曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

サブ子の旅(44)

2023-09-30 13:49:00 | デジタル関係
紅蓮祭2023

毎年恒例、エオルゼアの夏祭り。今年のはコスタデルソルのライフセーバーをやろうとしている?陰キャ青年を手伝って男にする話。クリアすると、フェニックスヒーローという戦隊モノふうのミラプリ装備がもらえる。

ずっと水着だったので、今年始めた新規は困惑してるんじゃないか、みたいな話もあるが、過去のはオンラインストアで買えるからいいんじゃないすか(持ってるので上から)。


小さくてわかりにくいが、ミコッテの場合は耳が入る三角の突起がある

新生祭2023

これも恒例のやつ。今年は新生10周年なので、例年より力が入っている。カストリ新聞の記者キビの弟に気合いを入れ直し、ヨシダナオキ氏と仮想空間の飛空挺で語り合う。

報酬はフェニックスのマウント。フェニックスに乗るのではなく、自分がフェニックスに変身するというかつてないタイプ。でかいし派手に光るので実用性はゼロだが、こういうのは記念なので。10年に1度のクソゲーと言われた旧FFXIVから復活を果たし、いまや世界一のMMORPGにまで上り詰めた新生FFXIVを不死鳥に喩えているのだろう。


「でもまあ楽しんでるよ」吉Pわかってんじゃん(笑)

紅蓮祭もだが、僕の場合使用キャラが多いので、例によって全員分やるのが大変だった。ルイゾワ爺さんの過去を探るサブクエは、話が長いこともあって、ほとんどスキップした。

モグモグコレクション祝祭2023

パッチ6.5までの小ナギ節、またまたモグコレが始まった。今回は10周年ということで景品が豪華と言われている。トークンの名前も「祝祭」である。

トークンをもらえるコンテンツが多いのと、もらえるトークン数が多いのも今回の特徴。アライアンスレイド(24人でやるやつ)全部が対象となっている。こんなことは多分初だ。従来は、メインクエストルーレット対象IDが10個とかだったが、今回はアラルレで1番多いやつで14個。FF14だから14個なのだろうか。

ここでちょっと、いや、しっかりめにアライアンスレイドについて語りたい。

人はなぜその職業を選ぶのか、という話だ。

4人IDはコンテンツサポーターに対応したので、1人でやれる。紅蓮編のIDはコンサポ未対応のがまだあるが、70用なので90ソロで余裕。漆黒以降のIDはソロ無理なのもあるが、全部コンサポ対応。これらソロでやれるコンテンツは当然宝箱総取りなので、その時の自分のジョブはどうでもよい。

8人討滅戦は交換アイテムがドロップなので、部位ごとの数を揃えれば、ジョブは後で好きなのを選べる。つまり、そのジョブの装備を入手するためにそのジョブで行く必要がない。

ところが、以前書いたように、アラレイドの装備はジョブカテゴリーごとに分かれていて、そのカテゴリーのジョブが優先ロットになる。ヒーラーの装備が欲しかったらヒーラーで行った方が有利だ。

要するに、装備集めが目的の場合、ジョブを選ぶ必要があるのはアラレイドだけなのだ。零式の武器とかはまた参加ジョブ優先がありそうだが、僕は行かないので。

そんなわけで、前回のモグコレではニーアレイドの「塔」をいろんなジョブで鬼周回し、それなりにミラプリ装備を揃えた。その結果、何度やっても目当ての装備が出ず、ロットで負けて心が折れかけ、ゲットした時の「ああ…」という恍惚感が病みつきになってしまった。

モグコレが終わってからも、僕はニーアレイドに通い続けた。サブ子はタチノのヒーラー胴とキャスター胴、メイン子はヒーラー胴とキャスター脚が足りてなかった。難易度が高く時間もかかるタチノは人気がなく、マッチングするまで毎回20分以上かかったが、コンプしないと気が済まないモードに入っていたので平気だった。小ナギ節だし。

以前の記事で、塔のタンク装備が欲しくて勇気を振るってタンクを出したが、一度もBアラに当たらなかった話を書いた。その時の、準備したんだから一回くらい当たりたかったかも、という思いは意外に薄れなかった。でももう塔にタンク出す理由がない。装備は全部揃った。

いや、まだ1人いる。塔のタンク装備持ってない子が。

第3キャラのレン子さんが、ハーデス倒したあとまた停滞している。彼女はガンブレ90だ。

漆黒のメインクエスト残りなんてほっといて、急いでニーアレイドを進めた。召喚でサレタやって、タチノをやった。そして塔ではガンブレを出した。最初はAアラだった。装備がいくつか出た。タンクは1人なので独占である。で、2回目、ついにBアラに当たった。

やらかしても目立たないように、予め黒い地味なガジャ装備にミラプリしていた。若葉のメインタンクなんてPTメンは不安だっただろうが、中身は最近だけで塔に50回近く参戦しているのだ。特に問題なくMT業務をこなした。小さなイクラや白い四角のボスのAAを受けるというMTのみの特権を体験しつつ、この回で頭以外のタンク装備が揃った。引きの強い子だ。


MTとして4ボスのタゲを取るレン子さん

塔のタンク装備のレン子さん

サブ子、メイン子のタチノはなかなか捗らなかった。6月から8月まで、やれる範囲で参戦したがキャスターはたいていライバルがいたし、ヒーラーは2人固定なので必ずロット勝負になる。僕の計算だと、アラレイドで特定の装備が出る確率は約10パーセント。ライバルが1人いるだけで、入手確率は5パーセントになる。「打席に入ってバットを振らないと何も起こらない」と自分に言い聞かせ、それぞれ週3〜4回のペースで参加した。お陰で召喚士を機工士並みに使えるようになった。

サブ子は8月中に揃ったが、メイン子のヒーラー胴がなかなか取れなくて、9/2にようやく取れた。色々麻痺していて嬉しいのかもよく分からん状態だった。

タチノのキャスター装備。召喚士で参加し続けてゲット。おかげで召喚士の操作が上達した。

タチノのヒーラー装備。賢者で参加しまくってゲット。賢者の操作も上達。

ここまで長々と何を言いたいかと言うと、アラレイドがシャキりやすくなるモグコレの前に、僕はアラレイドに行く目的をほとんど無くしていたということである。

一個だけ、機会があったら集めたいかもと思っているアラレイド装備があった。それは、「楽欲の僧院オーボンヌ」のレンジャー装備である。FF12の機工士バルフレアのを模した装備で、サブ子は一度だけ参加した時に運良く胴を貰えていた。胴があると他の部位も揃えたくなる。

結局モグコレのトークンは数百集めなきゃならないんだから、オーボンヌ周回するか、となった。難易度が高すぎて、デフォルトで超える力(諸能力ブースト)が付くようになったという曰く付きのダンジョンである。

ルーレットではなく、オーボンヌを指定してCF申請。早くはないが遅くもない待機時間でシャキった。さすがモグコレ。オーボンヌは最高難易度なのでトークン14個である。

予習したのでやらかしはなく、3ボスまでクリア。ビビってたけど、意外に素直なギミックばかりじゃないか。と油断してたら、4ボスの複合攻撃を逃げ惑うフェーズで水の竜巻に包囲されて死亡。装備は出なかったが、ほとんどやったことないIDで新鮮さがあり、面白かった。

オーボンヌ1ボスのムスタディオは原作(FFT)とは似ても似つかない姿かつ凶悪

オーボンヌ3ボスのシド。FFTの主人公チームの絶対的エースと戦うとかどうなの

このような企画、たいていはメイン子もやりたくなる。そろそろ機工士用のミラプリ増やしたかったのもあって、メイン子も周回することにした。

オーボンヌは、せっかくなのでPS5の機能を使って動画を残すことにした。これがXperia 5 IIでみるとなかなか綺麗。人の動画見るよりわかりやすいし。モグコレ後のアラルレも見据えて、アラレイドの動画を撮って自分専用の攻略動画コレクションを作ることにした。

話は戻るが、タチノ周回時にサブ子のストライカー装備が揃ってしまっていた。メイン子は元々揃ってるのでかっこいいことはわかっている。しかし、サブ子は侍52、モンク32と着れるレベルじゃなかった(タチノ装備は80以上)。

先述のように、着たいアラレイド装備があれば、そのカテゴリーのジョブが出せないと入手は難しい(といいつつ何故かタチノのストライカーが揃ったわけだが)。将来そういう着たいアラレイド装備が登場することを考えて、サブ子は唯一上げてなかったストライカー、のうち、侍のレベル上げをすることにした。


光る武器は趣味じゃないが、刀だけは別。雷神打刀でミラプリしてる

てなわけで、モグコレ中の毎日のルーチンはこうなった。サブ子が侍でアラルレを回して経験値とトークン祝祭をゲット。時間と気力があればフロントラインデイリーに侍で参加して経験値とトークン。メイン子は動画を撮りたいアラレイドに参加。今シーズンのPvPでもらえるものは全部もらってるのでやる気は出ないが、テキトーなジョブでフロントラインかヒドゥンゴージでトークン貰う。メイン子は黒(76)以外の全ジョブカンストしてるので、経験値はそんなに欲しくないのだ。

サブ子は侍のレベルが少しずつ上がるが、ルーレットなので、もらえるトークンが少ないところに当たることもある。「シルクスの塔」なんかは6個しか貰えないが、僅か16分で終わる。基本ソロのサブ子は誰かに見せる用の何かは必要ないので、トークンも少なくていいのだ。

サブ子が当たったところ、メイン子が狙って行ったところ含めて、「魔航船ヴォイドアーク」と「複製サレタ工場廃墟」以外の動画が揃った。ヴォイドアークとサレタはトークンが少ないからか、なかなかシャキらなかった。そのうち嫌になり、メイン子は即シャキ且つすぐ終わるアグライアに通うようになった。

アグライアは暁月のレイドだが、アイテムレベルが実装当時より60も上がっている今は、すぐ終わってしまう。早い時で22分。早く終わりすぎて、各ボスのギミック2度目が来ない。3ボスの陽炎2回目(難しい)とか、4ボスの天秤(オモロイ)とか。トークンは12個もらえる。おそらく最高効率はここだと思う。モグコレも終盤に入り、ラストスパートとして、ここ数日はサブ子もアグライアを回り始めている。


アグライア4ボスで巨大サブ子と戦うサブ子

侍のジョブクエスト

侍のジョブクエストは結構好きだ。ひんがしの国から来たムソウサイという剣の達人と一緒に世直しの旅をする。ムソウサイは闇堕ちした弟子を斬れなかったことで悪人呼ばわりされており、その辺の解決をサブ子に託して病に斃れる。ムソウサイの最後にして最強の弟子であるサブ子はクガネに渡り、新撰組を彷彿とさせる赤誠隊のマコトに協力して、闇堕ちした弟子、ウゲツを討つ。

赤誠隊の局長コンゴウは近藤勇っぽいが、副局長のシデンは土方っぽくない。副長じゃなくて副局長だし。女隊士マコトは、腕はそこまでじゃないが、一番隊組長なので沖田総司なんだろう。映画「幕末純情伝」を思い出したよ。


赤誠隊屯所前。左からシデン、マコト、サブ子。


クガネの温泉旅館で人魂が

今回のモグコレの目玉、ファットキャットパラソル

目玉第2弾のサムライバードを装備したマイチョコボとパチリ

漆黒のレアFATEをクリアしないともらえないらしいカエルの着ぐるみもモグコレでゲット

エモート「真剣」

オーボンヌのスカイパイレーツ装備の胴と脚のみゲット。手は指輪、足は踵が剥き出しの変な靴で、どうしても欲しいものでもないのだが、今後も気が向いたら周回していつかは揃えたい。


メイン子はスカイパイレーツをコンプした。頭も持ってるが、ヴィエラは表示されない。



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iPhone 15シリーズを触った

2023-09-25 08:21:00 | デジタル関係
昨日、某家電量販店でiPhone 15シリーズを触ってきた。

今使っている14Proは入手するまでにとてつもない苦労をしたが、15はどれも普通に売られているらしい。例のApple Store手渡しのキャリア紐付け機体だと、やはり難しいのかもしれないが。

無印15は予想以上にスモークガラスだった。僕は嫌いじゃないが、うちの子供たち(現在12使用中で変えるなら15という話になりつつある)は、ソリッドな色がないのがやや残念らしい。

15Proは普通にメタリックな質感。14Proとほとんど同じかな。カメラの出っ張りも変わらないように見えた。試用機によくある盗難防止の紐の弾性のせいで軽さは実感できず。

自分の14ProもOS17にしてあったので、画面の違いは分からず。

僕はずっとXperiaで、11ProからiPhoneに乗り換え、14Proに変えたわけだが、どちらのiPhoneも節目の機種だったように思う。

11Proは初の望遠カメラ搭載で、Hipstamaticなどカメラアプリの対応が遅くてちゃんと動かなかったりした。14Proは初のダイナミックアイランド(自撮りカメラの楕円分離)で、アプリによっては端の表示が隠れてしまう。

望遠はProなら普通になったので、不具合はもうない。ダイナミックアイランドは無印15にも採用されたので、今後アプリ側も対応するだろう。実はPro買うなら今のタイミングじゃないかと思う。新機能登場の1年後で新奇さはないけど、安定してるはずの15 Proはたぶん狙い目ですよ。

15 Proの裏側。


全体ぼやけて一部の文字だけくっきりしてるんだけど、何これ。OS17の新機能?!


これもテカリに引っ張られて妙な絵になった。謎だ。


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ドカベンの私的三大名勝負(3) 2年春の土佐丸戦

2023-09-20 21:13:00 | 
ドカベンの私的三大名勝負第3弾は、山田ら明訓四天王が2年時の、春のセンバツ決勝の土佐丸高校戦です。

三大名勝負どころか、ドカベンのベストゲームに推す人も多い。試合に絡めた四天王(山田、里中、岩鬼、殿馬)の過去エピソードが評価されている。それぞれのここまでの歩み、野球を続けている理由等が明かされ、まとめに入ってる? もしかして最終回?と思わせるほどである。

僕が強調したいのは、この試合が希に見る死闘であること。三年夏の青田高校戦も延長18回引き分け再試合になったが、あれは長くても気楽だった。どちらも傷を負わなさそうな、何も犠牲にせず明訓が勝つ雰囲気があったから。対してこの土佐丸戦は、両軍とも負傷者が続出、心身共に消耗しながら延長12回まで戦う。里中や山田がボロボロになり、一体この試合はどうなるんだ、いつ終わるんだこの苦闘は、という重苦しさが最後まで続く。

高知代表の土佐丸高校は殺人野球を標榜するチームで、反則スレスレのラフプレーをやってくる。明訓でその攻撃に耐えられるのは岩鬼くらいだ。しかも、土佐丸は準決勝まで全員が眼帯をして片目で勝ってきた。

土佐丸とは一年夏も対戦している。三年春も対戦するし、甲子園での最大のライバルといえる。怪力打者兼豪腕投手の犬飼武蔵(たけぞう)、キレのあるフォークボールを投げるサウスポー、犬神了が中心選手。あと、監督の犬飼小次郎は、明訓監督の土井垣将をライバル視している。

準決勝の信濃川戦で、里中が右手の親指を突き指した。直球はなんとか投げられるが、指で捻る変化球は投げられない。その苦境で編み出したのが、捻らない新球「さとるボール」だった。手首を前向きに回して投げる球で、高津臣吾や潮崎哲也のシンカーに近い、鋭く落ちる球である。

この土佐丸戦では、そんなには多投できない全力ストレート、さとるボールをどこで使うか、ハーフスピードのストレートで、いかに誤魔化して凌ぐか、山田の苦心のリードが描かれる。

1回表、眼帯を外してよく見えるようになった土佐丸打線に里中がいきなり捕まる。無死一二塁から武蔵のスリーラン。負けじとその裏、山田もスリーランで同点。

武蔵では山田を抑えられないので、犬飼監督は以降、山田の打席だけ投手を犬神にスイッチしてくる。この犬神を山田が打てない。先の同点スリーランは、山田が驚異的な視力で武蔵の握りを見れていたからであった。犬神はアンダーシャツの袖を伸縮させるカラクリで握りが見えない。

5回表、犬神が三塁線にセーフティバント。ファースト仲根の足を蹴って仲根は後ろにそらし、犬神は二塁まで進む。明訓は守備妨害を主張するが判定は覆らず。犬神盗塁して二死三塁。次打者へのさとるボールがワイルドピッチになり、犬神本塁突入。山田と接触した球審が袋のボールをこぼしてしまい、ホームベース上にはボールが6個も! どれが本物? どれでもいいから拾えと叫ぶ山田。里中は適当なボールでタッチしたが判定はセーフ。土井垣の抗議も実らず土佐丸4-3と勝ち越し。

5回裏、里中懸命のセーフティバントで出塁。しかし、武蔵と交錯して倒れて医務室へ。特別代走に北。里中は突き指をかばいながら投げたため、肘も痛めていた。岩鬼サードゴロ。北は気迫のスライディングで併殺阻止したが(北自身はアウト)、足を痛めて医務室へ。殿馬、山岡四球で二死満塁、打者山田。投手犬神。

山田カットで粘りまくる。アンダーシャツのカラクリを見抜いたので、あとはフェアゾーンに飛ばすだけ。次の球で仕留めるぞ、というところで、犬神なんと背面投げ! タイミングを狂わされた山田ピッチャーライナー。ギリギリまで切り札を取っておいた犬神の勝ち。

親指と肘の痛みに耐えながら里中力投して6、7、8回と無失点。8回裏、山田のところでまた犬神。しかし犬神は、もう手札を出しきったはず。わざとかどうか、山田の右手首に当ててしまう。が、後続が倒れて無得点。

1点差で追う9回裏明訓の攻撃。先頭の里中、気力でセンター前ヒット。続く岩鬼、幼少期に世話になったお手伝いのおつるをスタンドに見つけて発奮。グリグリメガネをかけてストライクを悪球にして二塁打。里中帰って同点。延長へ。

10回表、一死から犬神出塁。さらに走った。しかし山田は強肩だ! ところが山田投げられず。先の死球が今になって痛んできた模様。犬神はそれを見て三盗。さらに本盗!

ここで山田のじっちゃんがバス転覆事故(山田の両親が亡くなった事故)の後遺症を気にするのだが、それがあったのかなかったのか、山田は全力ブロックで犬神を弾き飛ばしてアウト。犬神は以降ライトに回るが、全身打撲で戦闘不能に。

12回表。限界を超えているはずの里中、力投しながら中学時代を回想する。チビには投手は無理と言われてアンダースローに転向。曲がれ!曲がれ!と叫びながら1人でカーブの練習。一球しか受けてくれなかった当時の捕手が、実は変化球の切れが凄すぎて思わず拒否したんだと告白。その男が、今や常勝明訓のマウンドを守り続けているんだからなあ。

という流れだったら、なんとか抑えてきれいに締めると思うじゃないですか。ところが野球の神様は厳しかった。水島新司は甘くなかった。山田のサイン通り、高めに外した速球、さすが里中と山田も感心した伸びのある速球を、武蔵がソロホームラン。5-4と土佐丸勝ち越し。続く打者にもヒットを打たれる。土井垣監督は盗塁を警戒して、捕手を微笑に、投げられない山田をレフトに回す苦心の采配で追加点を防いだ。

12回裏。岩鬼死球で一死一塁。長いトイレから戻ってきた殿馬、極端なクローズドスタンスで打席の一番後ろに立っている。それでは外角の球には届かない。

ここで殿馬の回想。小柄な殿馬は指が短く、ショパンの円舞曲「別れ」で弾けない箇所があった。そのためコンクールの選考で負けるのだが、本人にどうにかしようという気持ちが見えなかった。

と思ったのは先生だけで、殿馬は指の股を切る手術を受けて「別れ」を弾けるようになる。コンクールには間に合わなかったが、その演奏は「上手い...というより凄い」もので、真の勝者は殿馬であった。

で、現在に戻る。武蔵のアウトコースの速球を、妙に長いバットで捉えて流し打ち。ライトスタンドへ。ライトの犬神、ボロボロの身体で立ち上がってフェンスを登り、捕球したが力尽きてラッキーゾーンに落下。明訓高校サヨナラ勝ち!!!

殿馬はトイレに行った時にバットの実演製作販売のおっちゃんに長いバットを作ってもらっていた。その長さをクローズドスタンスで背中を向けて隠していたのだ。無表情でどうにかしてみせる殿馬の劇的サヨナラツーランだった。

ここまで書くのも疲れる死闘。そして最後の意外な決着。山田も定期的に「頼りになる男だ」と内心ツイートする殿馬のホームランで勝利。技術は超一流だが非力な殿馬は、実はここまで本塁打ゼロだった。その初本塁打をセンバツ決勝の最後の最後に持ってくるのは上手いね。作者が。

1年後、三年春のセンバツのあと、母子家庭の里中は経済的な理由で明訓を退学する。そこがドカベンの最終回なのだが(※)、そのとき山田が里中に、甲子園で培ったお前の根性なら社会に出ても大丈夫だ、みたいなことを言う。そのコマには、この2年春センバツ決勝土佐丸戦のスコアボードが描かれている。作者の中でも、一番の死闘と言えばあの土佐丸戦ということなのだろう。

※3年夏は一応別作品の「大甲子園」で描かれる。


里中が投げたいボールを拒否して山田のサイン通りに投げたら打たれたので、バッテリーの信頼関係が何度か崩れる前半。

また「ルールブックの〜」になりそうなシーンだったが。

どれが本物か区別がつかない以上、山田の判断通りどれでも間に合えばアウトだと僕は思うが。

里中のグッとくるセリフだが、僕が編集者なら「資格」を「権利」に変える。

あんだけバカにしていたチビが、いまや王者明訓のエースに。

読者も思いっきり意表を突かれた犬神の背面投げ。


飛距離はバットと腕の長さの合計に比例するとかなんとか。

当時の甲子園は右翼左翼のフェンスの前に金網のフェンスを設けてラッキーゾーンとしていた。

長さはともかく急に木製バット持ってきたら怪しまれるような気も。



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iPhone 14 ProでHipstamatic 〜 INPRESSIONIST SNAPPAKの巻

2023-09-18 11:44:00 | カメラ
9月の配信ギア、IMPRESSIONISTのレビュー。

今回はまたいつもと違うトラブルが発生。ヒプスタにしては早めにダウンロード可能になったのだが(検索で行けるだけで正式には不可。サンプルもなし)、Guerboisフィルムが解凍できなかった(というメッセージが出た)。これは初めてのケース。

自分の環境だけかと思ってググると海外の掲示板で皆同じ状況だと判明。エラーメッセージのスペルがtypoだからじゃないかという推測も。確かGuetboisになってた。



Cloude 72レンズは少し褪色。紫方向に少しシフト。それはそれで単体でも使えそうだが、Guerboisフィルムと合わせて 油絵っぽくするのにそれが必要か?と考えてしまう。



Guerboisフィルムは油絵っぽいテクスチャ。ゴッホとかモネのような細かいヘラのタッチ?を再現したり、絵の具がベったり盛られたりのやつが、数パターン、ランダムに適用される。ちなみに読みはゲルボアだと思われる。

フィルムのテクスチャのパターンが決まってるのが例によって気に食わないが、シンプルな風景に全面細かい凸凹のあるやつがはまったときは、なるほどなという仕上がりになる。

パック名は「印象派」からなのだろうが、僕が好きなウジェーヌ・ブーダン風にはならない。

作例は全てIMPRESSIONISTバックの組み合わせ。









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ドカベンの私的三大名勝負(2) 2年夏の弁慶戦

2023-09-09 21:10:45 | 
ドカベン私的名勝負3選の第二弾は、山田らが2年夏の甲子園大会2回戦の弁慶高校戦。山田太郎、里中智、岩鬼正美、殿馬一人のいわゆる四天王在籍時唯一の敗戦として知られている試合である。

ドカベンを知らない人は、主人公チームがライバルに勝ったり負けたりしながら、何かを掴んだりどこかにたどり着く話だと思っているかもしれないが、違う。明訓は毎回苦戦しながら、すべてのライバルに勝ち続ける。ドカベン山田が入部して以来無敗。常勝明訓、王者明訓と呼ばれ、作中ではいつ負けるのか、いやもう最後まで負けないでしょ、というのが読者の興味を引っ張る要素になっている。

その明訓がついに負けたのがこの試合。

岩手の弁慶高校は、ここまで全試合を1-0で勝ってきた不気味なチーム。エースは普通に本格派の義経光。主砲は左手に神通力が宿るという武蔵坊数馬。名前とか能力がアレだが、そのへんは漫画なので。

試合前日、テレビのインタビューで義経が明日の明訓戦について訊かれ、第一球はどまん中のストレートを投げると予告する。

翌日。明訓のオーダーが発表されて超満員の甲子園球場がどよめく。1番キャッチャー山田、4番サード岩鬼。

本来の1番打者、岩鬼はストライクを打てない(という設定)。なのでど真ん中のストレートは打てない。山田は球種とコースが分かっていれば絶対にホームランを打てる。まず山田のソロで先制する。というのが土井垣監督の作戦だった。山田は期待に応えてプレーボールホームラン。明訓先制。

しかし第二打席、山田は敬遠気味に歩かされる。出塁した山田を2番殿馬がバントで送る。山田は鈍足なので二塁でアウトにできそうなのだが、あえてしない。3番山岡に打たれても山田の足なら本塁生還はないからだ。先頭の走者が山田だと各駅停車で1ベースずつしか攻撃が進まない。

走者が溜まったところで4番は岩鬼。ストライクを打てない岩鬼は、失投をホームランするか、ストライクがボールに見えるように自分を騙すなどして打つかの打者だが、義経はきちんと三振に討ち取っていく。

岩鬼が突破口を開き、殿馬が繋いで山田が返す。この明訓の攻撃パターンが崩された。返す男(山田)が返る男になり、返る男(岩鬼)が返す男になってしまった。義経の予告投球は、打順変更を誘う罠だったのだ。

明訓が追加点を奪えないまま回は進み、7回裏。無死一塁で武蔵坊を敬遠。外角高めに外したボール球を強引にレフトスタンドへ流し打ち。弁慶高校逆転。2-1。

9回表の明訓の攻撃は8番から。いつもなら絶望的な打順だが、今日に限って1番は山田だ。二人凡退しても山田に回る! 山田は期待に応え、ライトスタンド上段へ特大の同点ソロ。

9回裏。一死から義経が出て打者武蔵坊。強烈なセカンドライナーで殿馬のクラブが弾かれて安打に。一死一二塁で5番打者安宅がセンターに抜けるかという二遊間の当たり。これを殿馬が好捕してショート石毛にグラブトス。4-6-3のダブルプレーで延長戦突入かと思われたが!

石毛の送球が走ってきた一塁走者武蔵坊の顔面を直撃。その間に二塁走者義経が三塁を蹴って本塁に向かう。殿馬の素早いバックホーム。三塁側に少しそれたが、タイミングは完全にアウト。しかし、義経はタッチに行く山田の頭上を飛び越えてホームイン。弁慶高校サヨナラ勝ち!

眉間から血を流して仁王立ちする武蔵坊が弁慶の立ち往生を、山田を飛び越えた義経の大ジャンプで八艘飛びを表現してたりするのがマンガっぽいのだが、そこまで非現実的ではないというか、全くありえないプレーでもない。

かなり後に、テレビ中継のゲストで来ていた明訓の前監督・徳川が、明訓にとって最強のライバルは、やはり唯一の黒星を付けた弁慶高校かと訊かれ、「そうは思わんわい」と答えている。一番手強かったというわけでもない相手に、一瞬の隙を突かれて一回負けるところが、現実的だなあと思う。

水島新司は、凡退させるつもりでも、スイングが上手く描けたらホームランに変更したりしたらしい。ドカベンという作品が、予想外の展開になったり予定調和的にならないリアルさは、そのへんから来ているのかもしれない。

とはいえ、確実に一点先制されるわけで、なかなかリスキーな作戦でもある


この前の打者・里中が出塁していれば…(ど真ん中を見逃し三振)

走り高跳びの選手なら、これくらいは飛び越えられるのではないかと

衝撃の敗戦の瞬間

明訓が負けるという激レアシーン



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