半透明記録

もやもや日記

蚊の禿パン

2005年07月08日 | もやもや日記
先日K氏がホームベーカリーを購入したので、週末にパン焼きに挑戦するべく材料を揃えておいた。が、それらを眺めていると、無性にパンを食べたくなってきたので、まずは私が使い心地を試してみることにした。夕飯だけど、パンでいいや。
最近のパン焼き機は、材料を入れるだけで捏ねから焼きまで自動でやってくれるらしい。すごい時代になったものだ。感心しつつドライイースト、砂糖、強力粉、塩、バター、水などを釜の中へ順に投入し、スイッチを入れて、あとはおよそ2時間半待つのみである。なんて簡単なんだ。この機械を購入する前に読んだ使用者の記事によると、大変おいしい焼き立てパンが味わえるとのことなので、期待に胸を膨らませ、とりあえずK氏にもパンを焼き始めた旨をメールで連絡しておいた。
ついに焼き上がりのお知らせ音が鳴り、蓋を開けてみた。パンの良い香りが漂う。おお! だが、釜を覗いてみると、なんだか食パンにしては小さいようにも見える。家庭用だから小さいのだろうか。箸で突き刺してみた。ぐにゅり。なんとなく食パンの感触とは違うような気もするが、まあまだ焼き立てだからね・・・。火傷しないよう注意しながら網の上に取り出して、しばし冷ましておく。取り出してみると、ますます小さく見えるようだ。嫌な予感・・・。
30分ほどで冷めてきたので、4つ切にした。やっぱり全然膨らんでいなかった(いや、もう見ただけでわかってはいたのだが)。驚いたことに失敗したらしい。信じられない。説明書の「こんなときは」の欄を読んでみる。
パンが膨らまないーー小麦の量が少な過ぎませんか?
などと書いてある。いやいや、ちゃんと計ったって! あれ、この計量カップって、水を計る用だったの? おや・・・まあ。小麦用だと思っていたぜ。道理で膨らまなかったわけだ。小麦の量が3分の2くらいしか足りてなかったんだ・・・。やばいぞ。とりあえず食ってみるか。・・・塩味きつー! まあでも食えなくはないな。そんなわけで涙のような味のパンとともに悲しみの食卓につくこととなった。
このように、前回の「悪魔のスープ=豆乳雑煮」事件に続いて、パンでも失敗した訳だが、これではまるで私が料理下手のように思われてしまうではないか。・・・え、もしかしてそうなのか!? いやいや、そんなのは私らしくない、私は完璧主義なんだ!(主義だけで実体を伴っていないらしいことに気が付きそうになり絶体絶命のピンチ) 激しくうろたえていたらK氏が帰ってきた。私は良心的なので予め失敗したということを報告した上で、食べるようにすすめた。そしてK氏の感想は一言、「正直言って、おいしくないね」ーーばっさり。正直な奴だ。
K:何を間違えたの?
N:小麦の量。スキムミルクも入ってないよ。
K:誰にでも焼けると思ってたけど、計りも満足に使えない人がいたとは。
N:・・・不思議だね。ところで何かこのパンにぴったりな名前はあるかね?
K:蚊の禿(重力凝縮場。またまたストルガツキイの『ストーカー』より:ゾーン内部の重力が異常になっている場のこと)
N:なかなかうまいことを言う。確かに重力凝縮場な味わいだね。(写真参照:食パンとしてはありえない膨らみ。高さが6センチほどしかない(写真は横に見て下さい、幅が狭く見えるのがパンの高さ)。まさに凝縮していると言えるだろう。ちなみに写真が暗いのは私の心的状態を表している)
こんなやりとりがあって、この記念すべき第1号パンは「蚊の禿パン」と名付けられた。
パンを焼こうとお思いの皆さん、分量はきちっと計りましょうね。

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2 コメント

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面白い! (piaa)
2005-07-09 01:18:31
夜中にこの記事読んでウケまくりました。

この調子だとゾーンのブツをコンプリートする日も近い?
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ムフ (ntmym)
2005-07-09 01:24:26
またやってしまいました;

本当は今度は魔女のジェリーの予定だったんですが・・・。

でも私はゼリー系は得意なんですよねー。って、もはや全く説得力なし!
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