半透明記録

もやもや日記

時はお前のため花の装いをこらしている

2011年04月01日 | もやもや日記

黄色い花が好きだ。






管理された植え込みの芝生のところに、ぽつんと一株だけ黄色い花が咲いていました。タンポポではないですね。どこからか種か何かが飛んできたのでしょうか。


別の用事のついでに、ホットケーキミックスを、買うつもりはなかったのに買ってきました。やあ、週末はホットケーキでも焼くか。その後、ぽかぽか陽気の春の空気が気持ちよくて、近所をうろうろしてみました。



桜の花が咲いていて、近くへ寄って見上げていたら、近所の幼稚園(あるいは保育園)の園児たちがやってきて、引率の先生とともにきゃーきゃー言いながら舞い落ちる花びらを眺めていました。



すでにハラハラと散っている木もあるのです。
木漏れ日っていいなぁ。




 時はお前のため花の装いをこらしているのに、
 道学者の言うことなどに耳を傾けるものでない。
 この野辺を人はかぎりなく通って行く、
 摘むべき花は早く摘むがよい、身を摘まれぬうちに。



わが青春の書、オマル・ハイヤームの『ルバイヤート』から美しい詩をひとつ引用してみる。『ルバイヤート』は19歳の私を夢中にさせたものです。ここに溢れる無常観は、もともとそちらの方向へ傾きつつあった私のその後の人生観に決定的な楔を打ちこみました。私はこの世の空しさを、こんな風に美しい言語として認識できるようになったというわけです。


こんな苦しい世の中と知っていれば、誰が来ることを承知しただろう? 何もかもが空しくて、何一つ思い通りになりはしない。何のために生きるのか知らぬまま皆空しく死んでいくだけだ。ああ、こんな空しい世の中では、美少年を侍らせて酒でも飲まなきゃやってられない。それだけが、当てにならぬ天国なんかよりもずっと、喜びを約束してくれる――。

と、いくつもある詩の全体を強引に要約すると、こんな内容です。オマルさんはこの世の空しさを嘆きに嘆きますが、嘆けば嘆くほどに、世界は、その場限りの限りない美しさを彼の目に映し出すのでした。



世の中は空しい。そして美しい。





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