曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

2021日本シリーズ第6戦の感想

2021-11-28 01:07:00 | スポーツ



オリックスの先発は「予告」通り山本由伸。ヤクルトは第6戦奥川、第7戦高橋か、第6戦高梨、第7戦奥川で第2先発高橋のどちらかと言われていたが、蓋を開けてみれば高梨。

ヤクルトのゲームプランとしては、山本が投げている間は最少失点で抑え(僕は2点までと思っていた)、山本が降りてから勝負、だったと思う。

その山本、2回までは完璧。3回表、二塁打のオスナを宮本が犠打失敗、無走者になってから、なぜかおかしくなった。それまでは10球のうち9球がキャッチャーのサイン通りだったのが、5球くらいに減り、それなりにいい当たりも出始めた。ヤクルトは3回から7回まで毎回先頭打者が出塁している。

だが、山本は崩れなかった。徐々に修正してきて、8回表は山田、村上、サンタナを3者連続三振。本当にすごい投手だ。五輪日本代表チームのエースだけある。

その打てそうだった期間の5回表。ヒット、送りバントでオスナが2塁に進み、塩見がレフト前を打ってオスナ生還。この時、レフト吉田正尚のバックホームが、とてもバックホームとは呼べない軽く投げたような送球で、オスナの激走もあって余裕のセーフになった。やはりまだ右手は完治してないのだろうか。彼がまともに送球できないというのは、今後勝敗を左右するカギになるかもしれない。

その裏、イレギュラーした2塁ゴロをアウトにできなかったことからピンチを招き、福田のタイムリーで同点。高梨は初回こそ制球が定まらず、危ない感じだったが、それは彼の通常営業。初回さえ乗り切ればと思ってたら、やはり2回からは腕が振れてきて、山本に負けない好投を続けていた。この5回は打たれたが、5回1失点は十分にいい仕事をしてくれたと思う。

高梨の後はスアレス、田口、清水が、再三のピンチを凌いで無失点リレー。オリックスは山本一人でヤクルトの波状攻撃を凌いで6回以降無失点。そのまま今シリーズ初の延長戦へ突入。

延長12回表。山崎、西浦、塩見と続く打線。ここで点を取らないと勝ちはなくなるという状況で、僕は山崎に代打川端、出塁して西浦が送りバントで一死二塁にして塩見勝負。西浦がバント下手なのでピンチバンター嶋かも、と考えていた。が、山崎そのまま打席に。オリックスは左の冨山に替わっている。左なのは川端が出てきた時のためか? 山崎三振。西浦のところで吉田凌にスイッチ。西浦三塁ゴロ。塩見粘った末にレフト前ヒット。

ここで代打川端。ついに出た水戸黄門の印籠。二死一塁は普通得点を期待できないが、川端なら絶対に何とかしてくれる。二死でも一二塁で山田、村上を無事に乗り越えるのはかなり厳しい。オリックス目線で考えても。だが、パスボールで塩見が二塁に進塁。川端を歩かせるか? 川端勝負なら1点で済むが、敬遠したら第5戦で同点スリーランを打っている山田だ。3失点もありうる。

と考えていたのは僕だけで、実況も実際の試合も川端敬遠の雰囲気は微塵もなく。だが、どうみても格が違う。吉田凌明らかに動揺している。2割で一流と呼ばれる代打の世界で、異次元の代打打率3割6分6厘の威圧感に押されている。川端はフルカウントから得意の流し打ちでショートとレフトの間に落とした。塩見が長駆ホームインして勝ち越し。

代打策が恐ろしいほど決まった。オリックスは9回裏、二死二塁で代打に切り札のジョーンズを出した。1点でも取られたら試合終了なので、二塁走者の後ろは何人いても関係ない。ので、セオリー通りジョーンズ敬遠。続く福田センターフライでチャンスを潰している。ヤクルトの12回表は、それとは対照的だった。

で、そのまま最後は3イニングめのマクガフが抑えてゲームセット。今シリーズはマクガフで負けてきたので心配だったが、下手に石山に変えて不調だったらアレなので、とりあえず今日は好調なマクガフに任せたのだろう。またここでも高津監督の我慢強い采配だった。

ゲームセット後、選手たちの動きにイマイチ派手さがなく、喜び爆発という感じではなかった。敵地でオリックスファンに囲まれてるからかな、と思ったが違った。皆泣いていたのだ。絶対に打たなければならないプレッシャーから解放されたからか、川端はボロボロ涙を流していた。村上くんも、いつも淡々としている山田も泣いていた。僕は30年以上ヤクルトスワローズを応援してきて、過去4回の日本一をリアルタイムで味わっているが、こんなに泣ける日本一は初めてだ。2015年の日本シリーズでソフトバンクに惨敗して以来、「日本シリーズで負けた悔しさは、日本シリーズで勝つことでしか晴らせない」ことを日々痛感しながら野球を見てきた。その6年間の屈辱の日々がようやく終わった。明日からは晴れやかな気分で生きていけるのだ。選手たち、監督、コーチ、スタッフの皆さんには感謝しかない。


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2021日本シリーズ第5戦の感想

2021-11-25 22:24:00 | スポーツ



予告先発がない中、第5戦にして初めて両軍とも先発がまったく読めない試合となった。後がないオリックスは山本由が緊急登板という話もあったが山崎福。ヤクルトは素直に考えれば高梨だったが、なんとCSで打球を右手に当てて退場した原樹理。

その原樹理はスライダーの落ちがイマイチだったが、得意のシュートが効いて無難に序盤を乗り切った。ヤクルトは2回、併殺の間に一点先制。

4回表、福田盗塁失敗で二死無走者。ラッキー。ところが吉田正尚に二塁打を打たれた。追い込んでから、アウトコースで討ち取れそうだったのに、原樹理が首を振り、投じた内角のスライダーが曲がらなかった。悔いが残る失投だった。これで動揺したのか杉本にタイムリーを浴びて同点。

その裏、すぐに村上くんがソロホームランで勝ち越し。それまで皆打ち損じていた山崎福の角度のついた速球を完璧に打ち返した。

6回表、吉田正尚を一塁ゴロに討ち取ったが、イレギュラーしてオスナ悪送球。そこから一死一二塁になって原樹理降板。左のT-岡田なので左の田口にスイッチしたが、一二塁間を破られてまた同点。左殺しとして出した田口誤算。

だが同点で7回までこぎつけたら、あとは石山に任せてこの回は安泰。と思ったら、先頭に安打を打たれ(また紅林だよ勘弁してくれよ)、送られて連打を浴びて2失点。4-2。

これで8回清水のプランが崩れた。負けてるゲームでは出せない。大西を出したら1失点。5-2。勝ちパターンの投手に比べると、やはりワンランク劣る。

2点差ならなんとかなるが、3点差は厳しい。山田にスリーランでも出ないかな。8回からオリはヒギンス登板。ストライクが全然入らず、塩見、青木と四球。そして山田が妄想通りの同点スリーラン! 東京五輪野球競技MVPは、ストライクを置きにきたのを見逃さなかった。

同点だが、これで完全に流れはこっちに来た。が、9回はマクガフ。先頭打者は、マクガフがまともに勝負できないMLBのレジェンド・天敵ジョーンズ。案の定、腕が縮んで制球がままならず、2ボール。ストライクを欲しがってど真ん中に投げた。それはないわ。左翼ポール際に勝ち越しソロで終了。

今日はヤクルトのリリーフが全部誤算だった。それをまとめて山田が取り返したが、最後のマクガフも誤算だった。勝ち越してなかったんだし、9回は清水でよかったのでは? マクガフが、というより、僕にとっては高津監督の采配が誤算だった。



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2021日本シリーズ第4戦の感想

2021-11-24 22:18:00 | スポーツ



先発の石川が快投。少し軌道を変える、微妙にタイミングをずらすといったテクニックを駆使した老獪なピッチングで6回を失点1(自責はゼロ)。打たれる時は鮮やかに打たれるので心配してたが、しっかりゲームを作ってくれた。

同点に追いつかれた裏の6回。2番手増井から山田四球。村上君強烈なファースト正面のライナーで山田戻れず不運な併殺。嫌な雰囲気、向こうの流れになりつつある中、サンタナが四球を選ぶ。簡単に終わらせないことで流れを、と思ってたら中村ヒット。二死一二塁。堪らずオリックスは比嘉を投入。またか。

ちなヤク的には、一二塁でもオスナには期待できない。9月からずっとバッティングを崩し、一時は首位打者も見えてたのに最終的には2割6分を切った。それでもナイスガイで一生懸命だから外されない、みたいな選手である。少なくとも今年はもうダメと思われているオスナに中継ぎの切り札の比嘉をぶつけるとは。中嶋監督は力を入れるところを間違っている。今のオスナはそんなに怖くない。

と思ったら!!オスナが比嘉の変則スライダーをセンター前にタイムリー!! 予想の上をいく結果で個人的には完全に流れを掴んだ。強い。スワローズ強い。

7回表を石山が無難にまとめて8回表。初戦以来の清水登板。代打にジョーンズ。昨日の石山と同じ早い球を続けてからのフォークで三振。もうジョーンズはこれやってれば打たれない。

9回はマクガフ。ほとんど変化球だけという意外な配球で走者を出しながらも無失点で切り抜けた。

なんとびっくり、王手だ。試合ごとに中嶋監督の采配が裏目に出るのが増えてきた。早めに動きすぎて毎試合切り札が打たれている。イリュージョン不発のまま、しれっと4勝目を挙げたい。


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2021日本シリーズ第3戦の感想

2021-11-23 22:48:00 | スポーツ



ヤクルト先発小川は1、2回を三者凡退。3回表、先頭の紅林ヒット。8番伏見の時、オスナと村上君が交互にチャージするなど、絶対に送りバントさせない作戦。それでカウントを悪くしてバスターされ、西浦後逸して無死一三塁。送られたところで次打者は投手の田嶋なんだし、神経質になるところではなかった。田嶋にはあっさり送りバントを許して一死二三塁。守備の策がチグハグだった。小川がここから踏ん張り1失点で済んだが。

チグハグはオリックスもだった。5回裏、青木ヒットで田嶋降板。比嘉にスイッチ。期待通り山田を遊ゴロに討ち取った。が、ここでなぜかバルガスに交代。一死一塁での山田を抑えるためだけに比嘉投入。山田の不調をよく知るちなヤクには考えられない贅沢継投だった。で、バルガスは村上君、サンタナと連続四球で二死満塁になり、中村にタイムリーを喰らう。

村上君(2点目のホームイン)を援護するため、三塁でアウトになるタイミングで走っていたサンタナ。そこに狙い通りに送球がきたが、サードの宗がセンター方向へ悪送球。サンタナすかさず本塁突入で3点。

これだけデカいプレーが色々出たので、ポイントはここだったと言いたいところだが、今日の試合はこれだけでは済まなかった。

直後の6回表、吉田正尚に二塁打、杉本にツーランを打たれて同点。ここまでこの二人はそれなりに翻弄できていたのに、急にこの回外一辺倒の攻めで普通に打たれた。三回り目で配球を変えたのかもしれんが、解せないリードだった。

7回表、2番手スアレスが四球からみでピンチを作り、代わった田口が吉田正尚にタイムリーを打たれてまた1点負け越し。4-3。

その裏、ヒットの青木を置いてサンタナが右翼席へ逆転のツーラン。サンタナは巨人キラーなので東京ドームには強い。データ通りだった。ここまでまったく打てなかった吉田凌のスライダーを打ったのも大きい。

最後は初戦で大炎上したマクガフが走者を出しながらも杉本を一ゴロに討ち取って勝利。ザ・シーソーゲームといった試合だった。

これで一応マクガフは使える目処が立った。石山も回跨ぎで何も起こさせなかったし、田口は失点したが討ち取った当たりだった。これでプルペンは今後もなんとか回せそう。


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2021日本シリーズ第2戦の感想

2021-11-22 00:14:00 | スポーツ



昨日と同じような投手戦。オリックスの先発・宮城は5回パーフェクト。このまま完全試合喰らうかと思った。

高橋奎二は調子良さそうだったが、前半カーブがストライクゾーンに入らず、チェンジアップを見せ球にしてストレートで勝負の1パターンしかない苦しい配球。それでも右打者の内角ギリギリのストレートがビシビシ決まっていたので、毎回のピンチをなんとか凌ぎ続けた。

8回表、西浦四球、塩見ヒットで一死一二塁から、ついに青木タイムリーで先制。西浦はその前の打席でチーム初安打を打って宮城の完全試合を阻止したり、初回に際どいゴロを併殺にしたりして、ちょこっとシリーズのラッキーボーイ臭がしている。

9回表、オリックス3番手のバルガスを攻め、二死二塁からオスナのライト前ヒットと右翼杉本のエラーで1点追加。もう二ヶ月以上絶不調のオスナに替えて川端かなと思ったが、オスナが結果を出した。また高津監督の待つ野球だった。

2点差ならマクガフでもと思ったが、なんと高橋続投。吉田正、杉本という怖いところをあっさり討ち取り、代打ジョーンズ。昨日のマクガフは、MLBでのジョーンズの実績に怯えて四球を出して自滅したが、高橋はそんなこと知らないようで、最後は普通にカーブで空振り三振。

まさかの高橋プロ初完封。5回辺りからカーブでストライクが取れるようになったのが良かった。オリックスの中嶋監督は談話で「高橋は荒れ球と思っていたが、イメージと違った」と言ったらしい。今日の高橋はストレートとチェンジアップの制球が前半まとまっていて、四球を出さない代わりに毎回ヒットを打たれた。後半はいつものように暴れ出し、ときどき高めに外れた豪速球を投げたりしてた。適度に暴れたことで後半のオリックスは、仕掛けにくかったと思う。

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