1999年 アメリカ
出演: トニー・シャルーブ/シガニー・ウィーバー/ダリル・ミッチェル/エンリコ・コラントーニ/サム・ロックウェル
監督: ディーン・パリソット
《あらすじ》
放送打ち切りから20年を経た今も熱狂的なファンを持つSF番組「ギャラクシー・クエスト」。 今日もある都市で、ファン集会が開かれていた。が、招待された出演者の前に奇妙な4人組が現れ、 “自分たちの星を侵略者から守って欲しい”と助けを求めてきた。 最初は冗談と思った出演者たちだったが、彼らは本当の異星人で、番組そのままの宇宙船も用意していた……。
《この一言》
“これを書いたシナリオライターは死ね!! ”
何か映画でも観ようよ! ということを前から言っていたのですが、今日の午後、ユキさんのおうちで映画鑑賞会を開かせてもらいました。そして、私はおすすめの『ギャラクシー★クエスト』を持っていったわけです。この映画は実に素晴らしい名作なのですが、有名作品かというと、残念ながらそうでもないのではないかと思います。私はかつてこれを劇場で観ましたが、『スター・トレック』のパロディという宣伝文句に釣られて観に行って、それはたしかにそうだったのですが、この映画自体の持つすごいパワーに圧倒されたものです。懐かしいな。その後、DVDを買って何度も観た。そして今日もまた観る。
ところで、ブログを始めてからも何度もこの映画を観ているのに、驚いたことにまだ記事を書いたことがないようなのです。おかしいなぁ、書いたと思ったんだけどなぁ。少なくともここ何年かで2回は観ているのに、変だなぁ。ともかく、それではそろそろ書いておきましょうかね。
さて、物語は明快かつ簡潔、それでいて深みもひねりもあり、ユーモアと夢と希望と愛情に溢れています。主人公たちは、かつての大ヒットテレビドラマ「ギャラクシー・クエスト」シリーズの俳優ですが、ドラマはとっくに打ち切られ、いまやすっかり落ちぶれて、熱心なオタクファンを相手にしたサイン会で生計を立てる日々。そんな状況にもかかわらずいまだに人気者気取りのダガート艦長を演じるジェイソンは、ひょんなことから他のクルーを演じる俳優仲間たちから嫌われ疎まれていることを知る。そこへ、ドラマ「ギャラクシー・クエスト」を受信し、《歴史的ドキュメンタリー》だと信じる異星人サーミアンが、遠い惑星からはるばる地球へやってきてダガート艦長に助けを求めるのだが……というお話。
もう、ほんとうに、何度観ても、心の上昇気流を巻き起こす、素晴らしい作品です。ここにあるのはなんだろう、この清々しさはなんだろうか。たとえば、登場人物たちのバラバラになっていた友情の回復があるし、それぞれの役者としての、また人生に対する自信の回復があるし、誠実さへの尊厳の獲得があるし、未知なる冒険への夢があるし、過去に対する愛着と、未来への希望がある。ユーモアもある。ユーモラスでありながら、同時にとても真剣なメッセージを与えてもくれます。あらゆるものが、ここにはある。実に、実に優れた脚本です。上映時間がたったの100分ほどしかないということが信じられないくらいに、あらゆる要素がうまく編まれているのです。私などは何度も観ているのに、今回もうっかり泣きそうになってしまいました。良い意味で、いまどき珍しいくらいの王道(と言っても、なんだかんだでもう10年以上前の作品なのか…)。ともかく真っ直ぐな映画です。私はこれが大好きなんだよな!
魅力的な要素が詰まった本作ですが、私がもっとも心を打たれるのは、この映画全体にみなぎる「情熱」です。面白い映画を作ろうという製作者の情熱がほとばしっているのです。それが要所要所にあらわれていて、たぶん私はそこに感激してしまうのだと思います。たぎるような「情熱」をもって、友情を、愛情を、誠実を、冒険を、夢を、希望を、それらの大切さと美しさを描いていると思うんですよねー。しかも「情熱」的なだけではなく、素晴らしい形に仕上がっているんですよ。すごいんだ、これが。
そういうわけで、元気を出したい時にはこの映画を観るのがよいと思っています。私は上のようなことで、やたらめったら感激してしまいますが、もっと単純に誰でも楽しめる映画でありましょう。なにしろ笑えるし、泣ける。ズバッとストレートに伝わってくるものがある映画です。見終わった時の爽快感は素晴らしいものがあるんですよね。
一緒に観ていたユキさんはこれが初めての視聴でしたが、とても喜んでくださいました。普段はSF映画をあまり観ないということですが、これはかなり面白かった、SF初心者でもSFが苦手な人でもこれならすんなり入っていけるのではないか、と言ってもらえました。へへへ、よかった☆
面白いところはいろいろありますが、私はやはり、シガニー・ウィーバーの熱演にはシビレてたまりません。めっちゃお色気役(出演当時50歳!見えない!!)で、胸の谷間全開のセクシーな衣装に身を包んでいるのですが、少しもエロくない。お年を召しているからエロくないというわけではないんだけど、なにかこう、エロスよりも悲哀を感じさせるのです、最初は。しかしその彼女が強烈に魅力的なのです。《「命令を復唱するだけの役柄」という詰まらない役を演じる女優という役》、この複雑な役柄を非常に魅力的に演じているんですよね。お話がすすむにつれて、詰まらない役を演じていた彼女が、最後には本当に魅力的な役者になっていくのが圧巻です。もちろん、これはここに登場するほかの役者さんについても同様のことが言えるわけですが。最後はみんな素晴らしい役者になり、素晴らしい人生を取り戻すのです。映画って、お芝居って、物語って、夢を見るって、希望を持つって、この人生って、本当に素晴らしいんだな! と心から思えてきます。私をポジティブにする貴重な映画のうちのひとつです。いやはやこれはなかなか凄いことだぞ。
人間の心の働きの美しい面についてを思い出させてくれる作品。オススメです!!
ネバー・ギブアップ!
ネバー・サレンダー!!
私たちは、心だけでも、ずっと遠く信じるところまで、きっと行けるはず。ですよね?
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