昨日の夕方にゴロゴロ聞こえてきたのは、やっぱり雷でした。次第に近づいてきて轟音とともに青白い光がピカピカしました。雷というのは安全な家の中から眺める分には実に美しいものです。
雷が鳴ると実家の飼い犬Pちゃんの脅えっぷりを思い出さずにいられません。Pちゃんが怖がるのは雷のように響く重低音のようで、飛行機やダンプカーの音も苦手らしく、散歩の最中に出くわすと道ばたで腰を抜かすので困るんですよね。冬の北陸の雷シーズンには、Pちゃんの姿を見かけないと思ったら、たいていはベッドの下やトイレに駈け込んでブルブル震えてうずくまっているのでした。そんなPちゃんの姿を眺めるのは、かわいそうだと思いつつ楽しい。Pちゃん脳内における実家での地位格付ランキング最底辺をうろついているらしい私は、こんな時にはここぞとばかりPちゃんを見下ろしてニヤニヤ笑いを浮かべるのでした。こんな器の小ささだからPちゃんから格下扱いされるんでしょうけれども!
稲光が続くあいだにK氏がベランダにデジカメを手に飛び出して行きました。しばらくして「稲光の動画が撮れた!」とホクホクしながら戻ってきましたが、データを再生してみるとやたら横揺れする画面に時々青い光が明滅するばかりで、肝心の稲妻は写っておらず。彼は残念そうに、ちょっとしたデジタルカメラのスピードでは追いつけない人間の眼の性能の凄さにあらためて感じ入っていました。
ところで、雷が鳴るのを喜んだり、はしゃいで見に出て行ったりしようとすると「雷さまにおヘソを取られるぞ!」と子供の頃は脅されたような気がしますが、K氏が言うには「これは脅し文句としてはどうだろう?」とのこと。そう言われてみると、私は考えてみたこともなかったけど、たしかにおヘソくらい取られたって困らないわな。むしろ無いほうがツルツルしてよくね?? 出ベソがちならむしろ取られたいところじゃね?? 奇妙です。
そんなくだらないことを言い合っているあいだに、雷は遠ざかっていきました。