ものすごく久しぶりに映画を観ました。2時間ずっと息子を抱えたままでしたので肩が抜けるかと思いましたが、寝ていてくれて助かった。
さて、『幻影師アイゼンハイム』です。舞台は19世紀末のウィーン。私の好きな時代と場所。そして主人公は奇術師、それから皇太子や公爵令嬢などが登場してロマン溢れる雰囲気です。実にいいですね。劇場の様子や衣装、その他小道具などもそれらしく美しくてうっとりします。
ストーリーについては、「なるほどな」という感じ。なるほどなあ。ネタバレしないように書くのは難しいですが、タイトルから私が予想していたものとは違ってわりとラブロマンスな感じでした。もうちょっと不思議系のお話かと思っていました。いえ、不思議系と言えば不思議系ですけれど、幻想的と言うよりは【意外な結末もの】でした。そういう意味で「なるほどな」となったわけです。
(以下、ややネタバレ)
それで、この【意外な結末】は痛快! …のはずなんでしょうけれど、私は皇太子がちょっと気の毒に思えてしまって、いまいちスッキリしませんでした。考えれば考えるほど、皇太子が気の毒。彼はたしかに嫌な奴として描写されていたわけですが、しかしそこまでするか。ちょっとやり過ぎじゃないだろうか。後味が悪いな。ウール警部は笑ってたけど、笑い事じゃ済まない気がするんだけど、そうでもないんだろうか。うーん、やっぱりスッキリしない。恋に一途な二人の鬼っぷりを楽しむ作品だと考えればいいのかしら。恋愛至上主義にも程があると思えば、少し納得できてきましたね。なるほど。
それはともかく、劇中でアイゼンハイムの見せる奇術の数々はなかなかロマンチックで素敵でした。
どこからどこまでがトリックなのか。その仕掛けが誰にも分からないとすれば、それは本当のことと同じになるのだろうか。
あっという結末まで、なんだかんだであっという間の面白い作品でしたかね。
調べたところ、原作はスティーヴン・ミルハウザーの『バーナム博物館』の中の一編だそうなので、今度読んでみましょうか。私はこの本を持っているんですけど、まだ読んでいないのであった…
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