曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

映画「ソーシャル・ネットワーク」の感想

2013-11-07 22:30:18 | テレビ・映画
昨日テレビでやっていた映画「ソーシャル・ネットワーク」を録画してPSPに転送し、通勤中に見た。その感想。



テンポが速くて2時間があっという間だった。Wikipediaによると、普通の速度で台詞を言うと3時間を超えたので、早口で撮影したらしい。コンピュータ用語、ネットワーク用語は、早口で言われると余計にすごいことをやっているように見える。

立ち上げから会員100万人突破までの話を順を追ってやりながら、訴訟でいがみ合う関係者のシーンを挟み込む構成。マークもエドゥアルドも見た目が変わらないので時間が経ってることに気づかず、最初は「ハーバードの会議室ってガラス張りで立派だな」と思っていた。

マーク・ザッカーバーグが本人より悪人顔だった。ものすごくいやな奴で、友達は3人くらいしかいないらしい。ひねくれていて、独善的で、人格破綻者だけど、恐ろしく頭の回転が速くて36時間ぶっ続けでコードを書ける。だけど、創造力はそれほどでもない。ということを、ウィンクルボス兄弟との訴訟によって描いているように思えた。最初のアイディアに肉付けしていくのは上手いんだけど。

主人公はマークだが、視点はエドゥアルドで映画が進む。この映画の中でエドゥアルドは一番普通の人で、コンピュータ系ではない(経済学部?)。視聴者としては彼に肩入れして見ることになるのだが、マークやショーン(Napster創業者)にコテンパンにやられるので、リーガルハイの古美門研介に頼め!と言いたくなった。

それにしても、ショーンのような信用ならない男に心酔するなんて、マークは人を見る目がないね。

「みんなのシネマレビュー」を見ると、意外にレビュアーの人たちがFacebookの事を知らなくてびっくりした。日本ではあまりヒットしなかったと思うが、それもしょうがないなと思った。ある程度Facebookに関する知識がないと面白くないと思う。

思い付きから起業までの行動が早い。アメリカ人は会社を興すだけじゃなく、事業を始めて推進する能力が日本人より訓練されているんだろうなと思った。起業力が自然に身についてるみたいな感じ。日本人が和を持って秩序を維持する能力を自然に覚えるように。

無料のSNSってのは消長が激しい。日本でだってあれほど流行ったmixiが廃れて、あっという間にFacebookやGREEに人が流れた。そして今はLINEだ。LINEだっていつ廃れるかわからない。セカンドライフがどうなったか思い出してみたまえ。無料なんだから、ユーザーは気軽にやめられる。廃れ始めたら、もう消滅するまで一直線だ。マークも「穴が一つ空いただけでダムが決壊する。信用は二度と取り戻せない」と言っていた。Facebookだってユーザー5億人いても、無料である以上、いつユーザーが離れるかわからない。…と思ったのだが、実名で社交界が構築されてしまってるので、これだけ時価総額が高いんだな。

SNSの話なんて映画として面白いのか疑問だったが、展開がスリリングで、僕は自分でも意外なほど夢中になって見てしまった。本で読んだら何日もかかるこの手の創業話を、2時間で面白く見られた、Facebook創設の逸話を知れたというだけで、人生に役立つ何かを得たかと言えば、それは特にないんだけど。

ちなみに、僕はFacebookはやってません。以前勤めていた会社の苦手な上司をググると、彼がFacebookをやっていることが分かったから。冗談じゃない。Googleのせいでネットワーク上の見通しが良くなり、このブログだっていつ知人に見つかるかとビクビクしてるのに、実名と自分の顔写真を晒して友達を募集するなんてあり得ない(※)。独身時代なら、この映画の連中のように下心で登録したかもしれんけど、結婚して家庭を持ってしまうと、特にこれ以上のつながりは必要ない。

※もちろん、個人情報を制限して参加することもできるということは知ってますが、そういう問題じゃないんだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする