というわけで、『涼宮ハルヒの憂鬱』アニメ版です。いちおうネタバレ注意報発令中です。
私は谷川流さんの原作をまだ読んだことがないので、以下ではアニメ版についてのみの知識で語らせてもらいますが、このアニメ版はけっこう原作に忠実に作られているそうですね。そのうちぜひ原作も読んでみたいです。
さて、『涼宮ハルヒの憂鬱』は全14回。タイトルの「涼宮ハルヒの憂鬱」という原作第1巻のエピソードが6話くらいあって長かった。ほかに「涼宮ハルヒの退屈」「孤島症候群」とかいくつかの短編をもとに構成されているようです。
水色のセーラー服を着た女の子が登場するので、どうやら学園ものらしいということは私も分かっていましたが、ライトノベルにはこれまでほとんど縁がなかったので、すごくヒットしていた時期にもなんとなくスルーしていました。しかし、このあいだお友達のねこきむちさんにお会いした時に、「高校生のハルヒがSOS団という同好会みたいなのを作って、そこに未来人とか宇宙人とか超能力者とかが加わったりするお話なんですよ」という「ハルヒ」の大筋を聞いた私は、俄然興味が湧きました。「ええっ!? そんな話なんですか? もしやSF? 面白そうかも」
それで、先日ちょうどよいきっかけもあり、いよいよアニメを観てみたわけですが………。
ちなみに私はテレビ放送時の順番で観ました。テレビ版はストーリーの時系列をバラバラにして放送という演出がなされているそうです。なかなか面白いアイディアですが、私は原作を知らなかったので、ストーリーを把握できず、いささか戸惑いました。しかし、どうにか繋ぎ合わせて終了。でも、こういうのもいいですね、最後で盛り上がって。
アニメ版を観て、私がどのように感じたかと言いますと、
……(第1話「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」を観)、
………(その勢いのまま全話観てしまう)、
…………(全話観た後、再び第1話「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」を観る)
……………む、お、お、面白いやないですか!!
はあはあ;
うーむ、これは! 何と言ったらよいのでしょうか。大ヒットするのが分かると言いますか、ツボを押さえつつ、しかもそれをわざとハズしている感もあり…うまいな。そもそも学園ものって面白いんですよ、私は。あの世界の狭さというか閉じてるっていうか、それでいて無闇にマジだったりとか、そういうのがね、もうね。
涼宮ハルヒは高校に入学したばかりの美少女。大変な変わり者で、クラスの中でも浮いています。「普通の人間とは付き合えない、だって面白くないから!」というようなことを自己紹介で言ってしまう女の子です。宇宙人や未来人や超能力者に憧れているらしい。
そんな彼女の奇妙な行動になぜか付き合わされることになるのが、ハルヒと同じクラスでたまたま彼女の前の席に座ったキョンという男の子。ストーリーは終始彼の視点から語られます。ハルヒの勢いに引っ張られ、ともに「SOS団」という同好会を結成します。
「SOS団」とは、「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」の略称で、目的は「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶこと」らしい。そのメンバーはほかに3人。
部室として分捕った「文芸部」の部員だったらしい長門有希。ロリ顔で巨乳ということでハルヒに拉致されてきた朝比奈みくる。入学式から2か月という中途半端な時期に転校してきた謎の転校生(?)古泉一樹。
この3人が、実は、ハルヒが適当に集めてきただけと思いきや、それぞれ「宇宙人や未来人や超能力者」だったりするというお話です。
登場人物のキャラ設定は、こういうと何ですが、いかにも! という感じなんです。たぶん王道。勝ち気、萌え系、不思議系な美少女たち、とクールな美少年、そして彼らに翻弄されるどこまでも普通な男子高校生という図。これはたぶんわりと王道なんでしょうけれど、なんとも言えない魅力はあります。つか、魔女っこコスプレの長門さんが可愛過ぎて死ぬところでした。ね、猫が肩に……うぅっ!
アニメのメインストーリーはタイトルの「涼宮ハルヒの憂鬱」というお話です。ハルヒは本人に自覚はないものの特別な女の子なわけですが、それゆえに常に孤独であるようです。SOS団を結成することで4人の仲間を得るわけですが、それでもどうも孤独なんですね。事態はいつもハルヒを中心としながらも彼女の外側で処理され続け、それについてキョンをはじめメンバーの全員がハルヒには沈黙したままです。私は「憂鬱」の結末にいたってもハルヒは依然として孤独なままであるような気がして、なにか少し可哀想にも思えました。でも、物語はまだ続くから、今後はどうか分からないですよね。
SF風味の学園ものと言ってしまえばなんてことのない物語だとは思うのですが、ところどころがやたらと面白かったです。語り手のキョンの語り口が時々鼻につきますが、それを差し引いても十分楽しめます。でも、どこがどのように具体的に面白かったのかは、私にはまだよく分かりません。この奇妙な面白さについては、いずれもう少し深く分析してみたいところです。
しつこいようですが、私はまだ原作を読んでいないのでそれについては何も言えませんが、アニメ版を観る限りでは、このアニメはとても良く出来ています。原作もそうなのかもわかりませんが、とにかく嫌味がなく、楽しく見られます。さらっとあっさりしているところが良いですね。絵も綺麗だし。特に「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」は秀逸です。音や間の取り方がリアルです。でもって、長門さんカワイイ (*´д`*)フガ! ああ~、カワイイ! なんてカワイイんだ!!
4月から第2期のアニメ放送が始まるとか始まらないとか、いや第1期の再放送だとか再放送じゃないとか噂があるようなので、今からちょっと楽しみです。
あと、ついでに「ハルヒ」のイラスト担当のいとうのいぢさんは、こないだ筒井康隆先生の手掛けるラノベでもイラストを描かれていたのではなかったかしら。あれって、もう出たのかな。調べとかないと!
って、今さらラノベデビューな私……もうすぐ33歳。永遠の若さ。
コメントありがとうございます♪
いやー、嬉しいですね(^^) ラウル・セルヴェを御覧になりましたか!『夜の蝶』、いいですよね! セルヴェについては今度また記事を書こうと思いますので、お楽しみに!
>ntmymさんのような趣味の広い大人
いえいえ! 私などは、単に広く浅く気ままな好奇心で動いているだけなのです; あー、でも、パーセクさんのような若い方にも読んでいただけるのは、とても嬉しいですね!
これからも色々な面白いものを探していきたいと思いますので、よろしくお願いします!
パーセクさんにも「これは知っておくべき」というオススメ作品がおありでしたら、どうか教えてくださいませ~☆ みなさまの善意によって、このブログは成り立っております(^^)
いや~、「ハルヒ」ですね。おもしろいですよねえ、このアニメは。時系列がシャッフルされるところはいかにもポストモダンな感じで、トリッキーな構成ですが(カタカナが多い…)、それが見事にはまってるんですよね。
文学では、コルタサルの『石蹴り遊び』なんかがやはり読む順番をいじっていますが、ついにアニメにも出現したか、と非常に感慨深く思ったことを覚えています。
ハルヒが学園祭のときに歌う「God knows...」は有名で、すごくいい曲です。「♪傷跡~なぞる~」。カラオケでシャウトしたい部分です。ぼくも歌が上手かったらなあ…。あと、長門有希のキャラソンの「雪、無音、窓辺にて。」も不思議な雰囲気の曲で、振り付けも独特。どちらもすごくいい歌です。
ちなみに、監督の石原立也がいま手掛けているTVアニメ『CLANNAD』は個人的には「ハルヒ」越えてます。こちらは正攻法の演出で、とにかく泣かせます。京都アニメーションはどちらかと言うと(おたくの)男性向きの作品を制作していると思われ、門戸は狭いですが、中に入ってしまえば多くの人にとって素晴らしい世界が待ち受けている、気がします。
ペーチャさんも「ハルヒ」がお好きなんですね。やっぱり人気があるんだなぁ!
時系列シャッフルは言われてみるとシリーズアニメでは斬新ですよね。コルタサルの『石蹴り遊び』は未読なのですが、時系列をバラすのはガルシア=マルケスの『予告された殺人の記録』みたいな感じなんでしょうかね。面白い演出ですよね。
私は京都アニメーションも石原監督も知らなかったのですが、『CLANNAD』は面白そう! ペーチャさんもブログで取り上げてらっしゃいましたよね。ぜひ観てみたいと思います!
えと、梅田の喫茶店でパフェを食べながら、ハルヒのお話をうかがった記憶があります(^^) あの時は、色々な面白いお話を聞かせていただきましてありがとうございました♪
昔の絵は、ほんと見返すのは辛いですよね~。私も時々掘り返してはガックリしてますが、あんまり下手だと笑えてもきますね! ハハ! まあ、私などは過去ファイルを開かない限りは忘れていられますが、プロの方は、作品が世の中に沢山出回ってしまう分、恥ずかしく思えてしまうことも多いのかもしれませんね(^^)