聴覚障害者が災害発生時に被災地に赴き、被災者を手助けしたり、手話通訳者と連携したりして、
ボランティア活動の場を広げている。 同じ障害者らの「力になれる」との思いがある一方、支
援活動への参加を断られることも。 専門家は障害者が参加しやすい環境を整えるためにも、平
時から関係者間での話し合いが必要だと指摘する。
「大丈夫ですか」。2017年の九州北部の豪雨。福岡県聴覚
障害者協力会のボランティアが避難所を訪れ、視覚障害がある
被災者に手話で語りかけた。これに対し被災者は手話で「避難
所にいても情報が入ってこない。普通の生活に戻りたい」と不
安を訴えた。同協会の“太田事務局長”は「直接出向き、話すだ
けでも力になれると気づいた」と振り返る。18年の西日本豪
雨では広島県ろうあ連盟がボランティアセンターを立ち上げた。
4年前の14年に広島市で土砂災害が発生した際は、被災者と
の意思疎通に不安があり団体としての活動を見送ったため「今
度こそ」という思いがあった。
連盟職員だった"横村さん"らがSNSでボランティアを募集。聴覚障害者を中心に他県からも参
加者が集まり、約3カ月間で延べ約380人を送り出した。
被災地では聴覚障害者約20人と数人の手話通訳者のグル-プをつくり、住宅の片付けに当たっ
た。 聴覚障害者と分かると戸惑う人もいたが、何度も顔を合わせるうちに打ち解けた。
「手話を教えてほしい」と声をかけられることも増えたという。
一方、聴覚障害がネックとなりボランティア活動に参加できなかったケースも出ているそうだ。
ある県の聴覚障害者団体は自治体に活動参加を打診すると、「どう対応すればいいのか分から
ない」と断られたそうだ。
災害時のボランティア活動の多くは社会福祉協議会(社協)が調
整を担っている。 西日本にある社協の担当者は障害者や障害
者団体から申し出があった場合「可能な範囲で仕事を割り振る」
としながらも、「実績がなく、災害現場ですぐに対応できるか
は分からない」と話している。 横村さんは「障害があるから
できないと思わずに、どういう方法なら可能なのか聞いてほし
い。障害があっても力になりたいという気持ちは同じ」という。
災害ボランティアに詳しい同志社大学の“立木教授(福祉防災学)”
は「平時から関係者で話し合い、災害時にコミュニケーション
を取るための準備を進める必要がある」と指摘している。
西日本豪雨で被災した住宅の清掃などを コミュニケーションを阻まないための環境整備はあらゆる障害
する聴覚障害者団体のボランティアの皆さん に共通する課題とし、「まずは当事者が参加したいと声を上げ
ることが、解決につながる一歩となる」と話しています。
同じ立場だからこそ「力になれる」。 これこそ我々が学ぶべきことではないでしょうか。
ボランティア活動の場を広げている。 同じ障害者らの「力になれる」との思いがある一方、支
援活動への参加を断られることも。 専門家は障害者が参加しやすい環境を整えるためにも、平
時から関係者間での話し合いが必要だと指摘する。
「大丈夫ですか」。2017年の九州北部の豪雨。福岡県聴覚
障害者協力会のボランティアが避難所を訪れ、視覚障害がある
被災者に手話で語りかけた。これに対し被災者は手話で「避難
所にいても情報が入ってこない。普通の生活に戻りたい」と不
安を訴えた。同協会の“太田事務局長”は「直接出向き、話すだ
けでも力になれると気づいた」と振り返る。18年の西日本豪
雨では広島県ろうあ連盟がボランティアセンターを立ち上げた。
4年前の14年に広島市で土砂災害が発生した際は、被災者と
の意思疎通に不安があり団体としての活動を見送ったため「今
度こそ」という思いがあった。
連盟職員だった"横村さん"らがSNSでボランティアを募集。聴覚障害者を中心に他県からも参
加者が集まり、約3カ月間で延べ約380人を送り出した。
被災地では聴覚障害者約20人と数人の手話通訳者のグル-プをつくり、住宅の片付けに当たっ
た。 聴覚障害者と分かると戸惑う人もいたが、何度も顔を合わせるうちに打ち解けた。
「手話を教えてほしい」と声をかけられることも増えたという。
一方、聴覚障害がネックとなりボランティア活動に参加できなかったケースも出ているそうだ。
ある県の聴覚障害者団体は自治体に活動参加を打診すると、「どう対応すればいいのか分から
ない」と断られたそうだ。
災害時のボランティア活動の多くは社会福祉協議会(社協)が調
整を担っている。 西日本にある社協の担当者は障害者や障害
者団体から申し出があった場合「可能な範囲で仕事を割り振る」
としながらも、「実績がなく、災害現場ですぐに対応できるか
は分からない」と話している。 横村さんは「障害があるから
できないと思わずに、どういう方法なら可能なのか聞いてほし
い。障害があっても力になりたいという気持ちは同じ」という。
災害ボランティアに詳しい同志社大学の“立木教授(福祉防災学)”
は「平時から関係者で話し合い、災害時にコミュニケーション
を取るための準備を進める必要がある」と指摘している。
西日本豪雨で被災した住宅の清掃などを コミュニケーションを阻まないための環境整備はあらゆる障害
する聴覚障害者団体のボランティアの皆さん に共通する課題とし、「まずは当事者が参加したいと声を上げ
ることが、解決につながる一歩となる」と話しています。
同じ立場だからこそ「力になれる」。 これこそ我々が学ぶべきことではないでしょうか。