これだけの大きなお口全体を一気に改造する手術を、この患者さんは受けて下さいました。
手術受けると、怪我した時と同じで24時間から48時間後位までが腫れ上がってしまうものです。
なので、患者さんが本当に大変なのは翌日翌々日なのです。
そして、それが一般的には1週間から2週間で元に戻る、と言うのが生体の反応なんです。
私もそう言うモノだ、と13、4年前までは諦観しており、その中で出来る限りのことをするしかない、と考えていました。
しかし、2003年に恩師ラム先生の元に直接尋ねて行き、薫陶を賜り、その後続け様に何度も何度も伺い、低侵襲外科手術の神髄を教えていただきました。
そこからどれだけ出来るのか?と必死で追究し続け、3年前ぐらいから、恒常的に腫れない、痛がられない、辛くて寝込んだりさせることもない、仕事を休んだり、学校休んだりしないで日常生活を普通に送れる、そんな予後を患者さんに提供出来るようになりました。
これは全く新次元の超低侵襲手術である、と高らかに宣言を致します。
たかが1~2週間じゃないか、と言うお考えで良い方々には無理強いするつもりは毛頭ありません。
でも、現実に、下顎の親知らずの抜歯手術でトラウマになって、その後の手術はどんな場合でも絶対に拒否、と言う患者さんもいるんです。
骨がないから骨造るGBR手術しましょう、歯茎足りないから移植する手術しましょう、で余りにも辛くて、その先のインプラント手術拒否、と言う患者さんもいるんです。
手術する側の歯科医は、難しい手術成功させられると、何か自分が偉くなったような気がして、自尊心を満足させられるのかも知れませんが(かつての私もそうでしたから)、手術される患者さん側は堪ったものじゃありません。
超低侵襲手術出来るようになった今だから分かることは、やはり患者さんには辛い経験をさせてはいけない、と言うことです。
私はその点に絶対の自信がありますから、今日の実例の患者さんのように2日連続手術を提案することも出来るのです。
超低侵襲なので、腫れたり痛がらせたりしない自信があるからこそです。
手が早く綺麗に動く、天才肌の先生なら2日なんて要らないで1日で遣って退けるのかも知れませんが、でも多分48時間経てば多少なりとも腫れる状態にしてしまう、と思います。
私が今目指しているのは、本当に変化のない、変わらない、生体が傷受けたのさえ気が付かないレベル、だからこそ治癒が凄く早く、綺麗に治せるレベルの手術、です。
その為に、早い先生の半分のスピードしかないのかもと思っていますし、それでも仕方がない、その代わり腫らさないし痛がらせない、と決めています。
これが”俺の流儀”です。
かつて我流、と蔑まれてしまったこともありますが、私を蔑んだ先生これを見て如何感じますか?
外科に自信があるあるDRから、詳しい事情も知らないで、馬鹿者呼ばわりされたこともありましたが、これを見てこれ以上の成果を出せますか?
申し訳ないのですが、私はそう言うのは決して忘れないし、それを更なるバネにして成長するタイプ、ですから。
私は、一生涯究極の外科手術を追究し続ける者、です。
遂に誰も及ばぬ所にまで来てしまいましたので、この先は自分独り切り開いて参ります。
私の前に道はない、私の後ろに道が出来る、です。
終生修行、武蔵の言う鍛錬の道、です。