1503~04年 油彩 板
220×195cm(中央)
220×97cm(左右各翼)
ヒエロニムス・ボス(ボッシュ、ボッス)[Hieronymus Bosch](1450頃~1516)
とっても刺激的な3枚1セットの『快楽の園』。結構昔の人にしては、このボスさんのイマジネーションの豊かさと斬新さには驚かされます。巨大な果実から突き出た透明の筒から男が顔をのぞかせていたり(その筒の先端にはネズミが……)、その果実の上には透明なドームの中で寄り添う男と女、と何かちょっとSFな感じもします。色も素晴らしくファンタジック。全裸の男女や様々な色とりどりの動物がてんやわんやです。鳥のような人物(?)に頭から食われている者あり、尻に楽譜を書かれて横たわっている者あり、謎の青い球体の上で逆立ちする者あり、池の中で逆立ち且つV字開脚しながら股に果実を乗っけている者あり。別の池の中では読書をするインテリな動物(アシカっぽい?)、そこから這い上がろうとしている嫌な横目をするアザラシ。た、楽しい~! あ、また変な人を発見!
3枚のうちの左翼は「地上の楽園」、中央は「快楽の園」、右翼は「地獄」(ここでは人間は楽器によって拷問を受けているらしい。ああ、それで尻に楽譜。でもそれのどこが拷問か?)となっています。しかも、この3枚を閉じると、その裏側(祭壇画の扉部分)にも『天地創造』という絵が描かれているのでした。もわ~、なんと洒落ているのでしょうか。
とにかく面白い光景が画面一杯に繰り広げられているので、いつまでも眺めて楽しむことができます。いつか是非実物を見たいものです(スペインのプラド美術館所蔵)。もしくは実物大ポスターなんかがあるといいですね。頑張って壁一面に貼っちゃいますよ。
ああ、もしかしたら私はこの絵の見方を間違ってるかもしれませんが、いや、しかし面白いんですねー。