もうこの症例の患者さんも5年以上前に成りました。
ご覧のように、上顎の小臼歯が割れて駄目になった部位に、35N超えている力の強さで初期固定を得て植立していて、インプラント周囲に骨造成と歯茎再生処置をしながら、綺麗な仮歯を仕上げて装着するまでの連続写真です。
ここで大事なポイントは3つあります。
①抜歯後の病巣除去を徹底的にする。
このように割れてしまった歯根は、その前から既にヒビが入り、歯根沿いに病原菌が骨とか歯茎とかに侵入している危険性が高いので、それを徹底的に取らないといけません。
DRによっては、原因となる歯根を取ってしまって、その周囲の病巣取れば、それでOKと言うエビデンスを信じておられますが、私はそれに反対しています。
これは全くエビデンス的なこととそぐわないことに成りますが、実感として、10倍のライト付き拡大鏡で病巣を追究すると、骨の中の骨孔を通じて広がって行っている、と考えています。
これは体験していただかないと分からない話ですので、骨孔沿いに病巣追っ掛けて追究されることを強くお勧めします。
②インプラント植立は強く捻じ込む力35N以上の強さで植立すること。
次に大事なことは、綺麗になった骨だけに成ったら、その残っている骨だけでしっかりと堅く骨に留められている植立をするようにしないといけません。
良く骨が圧力掛け過ぎると壊死してしまうのではないか?と危惧為される方がおられますが、それにも私は反対しております。
骨細胞が圧迫壊死する、と言う可能性は、個人的にはかなり低いだろう、と考えています。
何故なら、これも個人的経験ですが、100N以上掛けないと折れない、と言う危惧を私は手術時に折ったことがあります。
しかし、それでも、インプラントは何事もなく生着しました。
なので、力掛け過ぎて圧迫壊死する、と言うのはまずないだろう、と信じています。
但し、これには重要なコツがあり、必ず形成したインプラントホール内から出血しているのを確認すること、が大事です。
これは決して忘れないで下さい。
③インプラント周囲には十分な厚み持たせて骨造成GBR,歯茎再生するように治す。
インプラントが長持ちするには、十分な厚みを持った健康な生体組織が必要です。
それは、骨と歯茎、のことです。
今回の症例の患者さんの場合にも、実は頬側に骨がありませんでした。
なので、写真を良く見ていただきたいのですが、外側にかなり膨らんでいる状態で骨を詰めて幅を増やしているのが見ていただけると思います。
これもとても重要なことで、抜歯してただインプラントを植立するだけだと、支える生体組織である骨と歯茎は相当に痩せてしまうんです。
そうなると、当然インプラントの予後は不安になります。
それを最初から想定して予防策を張るのが、この骨造成GBR、歯茎再生術なのです。
で、又私の説なのですが、この時に出来るだけ膨らませて、隣の歯茎よりも出っ張っている状態にまでする、と言うのが大事です。
これをしないと、後で歯茎移植CTG等の難しい、患者さんにとって痛い手術をしなければならなくなります。
ところが、最初から計画的にインプラント手術時に増やして置けばそんな辛いこと強いなくても良い、と言うのが私の主張です。
以上、3つのことが非常に重要なことで、その他にも色々と大切なこと、概念、考え方、論理、細かな手技等々あるのですが、今日は最も大切な3つに絞って書かせていただきました。
ここから派生して色々として行くと、複雑を極め、何度もの手術をしなければいけなくなると言う従来の常識、を超えている1回限りで終わらせる手術、が出来るようになります。
新しい時代が来ているんです。
親知らずの抜歯でも新しい時代は来ています。
下顎の親知らず抜歯して、インプラント即時荷重手術まで一緒にして、翌日でも何ともないお顔の状態、が出来る時代なんです。
写真がその証拠です。
本当の本物の治療求めて、遠方から来て下さる患者さんも沢山います。
イギリス、アメリカ、ハワイ、東南アジア、青森、沖縄、九州、大阪等々、沢山沢山来られました。
本当の新しい時代の手術、インプラント治療、1日で蘇る治療、を受けたい方が来て下さっています。
真剣にお悩みの方はお問い合わせ下さい。