曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

もうスポーツニュースはいらない

2022-08-28 15:25:00 | 社会



昨日(8/27)のヤクルト対横浜戦は、7本の本塁打を放ったヤクルトが16-4で大勝した。先発の小川がまた先制され、また追いかける展開かと先が思いやられていたら、キブレハンが来日初ホーマーですぐ同点。さらに内山のタイムリーで勝ち越し。あとは「火ヤク庫」が久々に大爆発して、横浜の勝ちパ以外リリーフ陣を粉砕した。

僕はその爆発の中でも、キブレハンの3発を見たかったのだが、TBSのS1でもフジのS-Parkでも、流れたのは村上君の48号本塁打含む5打数5安打だけ。まるで村上君の活躍で勝った試合のように報じていた。

彼も4打点を挙げてるので、もちろん勝利に貢献はしている。だが、昨日の試合で最大の貢献をしたのは3ホーマーのキブレハンだ。一球速報の「みんなのMVP投票」でもキブレハンだし、現地のヒーローインタビューだってキブレハンだった。それがなんで村上君オンリーの試合になるのか。

なんか前も山田哲人の件でこういう記事を書いた記憶があるが、最近のテレビの報道は事実と違う。視聴者を舐めている。分からないとでも思っているのだろうか。知ってるのは取材している自分達だけだとでも思っているのだろうか。

今は一般人が皆スマホを持っていて、世界中から情報を入手できる。数千万人の野球ファンが総出で集めた玉石混交の情報のほうが、数百人のプロのテレビスタッフ達が得た情報より多いし、正しいという時代だ。テレビマスコミが、選手のTwitterとインスタを全部巡回できてんのか、プロ野球OBの YouTube全部見れてんのかという話だ。現地観戦している数万人のTwitterやインスタをチェックてきてんのか? 我々はできてるぞ。数千万人で手分けして集めてまとめてるんだから。

テレビマスコミは、村上君の活躍にしておけば視聴者に受ける、視聴率が上がると思ってるんだろう。国民は毎日大谷を見たがっていると思っているんだろう。だが、それはもう滑稽な勘違いだ。今は試合のダイジェストだって各チームが配信してるし、プロの解説者、OBが忖度なしで主観混じりのを解説してくれる。

大谷を毎日見たいのは、ネットリテラシーの低い高齢者だけだ。彼らの世代が社会から退場した後、テレビのスポーツニュースは存在意義を失って消滅するだろう。

テレビは中継だけやってくれればいい。それすらも、DAZNとかに取って代わられそうだが。

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iPhone 11 ProでHipstamatic 〜 Shimokitazawa Hipstapakの巻

2022-08-23 10:33:43 | カメラ
8月配信のSHIMOKITAZAWA HIPSTAPAKのレビュー。なんと下北沢。夏の配信ギアは、だいたい夏っぽいのが多いが、今回は夏っぽくない。むしろ冬っぽい。
 

KANTOレンズは彩度かなり低下。ちょっとアンバーっぽい方向へシフトしてるかも。これだけでもまあまあ使えそう。Made in Tokyoとあるのに「関東」なのが、外人にありがちな間違った理解という感じ。多分我々も外国に対して色々誤解しているのだと思うけど。



ODAKYUフィルムは刷毛で刷いたような太い白縁と、ごく僅かな露出補正+かな。下北沢は確かに小田急線の駅だけれども。企業名がギアの名前に入るのは初では? 小田急に許可取ったんだろうか。

二つを合わせると、昭和レトロな映画の下町っぽい雰囲気になる・・・というか、そういう景色に合うパックだと思う。作例は全て下北沢パックの組み合わせ。








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世界は再編された/サブ子、引っ越しする/夏のSS祭り

2022-08-16 00:31:00 | デジタル関係



FFXIVのサーバー(ワールド)は、DC(データセンター)にぶら下がっている。今までは、エレメンタルDC、ガイアDC、マナDCの3つに、それぞれ10~11基のサーバーがぶら下がっていた。

それが今年の七月、ログイン混雑緩和のためか、日本にDCを1つ追加することになった。新しいメテオDCには、各既存DCから2~3基のサーバーが選ばれて移転する。これが完了すれば、4つのDCにそれぞれ8基のサーバーがぶら下がることになる。

これ書くと所属サーバーが絞られるので、あまり詮索しないで欲しいのだが、サブ子のサーバーが、メテオDCに転出する組に入ってしまった。ていうか、実はメイン子もフォースおじさんも、同じサーバーだったりする。サードキャラのレン子さんのグングニルサーバーは、エレメンタルDCの残留組。

転出組かどうかは強制なので、この「ワールド・リグループ」のあと、日本DCユーザーはサーバー変更が期間限定で無料になると予告されていた。転出組はもちろん、残留組だとしても、同じDCの別サーバーの友達と別れ別れになったりするからだ。サーバーが違ってもDCが同じだとクロスワールドリンクシェルでチャットできるし、ワールド間テレポで行き来できるのが、別DCになるとそれもできなくなるからだ。

メイン子はFCに所属しているので、FCメンバーの動向に従うつもりでいた。他に一緒に遊びたい人いないし。

といいつつ、実はいる。Twitterで知ってファンになったヒカセンが、ガイアDCの別サーバーにいる。僕が一方的にファンなだけで、向こうは僕のことは知らない。一度その人がTwitterで質問を投げたのにリプライしてありがとうと言われるやり取りはあったけど。

6月某日、その人が、あるイベントを主催した。メイン子で参加しようとワールド間テレポでそっちへ移動し、応募しようとしたのだが、パスワード付きの募集に応募するやり方がわからず、モタモタしてるうちに枠が埋ってしまった。仕方なくその人のキャラを肉眼で確認して自サーバーに帰った。次こういうイベントがあったら絶対に参加する、と誓って。

しかし、その人のいるサーバーは、ガイアDCの残留組なのだ。

ならば、サブ子はイベント要員としてガイアのそこへサーバー変更したらどうか。無料期間中に。

最初の頃こそ、サブ子がマケボに高めの値付けで出品したのをメイン子で買い上げることで送金する、なんてことをやっていたが、今やサブ子も8桁のギルを持っていて、経済的支援が要らなくなっている。

だが、ずっと同じサーバーで暮らしてきたので、別のサーバーに移るのは心細い。知らないサーバーに引っ越すのは寂しい。中の人は同じなのに。あと、アパルトメントを空にして引き払わなきゃならないという面倒もある。

ワールドリグループと同時に、DC間を自由に移動するDCトラベルというのも実装されるのが、悩みを余計にややこしくしていた。いざというときは、その人のいるサーバーにDCトラベルでいけばいいじゃん。サブ子引っ越す必要ないじゃん。いやでも、DC間の移動は危ないといわれてるぞ。最大30分待つらしいし、移動中にトラブったらキャラクターデータが消失するかもしれない。

そんな風に思いが千々に乱れたまま7月5日、ワールド・リグループが厳かに執り行われた...訳ではなく、いつものようにログインしたら、ログイン先の自サーバーの所属がメテオDCになってた。特別なことは何もなかった。

それでも運営としては大規模なシステム更新だったらしく、多少不具合が出たらしい。それが落ち着いたら、サーバー変更無料期間を始めると。

DCトラベルは、意外にも初日から多数の勇気あるヒカセンがチャレンジして、特に問題は起こらなかったようだ。サブ子も、移動するならアパルトメントの空きがないと困るので、視察のために挑戦。念のため混雑を避けて休日の昼にやったら、数分で移動できた。アパルトメントも空いてた。

DCトラベルは普通に使える。サブ子がメテオDCにいたままでも、ガイアDCのイベントに参加する分には、それほど困らないだろう。

だが、ガイアDCに引っ越してもマケボを使ったやりとりはできそうだし(トラベル先でも購入は可能)、寂しくなったら行き来もできる。

よし、移動する。サーバー変更というものを体験したい気がするし。日本人率が最も高いガイアDCの文化の中で暮らすキャラがいたほうがいい。三人も同じところにいる必要ない。最悪戻りたくなったら有料でサーバー変更すればいい。

まず、フォースおじさんがガイアDCに引っ越し。彼はサブ子からの経済的庇護を必要としている。アパルトメントもないし、身軽だ。これでサーバー変更の練習をするという意味もある。

次にサブ子を引っ越し。リテイナーの出品物を回収し、アパルトメントの調度品を全部撤去。調度品を受けとるために、鞄の空きを作るということもやった。最後に、二年以上過ごしたサーバーのグリダニアのエーテライト広場を見回し、目に焼き付けてログアウト。

Webのモグステから手続き。数分後にスマホにメールが届き、変更完了。ログインしたら、ガイアDCの某サーバーのグリダニアのエーテライト広場だった。当然のことだが、見た目変わってなくてあっけない。アパルトメント所有者が今回の無料期間中に移動した場合の補償金50万ギルは、モグレター受け取りとかではなく、所持ギルに加算されてた。

早速ラベンダーベッドに行き、アパルトメント購入。前回は拡張街だったのだが、今度は通常街にした。少し地形が違う。前は15人くらいしか入居してなかったが、今度は40人以上いる。前のサーバーは何度も優遇サーバーに指定され、「田舎鯖」と揶揄されてたんだよな。やっぱり人少なかったんだな。今度は結構都会の鯖だわ。

◆各DCの傾向

というわけで、ノーマル勢としては、ほぼ最前線にいるキャラが二人、5.0完走目前のが一人、それぞれ違うDCに所属することになった。マナDC以外は、一応全部傾向を把握できる状況になった。

レン子さんのエレメンタルDCは、外人が一番多いと言われている。フロントラインでは、最初の挨拶がない。少ないんじゃなくて、全くない。日本人もいるはずなのにないので、もうそういう文化なのだと思う。開始前にぴょんぴょんジャンプしたり、走り回り続ける人が多い。

サブ子が出戻ったガイアDCは、日本人比率が一番高いと言われている。フロントラインの挨拶は、ほぼ全員がきちんとする。アグライアなどのエンドコンテンツの攻略は上手い方だと思う。そつがなくて早い。特殊FATEの湧きのアナウンスもやってくれる(まだ二回しか見てないけど)。FCの募集シャウトが多い気がする。

メイン子のメテオDCは、既存DCからのミックスではあるが、今のところ日本人が優勢な気はする。フロントラインの挨拶は定型文が多めで6/8はするかな、といったところ。一番変わったなと思うのはアグライア。ガイアとやり方が違う。Bアラタンクにもよるが、ビエルゴを北に向けずに南に向けたりする。ラールガーでは、まだなのに向こうの隕石落下地点に入ったりする。アーゼマ、ナルザルも、技の前に向きを変えるタンクと変えないタンクがいて、それぞれに対応しなきゃならない。これらは、ガイアではほぼ毎回やり方が固定されてたものだ。あと、全体的にプレイヤースキルが少し落ちたかも(小声)。ガイアより戦死者多いです。

◆まとめ

DCトラベルは、ログイン前に行う。トラベルすると、あたかもそのサーバーに所属しているかのように、ログイン画面では表示される。元のDCに戻るまで、ずっとそう。

なので、このDCに誰か置いておこう、具体的にはマナにひとり置こう(リグループ前も後もキャラがいないのはマナ)ということは多分しない。長期滞在してマナDCの文化を知ろう、みたいになるはず。知ったらまた記事にします。


メテオDCに居続けるか、ガイアDCに戻るか。ようやく揃ったキャスター用パンテオン装備を着て思案中。

引越し先のアパルトメントを見上げる。

引越してアパルトメントも再構築。青空の壁紙のコレジャナイ感。

ここからはSS祭り。メイン子さんが人気のパンテオンヒーラー装備をゲット。


バーをやってる御宅を訪問。

モンクはずっとマイディーさんのコスプレで通しているのだが、ついに染色を高価なピュアホワイトにした。胴だけ。


レン子さんチビチビとサブクエスト消化中。

恋に悩むドワーフ族の悩みを聞く。

今年の紅蓮祭の景品の水着。


リムサの港から眺める紅蓮祭の花火。

ガイアDCアレキサンダー鯖の「アレキの夏祭り2022」に行ってみた。

アレキの夏祭りの休憩所っぽいところ。幻想的。

アレキの夏祭りのララフェル戦隊モノの劇を鑑賞。観客多すぎて入場制限がかかった。


メイン子さん、生き別れの姉と再会。



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ウポポイ(民族共生象徴空間/国立アイヌ博物館)に行ってきた

2022-08-12 23:06:00 | 日記



現在、北海道に帰省しております。

今日は予報が大外れの晴天。前から行きたいと思っていたウポポイ(民族共生象徴空間/国立アイヌ民族博物館)に行ってきました。

僕がアイヌに興味を持ったきっかけは、万年筆でした。デルタ万年筆の「少数民族シリーズ」のデザインが好きで、世界各地のトライバルな音楽や伝統的な意匠を調べていくうちに、そういえば自分の故郷にはアイヌの文化があると気付いたのです。

といっても、スマホにアイヌ紋様の壁紙を設定したり、YouTubeでアイヌ音楽を聴いて、自分の音楽に要素を取り入れられんかなと思案した程度ですが。

ちなみに、我が家は石川県から移住してきた一族なので、アイヌとの血脈的な関係はありません。でも、ウポポイのある白老の隣町で生まれ育ったせいか、アイヌ文化に触れると、魂が異空間に吸い込まれるというか、悠久の記憶に浸る、みたいな感覚になります。プラシーボ的なものなんでしょうけど。

そんなわけで、ウポポイに入場したところから、何やら真面目な気分に。蝦夷の森を描いた壁に挟まれた入場通路の両サイドから、森の音が聞こえてくるので余計に。



まず、予約制の二階の展示を見ました。アイヌの世界観についてのアニメが興味深い。アイヌとは人間のことで、人間の世界がアイヌモシリ。万物には魂が宿っており、中でも強いのがカムイ。熊のカムイが里に降りてきてアイヌと交流(皮を使われたりする)し、奥山に帰っていく。カムイは他のカムイに人との交流について話し、地位が上がる。自然の恵みへの感謝を都合よく物語にしてる感がなくもないですが、RPGやファンタジーに出てくるアニミズム的世界観の本物版だなと思いました。

シアターで映像を2本見ました。「世界が注目したアイヌの技」は、アイヌの収蔵物の有無によってその博物館の価値が決まるという話で、ほんとかよと思いましたが、スミソニアンや大英博物館も自慢してたので、そうなんでしょう。「アイヌの歴史と文化」は、意味なくフランス革命が出てきたり、急に樺太・千島からの強制移住の話に飛んだ意図がわからなかったり、構成に難ありでした。そして、両方とも字幕が音声と少し違う。

楽器演奏鑑賞では、ムックリとトンコリの説明と演奏を聴きました。ムックリは、あのビョンビョンってやつ。シンセで音色作るのは簡単そうですが、のほほんとした曲になりそう。トンコリは透明感がなく、アタックがちょっと歪む琴かなと思いました。全部解放弦と聞いて、五弦だから使うのは五音だけか。簡単だな、と思いました。

最後に交流ホールで伝統芸能上演「シノッ」を鑑賞。トドマツの踊りでは、当時のアイヌの女の子は、こんなさらさらロングヘアじゃないだろうと思ってたらヘッドバンギングを始めて、なるほどこのためか、と納得。朗読のような歌のようなカムイユカラは、髭の濃いマッチョなイケボで、我々が期待するアイヌの漢の声でした。

第一公用語がアイヌ語ということで、全ての表示が、まずカタカナ表記のアイヌ語から。スタッフのアナウンスもアイヌ語から始まる。ロゴマークや各種の表示がアイヌの意匠を現代風にアレンジしたものでかっこいい。デザインに物凄く金がかかっています。さすがナショナルセンター。共生空間の名の通り、我々和人にアイヌの世界を体験してもらおうという意図がそこかしこに感じられました。

シアターの映像だけは、アイヌ文化の素晴らしさを解れよといった、やや強気な態度も感じましたが、アイヌの世界に思いっきり浸れて、トータルでは大満足でした。



フェンダーのエレクトリックトンコリ? これを使っているというOKIさんの音楽に今大変興味を持っております。展示室は動画撮影不可とあったので静止画を撮りましたが、載せて大丈夫かな?




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村上君と山田君

2022-08-04 08:04:00 | スポーツ



7月31日、甲子園球場でのタイガース戦で、スワローズの主砲・村上宗隆が3打席連続本塁打を放ち、チームも逆転勝ちした。8月2日、神宮球場でのドラゴンズ戦の第1打席、第2打席でも本塁打を放ち、連続打席本塁打の日本記録を更新した。

僕は、彼が入団したての18歳の春から、こんな日が来ることを予感していた。

まあ、今のところ予想のかなり上を行ってるんだけども。

でも村上君の話の前に、山田哲人の話をしよう。

2011年、首位を快走していたスワローズはシーズン終盤で大失速。2位でペナントレースを終えた。

怪我人続出で戦力不足なのに、2位だとクライマックスシリーズで勝たなければならない試合が多い。ジャイアンツとのファーストステージは何とか勝ち上がったが、そこで戦力を使い果たし、ドラゴンズとのファイナルステージを迎えた時はボロボロ。

それでも石川を中3日で先発させたり、中1日で館山をリリーフに投入するなど、後に「狂気」「特攻」などと称された小川監督の采配で、なんとか中日に食らいつくことになる。

そんなファイナルステージ第二戦。突如登録されたのが、高卒一年目の山田だった。一軍の出場経験のない選手がポストシーズンに出場するのは史上初。僕はこの時まで山田のことを全く知らなかった。

この非常事態に小川監督が抜擢するんだから、何か持ってるんだろう。レギュラーで体がまともに動く人がいない今、誰でもいい、戦力になってくれれば。

と思いながら試合開始前の守備練習を見て衝撃を受けた。周りのおじさんたちが疲れ切ってるせいもあるが、山田哲人の動きはシャープで、全身これバネの様だった。僕には分かった。

こいつはいずれスワローズの3番に座る。成績は打率3割以上、本塁打15本前後、打点60〜70ってとこか。俊足巧打の中距離バッターだろう。これでスワローズのショートは10年安泰だ。

だが、山田は僕の予想とは違う選手になっていった。期待した2年目はイマイチ。ショートの守備も安定せず、セカンドに転向。そこから快進撃が始まる。日本人右打者のシーズン最多安打記録を更新し、本塁打王と盗塁王を史上初めて同時に獲得。 2回やった人もいないトリプルスリーを3回記録。3割2分、35本塁打、100打点、35盗塁みたいな選手になってしまった。

2016年夏。打撃成績12部門全てでリーグ1位をマークし、「DHC山田」と呼ばれ、毎日が確変だった日々が突然終わる。ジャイアンツの田原、タイガースの岩貞から背中に二連続でぶつけられ、肋骨挫傷。かつての夢のような輝きが失われて今日に至る。

貴重な打てるセカンドとして、数字の上では未だにリーグ最上位ではあるが、引っ張り専門になり、体の軸を前に倒しながらスイングする今のフォームが気になる。絶頂期は日本で一番逆方向に本塁打が飛ぶ男だったのに、ここ数年の彼の本塁打は、ほぼすべてレフトスタンドである。

では村上君の話。先に山田のことを書いたのは、村上君にも山田のときのような予感があったからだ。山田の時の閃きが、村上君を見るときにも発動したというか。

2017年のドラフト会議。その頃は僕もドラフト会議の中継をちゃんと見て、来シーズンの戦力構想を練る楽しみを覚えていた。2017年ドラフトの目玉は、早実の清宮幸太郎で、スワローズも一位指名を明言していた。

どう考えても即戦力の大卒投手に行くべきだろう。なんで一塁専の高卒野手に行く?

だが、清宮は七球団も競合し、スワローズはクジを外した。そして、外れ一位で指名したのが九州学院の村上宗隆だった。

高卒の捕手? ムーチョ(中村悠平)がいるのに?

村上君は、これも清宮を外した巨人、楽天と競合。意外に人気なんだな。ヤクルトが当たりを引いた。

投手が欲しかったけど、くじが当たるのはまあいいことだ。どれ、どんな選手なんだ?

その時番組で流れた村上君の試合中の映像は、解像度が低くてよくわからなかった。一塁線を破るヒットを打ってた。大柄でパワーはあるけどもさっとした選手かな、とその時は思った。スワローズは捕手ではなく内野手として育てるという話だが…。

評価が一変したのが春のキャンプ。練習試合か紅白戦で村上君が打席に入っていた。外角低め、わずかに外れた球を「すっ」と見逃した。微動だにせず平然と見送った訳ではなかった。一瞬で見切って目を切ったわけでもなかった。ただ普通に構えを少し解いて身を引いただけなのに、その自然な所作に、僕は大打者の風格を感じた。

この子はとんでもない打者になる。というか既になってる…。

その時は、こんな日本を代表する打者がウチにいていいのだろうか、とまで思った。当時のスワローズは暗黒期で、こんなすごいの受け入れていいのかな、と思ったのだ。まだなんの実績もない新人なのに。

開幕一軍はなかったが、イースタンでの打棒は聞こえてきていた。調整中とはいえ、現トロント・ブルージェイズの菊池雄星から逆方向に本塁打を打ったときは「当然」と思った。早く一軍で見たい。

そしてその時はきた。2018年9月16日、村上君は一軍登録され、スタメンサードで起用された。早速エラー。やはりまだ守備は不安定だな。2回裏のプロ初打席。いきなり弾丸ライナーをライトスタンド中段に叩き込んだ。右手の人差し指を立て、まるで今期30号ですみたいな表情で悠然とダイヤモンドを一周した。解説の小久保が「ひと振りで球場の空気を変える力を持っている。恐れ入りました」とコメントした。僕は一緒に見ていた妻と子供たちに「村上君は来年ホームランを30本打つよ」と控えめに予言した。

そこから先はご存知の通りだ。レギュラーに定着した2019年は36本塁打。2月生まれということもあり十代の、あるいは高卒2年目のプロ野球記録を多数更新して新人王。昨年は本塁打王に輝き、打点も1点差のリーグ2位でチームを日本一に導いた。東京五輪では決勝で試合を決める本塁打を放ち、金メダリストになった。

予想通り大打者だったわけだが、本当にそうなっちゃったよという驚きはある。もうどこまでも記録を伸ばしていってください。怖いのは怪我とメジャーのスカウトだけだ。



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