半透明記録

もやもや日記

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変わりゆく季節

2011年05月16日 | もやもや日記





少し前まで、近くの植え込みにライラックが美しく咲いていました。ライラックというと私は子どもだった頃のことを思い出します。私は幼かった頃から同じ本を何度も何度も飽きずに読み返すようなしつこい性格の子どもで、あんまり数を持っていなかった本のうちのどれかに、ライラックの花が出てくるお話がありました。
当時、私が育った家のお隣がお風呂屋さんで、その入り口の脇の植え込みにライラックが咲いていました。見上げて「おお、これが…」と思ったような記憶がかすかに残っています。


このあいだ見た上の写真のライラックはもう花の時期を終えてしまって、次は、その斜め向かいに白い花をつける木を発見しました。枝には木の名前を書いた札がさがっていたのにうっかり忘れてしまいましたが、実に愛らしい花です。



花の名前を覚えるのが好きだったのになあ。昔はお花屋さんになりたいと思ったこともありました。裏庭のアジサイの葉っぱをお皿にして、ひとりままごとなんかをやったこともありましたね。

いろんなことを思い出します。前庭が真ん中で分かれていて、玄関から向かって右には金木犀、左には銀木犀の木が、そして朝早くに海辺へ散歩して丸くてつべつべした碁石のような小さな平たい黒い石と白い石を拾ってはポケットに入れ、帰ったらそれを庭の右と左にそれぞれ落とすのです。石はそうやって補充されるので、いつでもジャリジャリと良い音を立てて踏みしめられました。
ああ、でも、もうよく思い出せないことも多くて、少し悲しい。これからもっと忘れてしまうのだろうか。




私を赤ん坊のころから育ててくれたおばあさんが亡くなったそうです。上に書いたのは、その家の記憶です。私の実の祖母ではありませんが、実の孫のように育ててもらいました。最後に会ったのは、もうずいぶん前で。薄情な私はなかなか会いにいくことができなかった。どうしてだろうなあ。ともかくそれで、しばらくしょんぼりしていました。

そうしていたら、今度は私が大学時代にいくつか講義を受けたこともある先生が、先日お亡くなりになったことも聞かされました。若くてとても優秀な先生で、ここ数年はとくにあちこちでお名前を拝見することも多く、ご活躍なさっておいでのところだと思っていただけに、残念でたまりません。





移り変わる季節は多くの美しいものを与えてくれますが、さらさらと去ってしまうもののことを思うと、少し悲しくもなるようですね。