「君にだって、夢くらいあるだろう?」

ジェレミーが私に問いかける。字幕が付いているので、ジェレミーの言うことが私に理解できた。ところが、私の思うところをジェレミーに伝えようとすると、その言葉には字幕が付かないために英語で話さなければならないのだ。私は英語ができない。

(もちろん私にだって、夢くらいはあります) そう言おうと思うのに、言葉が出てこない。I...I have a..dr...

言いよどんでいるうちに、言葉と裏腹の心に気が付いてしまう。夢、ほんとうに私に夢なんてあっただろうか。あるような気もするけれども、どうも頼りない。このおぼろげなものを差し出しても、食事にはありつけそうにないと思えるのだ。食堂が少しずつ暗くなるような気がしてくる。いや、元々そんなに明るくはなかった。食堂にしては妙な部屋だな。

ジェレミーはなにやらまだ私に語りかけてくれるのだが、もうなにを言っているのかもよく分からなくなってしまった。



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最後はどうなったのだっけ。うっかり寝過ごしたことに驚いて飛び起きてしまったので、よく覚えていませんが、だいたいの印象としてはこんな夢でした。あー、久しぶりに『Top Gear』が見たいかな。


まわりはただただ深い水があるばかり。






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