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もやもや日記

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6月18日(金)庭園美術館→六本木

2010年06月20日 | 旅の記録

アール・デコの館へ行ってきた






金曜日に目黒の庭園美術館へ行ってきました。

今のうちに行きたいところへ行っておこうと思い立った私は、間近に迫った引越しのための荷造りを放り出し、「忙しいのに、いいご身分ですね」というK氏の言葉にもめげず、前々から行ってみたかった庭園美術館(旧朝香宮邸)へひとり向かいました。しかし、あいにくの雨。木曜日も土曜日も雨は降らなかったのに、この日は雨でした。どうしてだ! 半日雨の中をうろつきまわったおかげで、足もとがずぶ濡れになりましたよ。うん、まあ、ひとりで行ってよかった……。


さて、庭園美術館です。目黒駅から徒歩で5分ちょっとの距離にあります。アール・デコの館として名高い旧朝香宮邸を美術館として利用しているそうですが、私の目的は美術展ではなくて、その建物。アール・デコっていいですよね(*´∀`*)
雨にもかかわらず、館内にはわりと大勢のお客さんで賑わっていました。小さな美術館だから大勢に感じただけかもしれませんが、それでも意外な人出だったのではないでしょうか。

建物に入るとまず、正面玄関の床のタイルと、ルネ・ラリックのガラスのレリーフが目に入ります。残念ながらあまり詳しく書いている暇がないのですが、このお屋敷は細部がいちいち美しかったです。階段とその手摺、各部屋の照明、扉の装飾、壁・天井のレリーフ、人が住んでいた頃は一体どんな感じだったのだろうかと想像したりして楽しみました。どのような生活があったのでしょうね。

 館内の様子はこちらから:朝香宮邸のアール・デコ|東京都庭園美術館HP 

ちょっと残念だったのは、私は建物目当てにここを訪れたのに、壁や窓の多くは展示品のためのボードで覆われまくっていたことです。全然向こうが見えない。カーテンももちろん閉まりっ放し。またウィンターガーデンと呼ばれるいかにもアール・デコ!な感じの一室があるのですが、そこが非公開だったことも残念でした。残念すぎる……。素敵なお屋敷だということは分かったけど、残念でしたね。今年の3月末~4月にかけて「庭園美術館建物公開」という建物自体の展覧会があったそうですが、私はバッチリ見逃していました。なんてこった。次回は今年の12月だそうですが、……もうこっちに居ねえ! しまったーーっ あーぁーーー…


気を取り直して今回の展示内容を。



この時はちょうど「ロトチェンコ+ステパーノワ ロシア構造主義のまなざし」という展覧会が開催されていて、私にもそれなりに楽しく見てまわれそうなものでした。私はロトチェンコもステパーノワも知りませんでしたが、ここではグラフィック(ドローイング・版画)、空間構成、建築、デザイン、演劇、印刷物(本・ポスター)、写真の8つのジャンルの展示がありました。私の趣味からすると、ポスターがとても格好良かったです。すごく格好良い。さすがあの頃のロシア(1910-1930年代)は先進的ですね。写真も良かったな~。期待していたよりもずっと楽しかったです。小さな展示スペースなのでサラッと見てまわるつもりでしたが、なんだかんだで1時間半くらいを費やしてしまいました。

面白かった!



さて、美術館を出て、せっかくなのでお庭も見てまわろうかと思います。「庭園美術館」ですからね、なんせ。しかし、雨。入館する前よりも激しく降ってきました。貧弱な折り畳み傘を差しながら、雨のせいか人気のない庭をとぼとぼと歩き回ります。靴が濡れてきたのを少々気にしながら、うろうろと庭をまんべんなく歩きます。晴れていたら素敵だったでしょうねー。
以下、微妙な写真ですが雰囲気だけでも味わっていただければ(ちなみに建物内は撮影禁止でした)。

 庭園からお屋敷を見る。2階の廊下を渡りたかった……

 なんかネコ科の像。

 薔薇が何種類か植わってます。その他の植物もあり。花壇にはブルーベリーも実をつけていました。

 池。人気のない暗い雨の日の池…怖; たくさんの鯉が池の隅の一か所に集まって身動きもせず……不思議。

 芝生のところで亀と遭遇。目が合った途端に猛スピードで反転、あまりの速さにカメラで追い切れず!



そんなこんなでそれなりに堪能した美術館を出、この日の夜はM所長と約束があったので六本木を目指します。美術館周辺には目黒駅も白金台駅もあるのだから大人しく地下鉄に乗ればよかったのですが、私の認識では目黒から六本木ならどうにか歩ける距離ではなかろうかと思い、よせばいいのに雨の中を歩き出してしまいました。いやー、止めておけばよかった! マジで!

しかし歩き始めてしまった愚かな私は、例によって「なんとなくこの方向のような気がする…」という勘に従っててくてくと歩いていきましたが、庭園美術館から至近距離の白金のあたりはさすがの高級住宅地でした。私のような薄汚れた身なりの人間がいていい場所ではない気がして、足早に通過します。綺麗なお店が道沿いに並んでいたりしましたが、ウィンドーをのぞきこむ気力(勇気)もない私。しかし、東京には色々な街並があるんですねー。




歩くこと3、40分。家を出た時には降っていなかったし歩くつもりもなかったのでうっかりパンプスを履いてきたら、降り注ぐ雨のせいで既に足はずぶずぶです。その上、途中までは勘のわりにはいい感じで歩いていたと思うのですが、どこかで道を誤って、広尾に向かっているはずが、どうしてか恵比寿駅の方向へ来てしまっていたので、諦めて恵比寿から地下鉄に乗ることにしました。結局あまり進まなかったな。いやあの、私だって晴れてれば歩き切ったはずなんですけど、今日は雨だったからさ…とか言ってみても、ふっ、まあ徒労でしたね――。


六本木ではM所長とお食事をご一緒しました。またしばらくお目にかかれないというご挨拶がてらに御馳走になりました(←我ながら本当に図々しい…いつも御馳走さまですf^_^;))
思えば、関東へ戻ってきた最初にも六本木でM所長とお会いしたのでした。その時は「所長、実はもうすぐ関東へ帰るんですよ!」とご報告したら「じゃ、会おうよ! 着いたらすぐに!」と言っていただき、今回も「所長、実はもうすぐ大阪へ帰ることに…」とご報告したら「じゃ、会おうよ! 今週にも!」という感じで、私はM所長のそういう反応の良さとフットワークの軽さを心から尊敬しているのでした。

というわけで、六本木に始まり、六本木に終わる。六本木も少し路地を入ると、落着いたお店があったりするんですねー。知らなかった!
そして、いつものように楽しくお話しして、ミッドタウンの地下が綺麗に整備されていたりするのを見て歩いたりしました。『飢餓海峡』が面白そうであることを知りました。あと、西日本にもあれこれと見所があることもわかりました。楽しかったです~! 一緒にお仕事をさせていただいた頃の私は呆れるほど生意気な若者でしたが、所長には大変に可愛がってもらいました。いまだに良くしてもらって、感謝してもしきれません! 本当にいつもどうもありがとうございます♪♪ 



去年の秋に横浜から東京へ出るのに東急線に乗った時には、どこかまだ馴染まず、ぐいぐいと身を押し込むようにして首都へと入っていく感じを覚えたものですが、この日の夜はまた別の感傷に浸りながら東急東横線に揺られて帰りました。

今回の移動では、私は極力感傷を抑えているつもりではありますが、油断すればやはり噴き出しそうです。色々な土地を同じように愛していても、その全部の土地に同時に存在することができません。はぁ、残念だ。鉄道や航空機その他の輸送や通信手段が進歩して、土地と土地との距離はずんずんと縮まってはいますけれど、でもまだ遠いですよね。遠い。遠くなる。寂しくなるな。…でも! 悲しくはないから大丈夫さ!



そうとも。この短い間に、楽しかった「旅の記録」が積みあがりました。楽しかったんだ!
さて、荷造り、まだ終わってないぞ……(^o^;)やっちまわないと!