今日、ニコンから新しいデジタル一眼レフ「Df」が発表された。以前からティザー広告で思わせぶりに予告されていた機種で、「往年の銀塩一眼レフを思わせるデザイン」が特徴。
母方の祖父、父、叔父、従兄弟がニコンユーザーの僕は、血統的にも筋金入りのニコン信者である。幼少時からニコンで撮影され、父のニコンF2をおもちゃにして遊び、自分ではニコンFAとニコンF3を愛機として写真を撮ってきた。購入した写真機材は、カシオの初代エクシリム以外すべてニコン。
そういう僕なので、Dfには興味津々。ニコンD70がガタきていることもあって、値段によっては欲しいかも、と思っていた。消費税が上がる前で嫁さんの大物購入欲が旺盛な時期でもあるし。
というわけで、Dfの感想。まだ発売前なので触ったことがある訳もなく、公式Webなどネットで仕入れた情報のみの感想。
○垂直のロゴ
ニコンはF一桁で言えばF4のときからペンタ部のロゴを斜体にしたが、僕はこれが大嫌い。もう慣れてしまったが、一眼レフのペンタ部は垂直字の方が収まりがいい。Dfを企画した後藤室長は、FM3Aのときに「もう永遠に斜めです」みたいなことを言ってたが、いい意味で裏切ってくれた。今からでも遅くないので、現行モデルは全部垂直字にしてもらいたい。以前僕はF4とF5に垂直ロゴをコラージュした画像を作ったことがあるが、違和感なかったので、今のモデルもたぶん大丈夫。
○Ai連動爪
うちのニッコールレンズはAi方式のマニュアルレンズばかりなので、これはありがたい。うちのD70でもAiニッコールで撮影できるが、露出計が動かないので非常に面倒くさいのだ。非Aiレンズは全部売ってしまったので、爪が可倒式なのは特にメリットなし。だが、ハードオフのジャンクコーナーとかでボロボロの非Aiレンズを105円で買ってきて遊ぶ、なんてのは楽しそうだ。酷い写りだと思うが、トイデジカメだと思えば、それもまた面白い。
○露出補正ダイヤルとISO感度ダイヤル
ダイヤル式だと電源を入れなくてもセットできる。あらかじめ次はマイナス2/3段とか決めておいて、その場に来たら電源オン。すぐ撮れる。僕はCOOLPIX P7000でこれをやってるが、ダイヤルじゃない普通のデジカメだと電源を入れないと設定値が分からない。それが分かるのがダイヤルの良い所。僕は絞り優先で撮ることが多いので、シャッタースピードダイヤルはそんなに恩恵がない。
○ニコンD4と同じ1600万画素CMOS
同じフルサイズでもD800の3600万画素や、D610の2400万画素より1600万画素の方が1画素当たりの入光量が多くて暗所に強い。ISO20万なんて、フィルム時代には考えられなかった増感である。暗闇でも写せそう。ダイナミックレンジも広そうだし、ファイルサイズが小さくて扱いやすい。僕は1600万で十分である。
○日本製
軍艦部左肩に、これみよがしに「MADE IN JAPAN」の刻印がある。キヤノンがフラッグシップ以外にも国内工場製のカメラを出してるので、ほとんどがタイ製や中国製のニコン勢としては悲しかった。
×278000円
高すぎる。D800Eとどちらか迷う。しかし、Dfはスペック的にはD610+α。デジタルカメラとしてはD800E、D610のほうが使い勝手はいいわけで、Df買うならD800Eだなあ、それともD610にしてレンズ一本買うかなあ、と迷う人がいま世界中にたくさんいると思う。
×静止画に特化
いまどき動画撮影ができない。マイクや動画撮影用ボタンなどを省いて静止画に集中させるためだそうだが、ライブビューができるんだから、ハードウェア的には動画を撮れるはず。ちょちょっとプログラムを追加して、録画開始ボタンはシャッターボタンということにして、動画モードはメニューから入ることにして、おまけでいいから付けて欲しかった。こういうオールドスタイルのカメラで動画は雰囲気的にもハマると思うんだけど。
ニコンは昔、8ミリカメラを開発して売れずに失敗したりしてる。なにげに動画に憧れているメーカーである。後藤さんは第二弾があるみたいなことを言ってるので、次は動画機能入ると思う。
×絞り値窓がない
Ai方式のレンズの絞りリングには、目で見て合わせる絞り値の数字の他に、ファインダー内で見るための小さな絞り値が刻印されている。それをファインダー内に導くための覗き窓がDfにはないので、せっかく絞りリングを回して絞り値をぐりぐりいじっても、絞り値は見えないのだ……と書いてきて思ったのだが、Ai連動爪で入力された絞り値はデジタル表示に出るのかな? 出るなら問題ないです。
ちなみに絞り値窓の横の半透明の部品は、暗い所で読み取り用絞り値を照らす&ファインダー内液晶バックライトのランプ。
△金属に文字を刻印
ダイヤルは金属の削り出しで、数字や目盛りは刻印で、塗料を流し込んでるらしい。そういうマテリアルとしてのこだわりは大好きだけど、それでコストが跳ね上がってるのでは? DfがリスペクトしているであろうニコンF3は、露出補正ダイヤルなどプラスチックの部品が意外にたくさんあるのだよ。シャッタースピードダイヤルの文字も、金属の薄い板を貼って、それにプリントしてあるだけだし(写真)。刻印されてるのなんて、NikonロゴとF3ロゴ、MADE IN JAPAN表記くらいですよ。実は。
F3のNikonロゴ。これはさすがに刻印で、丁寧に塗料を流し込んでいる。
徹底的に作り込まないと、今こういうのを出す意義がないのは分かるんだけど、省けるところは省いて20万円以下にしてほしかったな。ていうか、今の値段では買えません…。
・・・・・
測光は中央部重点だけ。
P・Sモードを省いてAとMだけ。
ホワイトバランスはオートをなくして手動のみ。
AFは中央の1点だけ。
これで8万円は削れるだろう。特にAFモジュールと測光素子の簡素化は大幅にコストダウンのはず。次はこの手で安いモデルを作って欲しい。
・・・・・
ちなみに、掲載したニコンF3の各部のドアップ写真は、ニコンD70にAiマイクロニッコール55mm F2.8S(MF)をつけて撮った。
母方の祖父、父、叔父、従兄弟がニコンユーザーの僕は、血統的にも筋金入りのニコン信者である。幼少時からニコンで撮影され、父のニコンF2をおもちゃにして遊び、自分ではニコンFAとニコンF3を愛機として写真を撮ってきた。購入した写真機材は、カシオの初代エクシリム以外すべてニコン。
そういう僕なので、Dfには興味津々。ニコンD70がガタきていることもあって、値段によっては欲しいかも、と思っていた。消費税が上がる前で嫁さんの大物購入欲が旺盛な時期でもあるし。
というわけで、Dfの感想。まだ発売前なので触ったことがある訳もなく、公式Webなどネットで仕入れた情報のみの感想。
○垂直のロゴ
ニコンはF一桁で言えばF4のときからペンタ部のロゴを斜体にしたが、僕はこれが大嫌い。もう慣れてしまったが、一眼レフのペンタ部は垂直字の方が収まりがいい。Dfを企画した後藤室長は、FM3Aのときに「もう永遠に斜めです」みたいなことを言ってたが、いい意味で裏切ってくれた。今からでも遅くないので、現行モデルは全部垂直字にしてもらいたい。以前僕はF4とF5に垂直ロゴをコラージュした画像を作ったことがあるが、違和感なかったので、今のモデルもたぶん大丈夫。
○Ai連動爪
うちのニッコールレンズはAi方式のマニュアルレンズばかりなので、これはありがたい。うちのD70でもAiニッコールで撮影できるが、露出計が動かないので非常に面倒くさいのだ。非Aiレンズは全部売ってしまったので、爪が可倒式なのは特にメリットなし。だが、ハードオフのジャンクコーナーとかでボロボロの非Aiレンズを105円で買ってきて遊ぶ、なんてのは楽しそうだ。酷い写りだと思うが、トイデジカメだと思えば、それもまた面白い。
○露出補正ダイヤルとISO感度ダイヤル
ダイヤル式だと電源を入れなくてもセットできる。あらかじめ次はマイナス2/3段とか決めておいて、その場に来たら電源オン。すぐ撮れる。僕はCOOLPIX P7000でこれをやってるが、ダイヤルじゃない普通のデジカメだと電源を入れないと設定値が分からない。それが分かるのがダイヤルの良い所。僕は絞り優先で撮ることが多いので、シャッタースピードダイヤルはそんなに恩恵がない。
○ニコンD4と同じ1600万画素CMOS
同じフルサイズでもD800の3600万画素や、D610の2400万画素より1600万画素の方が1画素当たりの入光量が多くて暗所に強い。ISO20万なんて、フィルム時代には考えられなかった増感である。暗闇でも写せそう。ダイナミックレンジも広そうだし、ファイルサイズが小さくて扱いやすい。僕は1600万で十分である。
○日本製
軍艦部左肩に、これみよがしに「MADE IN JAPAN」の刻印がある。キヤノンがフラッグシップ以外にも国内工場製のカメラを出してるので、ほとんどがタイ製や中国製のニコン勢としては悲しかった。
×278000円
高すぎる。D800Eとどちらか迷う。しかし、Dfはスペック的にはD610+α。デジタルカメラとしてはD800E、D610のほうが使い勝手はいいわけで、Df買うならD800Eだなあ、それともD610にしてレンズ一本買うかなあ、と迷う人がいま世界中にたくさんいると思う。
×静止画に特化
いまどき動画撮影ができない。マイクや動画撮影用ボタンなどを省いて静止画に集中させるためだそうだが、ライブビューができるんだから、ハードウェア的には動画を撮れるはず。ちょちょっとプログラムを追加して、録画開始ボタンはシャッターボタンということにして、動画モードはメニューから入ることにして、おまけでいいから付けて欲しかった。こういうオールドスタイルのカメラで動画は雰囲気的にもハマると思うんだけど。
ニコンは昔、8ミリカメラを開発して売れずに失敗したりしてる。なにげに動画に憧れているメーカーである。後藤さんは第二弾があるみたいなことを言ってるので、次は動画機能入ると思う。
×絞り値窓がない
Ai方式のレンズの絞りリングには、目で見て合わせる絞り値の数字の他に、ファインダー内で見るための小さな絞り値が刻印されている。それをファインダー内に導くための覗き窓がDfにはないので、せっかく絞りリングを回して絞り値をぐりぐりいじっても、絞り値は見えないのだ……と書いてきて思ったのだが、Ai連動爪で入力された絞り値はデジタル表示に出るのかな? 出るなら問題ないです。
ちなみに絞り値窓の横の半透明の部品は、暗い所で読み取り用絞り値を照らす&ファインダー内液晶バックライトのランプ。
△金属に文字を刻印
ダイヤルは金属の削り出しで、数字や目盛りは刻印で、塗料を流し込んでるらしい。そういうマテリアルとしてのこだわりは大好きだけど、それでコストが跳ね上がってるのでは? DfがリスペクトしているであろうニコンF3は、露出補正ダイヤルなどプラスチックの部品が意外にたくさんあるのだよ。シャッタースピードダイヤルの文字も、金属の薄い板を貼って、それにプリントしてあるだけだし(写真)。刻印されてるのなんて、NikonロゴとF3ロゴ、MADE IN JAPAN表記くらいですよ。実は。
F3のNikonロゴ。これはさすがに刻印で、丁寧に塗料を流し込んでいる。
徹底的に作り込まないと、今こういうのを出す意義がないのは分かるんだけど、省けるところは省いて20万円以下にしてほしかったな。ていうか、今の値段では買えません…。
・・・・・
測光は中央部重点だけ。
P・Sモードを省いてAとMだけ。
ホワイトバランスはオートをなくして手動のみ。
AFは中央の1点だけ。
これで8万円は削れるだろう。特にAFモジュールと測光素子の簡素化は大幅にコストダウンのはず。次はこの手で安いモデルを作って欲しい。
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ちなみに、掲載したニコンF3の各部のドアップ写真は、ニコンD70にAiマイクロニッコール55mm F2.8S(MF)をつけて撮った。