アーサー・ランサム 神宮輝夫訳(「アーサー・ランサム全集4」岩波書店)
《あらすじ》
お母さんが出かけてしまったので、冬休みにもハリ・ハウへ滞在することとなったウォーカー兄妹はアマゾン海賊のブラケット姉妹とともに、冬の間は北極探検家となって極地を目指すことにした。同じ頃ディクソン農場に滞在していたドロシアとディックのカラム姉弟(=Dきょうだい)を仲間に加え、冬の冒険がはじまる。
《この一文》
”ドロシアは、きょうだけは物語をつくっていなかった。物語の中にいたからだった。”
今回は、冬の物語です。いつもの連中に、Dきょうだいという町育ちのインドア派ふたりが加わります。と言うより、今回の物語はこのDきょうだいが主に中心となって展開してゆきます。
ドロシアは物語を作るのが好きな女の子でいつも何か起こるごとに新しい物語の一節と素敵なタイトルを思い付き、ディックは天文学者を自称しあらゆる物事に科学的な興味を感じ、それに熱中しては他のことをすっかり忘れてしまいます。夢とロマンに溢れた精神生活を送るかれらではありますが、ボートを漕いだこともなければ、たき火をおこしたこともないので、極地探検家たちにずいぶんと気後れを感じます。しかし逆にふたりにも探検家たちよりも優れたところがあることにも気が付いたりもします。そうして、探検家たちとは違った資質を持つかれらは、次第に受け入れられてゆくのでした。
私もかなりのインドア派なので、実際にウォーカー兄妹やブラケット姉妹に遭遇したら、こんな感じなんだろうなあと思いました。スーザンが怖い。「分別がない」と私も言われそうです。確かにそうなんですけど…。もちろん、スーザンは役柄的にそう言わざるを得ない人で、彼女がいなければきっとロジャが大変なことになります。そう言えば、ロジャはさり気なく今回も変なことばっかり言ってて面白かったなあ。
タイトルにも関わらず冬休み終了まであと数日というところから始まるので、どういうわけなのだろうと思ったらそういうことだったのですか。ナンシーはまたしても災難です。でも、やっぱりナンシーは素敵な女の子ですね。大らかです。Dきょうだいのことをいつもちゃんと評価しているあたりがいいです。妹のペギイも今回はがんばってました。なので、ウォーカー兄妹はあまり目立ちませんでしたね。スーザンは怖かったけど(まだ言う)。あと、Dきょうだいが泊まっていたディクソンさん家の寡黙なディクソンおじさんが、実はかなり燃える男だったのは驚きでした。意外と負けず嫌いなんだわね…。
というわけで、このお話は家の中に引きこもりがちな性質の人間にこそリアルに楽しめる物語なのではないでしょうか。私もボートを漕いだこともなければたきぎにちゃんと火をつける術もよくわかりません。高校時代に山でバーベキューをしたときに、突然の雨にも慌てずに、ささっとシートをテントのように張り、他の班の人々が雨が止むのをぼんやりと待っている間に、我々の班だけはそのままバーベキューを続行することを可能にしてくれたクラスメートのH君を思い出しました。あの時は(←あえて限定することもないですが)格好よかったなあ。めちゃくちゃアウトドア派だったんだなあ。水を入れるための専用タンクも持参してたし。スーザンは怖かったけど、やっぱり人間はいざというときの判断力と知識ですね。彼もやっぱりランサムを読んでいたのかしら。いつかまた会ったら聞いてみよう。
《あらすじ》
お母さんが出かけてしまったので、冬休みにもハリ・ハウへ滞在することとなったウォーカー兄妹はアマゾン海賊のブラケット姉妹とともに、冬の間は北極探検家となって極地を目指すことにした。同じ頃ディクソン農場に滞在していたドロシアとディックのカラム姉弟(=Dきょうだい)を仲間に加え、冬の冒険がはじまる。
《この一文》
”ドロシアは、きょうだけは物語をつくっていなかった。物語の中にいたからだった。”
今回は、冬の物語です。いつもの連中に、Dきょうだいという町育ちのインドア派ふたりが加わります。と言うより、今回の物語はこのDきょうだいが主に中心となって展開してゆきます。
ドロシアは物語を作るのが好きな女の子でいつも何か起こるごとに新しい物語の一節と素敵なタイトルを思い付き、ディックは天文学者を自称しあらゆる物事に科学的な興味を感じ、それに熱中しては他のことをすっかり忘れてしまいます。夢とロマンに溢れた精神生活を送るかれらではありますが、ボートを漕いだこともなければ、たき火をおこしたこともないので、極地探検家たちにずいぶんと気後れを感じます。しかし逆にふたりにも探検家たちよりも優れたところがあることにも気が付いたりもします。そうして、探検家たちとは違った資質を持つかれらは、次第に受け入れられてゆくのでした。
私もかなりのインドア派なので、実際にウォーカー兄妹やブラケット姉妹に遭遇したら、こんな感じなんだろうなあと思いました。スーザンが怖い。「分別がない」と私も言われそうです。確かにそうなんですけど…。もちろん、スーザンは役柄的にそう言わざるを得ない人で、彼女がいなければきっとロジャが大変なことになります。そう言えば、ロジャはさり気なく今回も変なことばっかり言ってて面白かったなあ。
タイトルにも関わらず冬休み終了まであと数日というところから始まるので、どういうわけなのだろうと思ったらそういうことだったのですか。ナンシーはまたしても災難です。でも、やっぱりナンシーは素敵な女の子ですね。大らかです。Dきょうだいのことをいつもちゃんと評価しているあたりがいいです。妹のペギイも今回はがんばってました。なので、ウォーカー兄妹はあまり目立ちませんでしたね。スーザンは怖かったけど(まだ言う)。あと、Dきょうだいが泊まっていたディクソンさん家の寡黙なディクソンおじさんが、実はかなり燃える男だったのは驚きでした。意外と負けず嫌いなんだわね…。
というわけで、このお話は家の中に引きこもりがちな性質の人間にこそリアルに楽しめる物語なのではないでしょうか。私もボートを漕いだこともなければたきぎにちゃんと火をつける術もよくわかりません。高校時代に山でバーベキューをしたときに、突然の雨にも慌てずに、ささっとシートをテントのように張り、他の班の人々が雨が止むのをぼんやりと待っている間に、我々の班だけはそのままバーベキューを続行することを可能にしてくれたクラスメートのH君を思い出しました。あの時は(←あえて限定することもないですが)格好よかったなあ。めちゃくちゃアウトドア派だったんだなあ。水を入れるための専用タンクも持参してたし。スーザンは怖かったけど、やっぱり人間はいざというときの判断力と知識ですね。彼もやっぱりランサムを読んでいたのかしら。いつかまた会ったら聞いてみよう。
怖いって(笑)
そう考えて読むと、確かに怖いけど・・・うけました。
Dきょうだい、二人の取り合わせがなかなかいいですね。
ディックはトンデモ系?な感じもするけど、
案外頭がまわるし、勇気もある。
彼に比べたら、ちょっとドロシアのキャラが弱い気もします。
物語好きなところを、もっとバンバン出してもよかったのに。
ともあれ、今のところ最もお気に入りの1冊です♪
都会育ちでいらっしゃるんですね~。
私なんて、田舎育ちなのに思いっきりインドア派でしたよ…。秘密基地とか作ればよかった~。ああ~。
都会育ちのDきょうだいは、まさに私です。
だいたいが、「ああいいなあ、ランサムの子どもたちのような夏休みを過ごしたいなあ」と憧れていたこと自体、まるきりドロシアです(^^;
ティティ贔屓の私ですが、この4巻、これはこれで大好きな作品です。