昨日はユキさんと、【チェコ映画祭り】を開きました。チェコの映画やアニメーションなどをいくつか観ましたよ。私のコレクションが役に立つ日がようやく来たぜ! うへへへへ!
昨日観たのは、チェコ映画の名作『ひなぎく』、チェコアニメーション『ガリク・セコ短編集』と『チェコアニメ傑作選II』からポツポツと数作品。どれも面白かったです。ユキさんがガリク・セコの「本棚の世界」にウケていたのは、ちょっと意外でしたが、でもよく考えればそう意外でもないかな。あれは私も好きです。ユーモラスな作品ですよね。
さて、『ひなぎく』を久しぶりに観直してみて、今回私は少し認識を改めました。
この作品については「女の子映画の決定版!」とか「ポップでキッチュな☆」とか「これを観て元気にならない女の子はいない!」なんていう文句で紹介されていることが割と多いのですが、私はどうしてもそこに納得がいかなかった。このしっくりこない感じはなんだろう? とずっと疑問に思っていたのです。とりわけDVDのパッケージの裏にも書いてある
「これを観て元気にならない女の子はいない!」の部分には、ものすごく引っかかりを感じておりました。私は全然元気にならないんだけど、むしろものすごく悲しくなってしまうんだけど、どうして? え?? 私がもう女の子じゃないからなの…??
『ひなぎく』1966年 チェコ
冒頭から、列車の車輪が回る影像とさまざまな爆撃の場面が繰り返され、暇つぶしに男をたぶらかし、小銭を盗み、場所もわきまえず乱痴気騒ぎを起し、名前も持たず住民票もなく何者でもないまま何者になるべきなのかも分からず、もっと楽しいことを、ただもっと楽しく幸せなことを求めてこの刹那を弾けるように生きる二人の女の子は確かに可愛らしい。けれども、彼女たちは自分たちがダメダメだということも自覚している。このままでは幸せになれない。じゃあ、どうしたらいいの? それが本当の心からの言葉にはなり得ないと分かっていながら、自分たちで壊した皿の破片を並べるという不完全なお片づけをして、自分たちが好きな色と形のワンピースのかわりに新聞紙でできたスーツを着て、「私たちはいいこ。だから幸せ」とつぶやいてみる。落ちるシャンデリア。そして再び回る車輪と爆撃影像。
私には、どうやって「これを観て元気に」なったらいいのか分かりませんでした。けれども、今回あらためて観て、ユキさんとあれこれ話し合っているうちに、私は少し暗い方へ考え過ぎていたかもしれないと思ったのです。あの結末はたしかに痛ましいもののようではあったけれど、同時に恐るべき反骨精神、自由と幸福を願う魂の力強いあらわれだったのかもしれない。彼女たちは押しつぶされたとしても、「何かを求める心」をすっかり譲り渡したりはしないということか。それが「何か」を知らなくても、嘘は嘘だし、お芝居はお芝居に過ぎないと知っている。…そう考えると、燃え上がるようなものは感じるな。
うーん、でもまだまだ考える余地がありますね。特にラストの新聞紙スーツの意味するところを考えてみたい。あれはどういう意味ですかね? 言論の自由と正義を求める象徴であるべきはずの新聞紙によって体をぐるぐる巻きに拘束される皮肉。っていうことでしょうか? あるいは、大衆の声(常識、規律)を反映するものとしての新聞紙に全身を覆い尽くされ強制されていることを意味しているのでしょうか? だめだ、私にはまだ読み解けないわ……
ともかく、『ひなぎく』はやはり名作であることを確認しました。恐ろしいほどに洗練された映画であることは間違いないですね。画面を眺めているだけで、ぽつりぽつりと交わされる意味ありげで言葉少なな台詞を聞いているだけで、胸の真ん中がメラメラするような作品です。
そういうわけで、充実した半日を過ごせました(^_^)
それにしても、お昼に連れて行ってもらったパスタ屋さんの「ウニとイクラのパスタ」があまりにおいしくて、1日経った今も味覚を思い出しています。おいしかったなあ。お店は前もそうだったけど、満員だったなあ。次はエビとクリームソースのが食べてみたいですね。と、さりげなく次回の催促(^_^;) ユキさん、どうもありがとうございました~☆
それから、ユキさんからは、チェコ土産をいただいたのでした(^o^)☆
猫の栞です。カワイイ! ブルーグレイの背景に猫! これでまた私の猫グッズが充実しましたわ♪ ありがとうございました~♪♪ ユキさんがチェコで作ってきたという骸骨の操り人形も見せてもらいましたが、なかなかイカしてましたね。目玉が恐ろしげながらも愛嬌のある表情で素敵でした。お人形を作るのは楽しそうかも。チェコ、行きたいよ、私も!
旅行に行きたい。と思いつつ、帰りの阪急梅田駅。
ホームの床がつるっつるのぴっかぴかなのが、いつもとても気になる。なんでこんなつるつるなんですかね?