ここ数年、プロ野球界隈で「2番最強打者論」みたいなのが語られている。最強打者は4番、主砲は4番という考えは間違いで、統計学的サイバーメトリクス的には2番に置くのが正しい、的な理論である。スポーツを数学的に考えるアメリカから始まったのだと思うが、ニューヨーク・ヤンキースのデレク・ジーターが2番で活躍したあたりから日本でも知られるようになった。
「2番打者には強打者を… よく聞く説の根拠とは?」(Full-Count)
だが、2番最強打者論には保守的な評論家(江本孟紀とか)や保守的なファンからは懐疑的な意見も聞かれている。僕も「初回以外でも2番だと打席に入った時に走者が溜まっていないだろう」「なんか主砲が2番だと軽い」というイメージを持っている。
しかし、今年のジャイアンツは坂本勇人を2番に置いて現在首位独走中である。結果が出ている。
確かに3番丸、4番坂本、5番岡本より2番坂本、3番丸、4番岡本の方が収まりがいい気はする。ていうか怖い。
うーむ。
というわけで、パワプロ(Vita版2018)のマイライフでスワローズの最強打者をやっている自分を使って「2番最強打者論」について検証してみた。例によって曖昧かつ適当な感想を述べるだけなんだが、一応数字も出す。具体的には、今やっている2025年シーズンの途中から10試合、自分が2番に入ってみてプレイし、実際に2番に置かれた最強打者がどう考えるかを身をもって体験してみる。4番だったシーズン前半と、2番だった10試合の数字も何となく比較する。
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検証直前、2025年前半スワローズの典型的オーダー。開幕から1番に村上君が座るという攻撃的なオーダーであるが、2025年の村上君は少し調子が悪い。昨年までは3番だった山田哲人が5番に回り、5番だったイベント新外人ミゲルが3番に上がっている。
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検証前のチーム内打撃ランクの重要と思われる部分。
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検証前(2025/6/28)の順位表。ぶっちぎりで首位。この時点でチームは11連勝していた。
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検証前のチーム打撃成績。
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僕のスペック。自分の打席だけでなく、前後の打者のときも相手投手の能力を下げる「威圧感」が今回重要かも。
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2025年でもしぶとく指揮を執る小川監督に2番への配置転換を直訴。自分以外の打順は頼めない。試合中の采配ももちろんそうだが、マイライフは自分の行動以外は監督任せである。
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その日、ナゴヤドームでの中日戦のスタメン。1つずつ打順が上がり、同期の盟友・奥居紀明が5番に座った。
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とりあえず検証最初の試合は猛打爆発で12連勝を飾った。
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神宮に移動しても順調に連勝を伸ばしたが…
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二死二塁、ニ走村上君という今回の検証での典型的なシーン。
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結果。その5回裏は僕がタイムリーを放って同点に追いついたが、ドラゴンズのリリーフ陣にかわされてなかなか追加点を奪えず、僕とは関係ないところでサヨナラ勝ち。ミゲル、山田が序盤に出塁しているので、その後ろに自分がいたら、と思わないでもない。
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僕自身はまずまず好調。検証期間終盤に35号を放ってベンチで祝福を受ける。
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で、検証後の打点・得点圏周辺の成績。
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検証後の順位表。10試合で8勝2敗。連勝は18で止まってしまったのだが、マジック43が点灯しているw
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検証後のチーム打撃成績。
で、2番を打つ最強打者としての感想は…
意外にチャンスで回ってくる
村上君が1番タイプではないので、無走者で回ってくるんじゃないかなあと思っていたのだが、案外チャンスで打席が回ってきた。二塁走者が投手、一塁走者が村上君のときは、足の遅い投手を還すには俺みたいな長打力がいるなあ、と思ったりした。
狙うかどうか迷う
僕は一応主砲なので、二死無走者だと「強振」にしてホームランを狙う。2番だと一死無走者での打席が多く、出塁重視でいくか、ホームランを狙うか迷って結局軽打したことが何度かあった。ミート重視ができない最強打者だと二番は務まらないかも。
誰が俺を還すのか
出塁率が高く、二塁打が多い自分を誰がホームに還してくれるのだろうと塁上で漠然と思った。鈍足のスラッガーならともかく僕は走力Sなので、ワンヒットで生還できる。今までは「無走者から4番藍間二塁打、5番山田二塁打で1点」の速攻がスワローズの武器だったのだが、それがなくなった。
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↑二死なので、シングルヒットでも、三走の村上君はもちろん僕も生還できる。だが、後述するようにミゲルの得点圏は…。Full-Countの記事では、4番に回る時は得点率が低い二死が多いとあったが、実際には二死は得点しやすい。打者が打った瞬間スタートを切れるから。
数字的な検証
検証前のチーム総得点は74試合で358点だった。1試合平均4.83点だ。検証期間の10試合で58点取ってるので、得点力の数字だけ見ると2番最強打者の効果はある。
個人の成績の検証前・検証後も見てみよう。
藍間
打点69→86(+17)1試合平均0.93→1.7
得点圏打数81→88(+7)1試合平均1.09→0.7
得点圏安打36→40(+4)1試合平均0.49→0.4
ミゲル
打点55→62(+7)1試合平均0.74→0.7
得点圏打数72→83(+9)1試合平均0.97→0.9
得点圏安打19→20(+1)1試合平均0.26→0.1
山田
打点67→73(+6)1試合平均0.91→0.6
得点圏打数88→95(+7)1試合平均1.19→0.7
得点圏安打40→43(+3)1試合平均0.54→0.3
奥居
打点33→38(+5)1試合平均0.45→0.5
得点圏打数89→101(+12)1試合平均1.20→1.2
得点圏安打23→27(+5)1試合平均0.31→0.5
目につくのは僕の得点圏打数。2番に入ることで減っている。なんと、10試合で7回しかチャンスで回ってきてない。おかしいなあ。
それなのに打点は大幅に増えている。連勝中で緊張感があり、打席で集中できていたからかも。得点圏打数が減ってるのに打点が増えてるのは、走者村上くんのみ一塁においての長打ではないかと。村上くん足速いから還ってくるし。
あと、ミゲルの得点圏打率ね。1/9だぞ。全く打ててない。僕がいくら二塁打を打っても得点になっていない。が、彼は検証期間に4ホーマーを放っているので、チームの得点数増加には貢献している。
奥居が6番でも得点圏打数が多かったのには驚いた。山田も二塁打が多く、盗塁も多いからだろう。その山田をきっちり返せているとは言いがたい。期間中は5/12なのでまあまあだが。
結論?
実は検証後も少し2番に居座ってみたら、大量得点の試合が続いた。やっぱり、下位打線が出塁して上位に回ってくるときの回転力みたいなのは、僕が2番にいることで、かなり上がっているように感じる。
パワプロには前年活躍したクリーンナップの三人がクリーンナップに入ると、三人の調子が1段階上がるという仕様がある。僕が2番なことで、その効果は発動しなくなったわけだが、得点力は落ちてない。二番最強打者論は、それなりに効果があるかもしれないと言わざるを得ない。
まあ、そろそろ監督に電話して戻してもらう(お任せにする)けどね。