心臓病や糖尿病など全身の疾病に関わるとされる歯周病。 最近ではアルツハイマー型
認知症に関与するという研究も報告されたそうだ。
誘発される仕組みを知り、丁寧な歯磨きを習慣にするなどして、入念に予防したい。
進行した歯周病にかかっている人が増加傾向にあるという。 実態を厚生労働省の20
16年歯科疾患実態調査によると歯周病になったことを示す、歯と歯肉の間の溝とな
る「歯周ポケット(4㍉㍍以上)」がある人が前回調査(11年)より全世帯で増えた。
特にシニア世代の増加が目立ったそうだ。
日本歯科大学生命歯学部(東京・千代田)の”沼部教授”は「高齢者の場合、8020運動
の成果で歯が残っている人が増えたため」と説明している。
8020運動とは、「80歳の時点で自分の歯を20本以上保つ」ことを目的にした
日本歯科医師会の啓発活動。 歯は残っていても歯周病にかかっている人は多い。
歯周病は、歯と歯肉の隙間に細菌が繁殖し、炎症を起こす疾患です。 重症になると
歯を支える骨が解けて歯が失われる。 口腔内の症状だけでなく、肺炎、脳血管疾
患、心疾患、糖尿病など様々な病気と関係することも分かってきたそうだ。
歯周病菌や歯肉で生じた炎症
物質が血管を介して全身を巡
ると、その過程で身体の様々
な部位に影響を与え病気を誘
発する。 最近では認知症と
の関連を示す研究も報告され
始めているという。
認知症は原因や症状でいくつ
かに分類されるが、歯周病の
関与が指摘されているのは患
者数が最も多いアルツハイマ
ー型認知症だという。 この
疾患は「アミロイドβたんぱ
く質」が脳内に蓄積すること
で脳の神経細胞が損傷し、記
憶や思考、行動に障害が表れ
る。
厚生労働省の調査によると11年に約36万人だった患者数が17年には約56万人に
なり、超高齢社会の影響を受け患者数が増加している。
19年には、「アルツハイマー型認知症患者の脳内に歯周病原因菌の一種ポルフィロモ
ナス・ジンジバリス菌を確認した」という研究論文が英国で発表された。 歯周病の
原因菌がアルツハイマー型認知症に関与することは他の研究でも示唆されている。
「脳には病原菌が侵入するのを防ぐ機能があるが、脳周囲に達した炎症物質が、その機
能を低下させる」と沼部教授は説明している。 歯周病原因菌とそれに伴う炎症物質
によって脳内でアミロイドβたんぱく質が増え、脳神経が損傷する。 炎症物質は他の
病気でも生じるが、歯周病もアルツハイマー型認知症に関与すると想定されている。
地域連携型の認知症疾患医療センター、あしかりクリニック(東京・中野)の”芦刈院長”
は「認知症患者の口腔内は不健康な状態になっていることが多く、歯周病の割合も
高い」と指摘している。
認知症予防につながる食材には、魚介類、豆類、ナッツ類など、しっかりかまないと
栄養が吸収できないものが多い。歯周病になると、こうした食材が食べにくくなる。
芦刈院長は、「歯の健康を保つことは認知症の予防につながる」と助言している。
歯周病対策は丁寧なブラッシングを心がける。 歯ブラシは握りしめず、ペンを持つ
ようにする。 必要以上の力がかからず炎症予防の効果がある。 「磨き始めは歯
ブラシに何もつけずに磨き、舌先で歯の表面の感じをたしかめるとよい」(沼部教授)。
歯磨き粉はその後に使う。 歯茎から出血するなら歯周病を疑い歯科医院でチェッ
クを受ける。 歯周病の治療は軽症なら蓄積した歯垢と歯石を除去する。 重症の
場合は手術を行うようになる。
歯周病は予防ができる疾患だといわれています。 丁寧な歯磨きを習慣づけることが
認知症に関与するという研究も報告されたそうだ。
誘発される仕組みを知り、丁寧な歯磨きを習慣にするなどして、入念に予防したい。
進行した歯周病にかかっている人が増加傾向にあるという。 実態を厚生労働省の20
16年歯科疾患実態調査によると歯周病になったことを示す、歯と歯肉の間の溝とな
る「歯周ポケット(4㍉㍍以上)」がある人が前回調査(11年)より全世帯で増えた。
特にシニア世代の増加が目立ったそうだ。
日本歯科大学生命歯学部(東京・千代田)の”沼部教授”は「高齢者の場合、8020運動
の成果で歯が残っている人が増えたため」と説明している。
8020運動とは、「80歳の時点で自分の歯を20本以上保つ」ことを目的にした
日本歯科医師会の啓発活動。 歯は残っていても歯周病にかかっている人は多い。
歯周病は、歯と歯肉の隙間に細菌が繁殖し、炎症を起こす疾患です。 重症になると
歯を支える骨が解けて歯が失われる。 口腔内の症状だけでなく、肺炎、脳血管疾
患、心疾患、糖尿病など様々な病気と関係することも分かってきたそうだ。
歯周病菌や歯肉で生じた炎症
物質が血管を介して全身を巡
ると、その過程で身体の様々
な部位に影響を与え病気を誘
発する。 最近では認知症と
の関連を示す研究も報告され
始めているという。
認知症は原因や症状でいくつ
かに分類されるが、歯周病の
関与が指摘されているのは患
者数が最も多いアルツハイマ
ー型認知症だという。 この
疾患は「アミロイドβたんぱ
く質」が脳内に蓄積すること
で脳の神経細胞が損傷し、記
憶や思考、行動に障害が表れ
る。
厚生労働省の調査によると11年に約36万人だった患者数が17年には約56万人に
なり、超高齢社会の影響を受け患者数が増加している。
19年には、「アルツハイマー型認知症患者の脳内に歯周病原因菌の一種ポルフィロモ
ナス・ジンジバリス菌を確認した」という研究論文が英国で発表された。 歯周病の
原因菌がアルツハイマー型認知症に関与することは他の研究でも示唆されている。
「脳には病原菌が侵入するのを防ぐ機能があるが、脳周囲に達した炎症物質が、その機
能を低下させる」と沼部教授は説明している。 歯周病原因菌とそれに伴う炎症物質
によって脳内でアミロイドβたんぱく質が増え、脳神経が損傷する。 炎症物質は他の
病気でも生じるが、歯周病もアルツハイマー型認知症に関与すると想定されている。
地域連携型の認知症疾患医療センター、あしかりクリニック(東京・中野)の”芦刈院長”
は「認知症患者の口腔内は不健康な状態になっていることが多く、歯周病の割合も
高い」と指摘している。
認知症予防につながる食材には、魚介類、豆類、ナッツ類など、しっかりかまないと
栄養が吸収できないものが多い。歯周病になると、こうした食材が食べにくくなる。
芦刈院長は、「歯の健康を保つことは認知症の予防につながる」と助言している。
歯周病対策は丁寧なブラッシングを心がける。 歯ブラシは握りしめず、ペンを持つ
ようにする。 必要以上の力がかからず炎症予防の効果がある。 「磨き始めは歯
ブラシに何もつけずに磨き、舌先で歯の表面の感じをたしかめるとよい」(沼部教授)。
歯磨き粉はその後に使う。 歯茎から出血するなら歯周病を疑い歯科医院でチェッ
クを受ける。 歯周病の治療は軽症なら蓄積した歯垢と歯石を除去する。 重症の
場合は手術を行うようになる。
歯周病は予防ができる疾患だといわれています。 丁寧な歯磨きを習慣づけることが
認知症の予防になることを忘れないようにしたいものです。