ちょい不良ゴーシュの豪酒録

何年やってもビギナーチェリストの日記

禿山の一夜

2011年02月10日 21時03分41秒 | のむOK
2月5日(土)19時から,のむOKの練習.
2月27日(日)の定期演奏会まで1ケ月をきった.
この日の練習は,チャイコフスキーの「くるみ割り人形」とムソルグスキーの「禿山の一夜」.

「禿山の一夜」はムソルグスキー原典版と天才リムスキー・コルサコフの編曲版を,のむOKのマエストロが組合わせた特別バージョン.
夏至の夜の前夜に不思議な出来事が起こる,というヨーロッパの言い伝えが,この曲のバックボーン.
原典版の不気味な荒々しさに加えて,リムスキー版の華麗な管弦楽法をあわせもった構成.

曲の冒頭からマエストロの「激」が飛んだ.
「チェロのピチカートは,もっと激しく!!!!」

ここは,地底の暗闇.
そこから闇の精達が,夏至の夜に騒ぎながら出てくる.


特別バージョンでは,この場面の音楽は,次のように書かれている.
バイオリンの速い三連譜にのって,チェロが弦を荒々しくはじく.



指がちぎれて,弦が切れるくらい.
華麗なリムスキー版では,こんな激しいピチカートは書かれていないッス.

闇の神チェルノボクが登場する.
この場面は,こうだ.
金管楽器の爆音が炸裂し,全ての弦楽器が気が狂ったように激しくトリルをかぶせる.
ザワザワごわごわした雰囲気がトリルによって増幅される.
リムスキー版ではこのトリルはない.
八分音符が整然と並んでいる.

また,擦弦楽器であるバイオリンやチェロは,通常弓に張った毛で弦を擦って音を出す.
でも,弓の毛ではなく,棒の部分で弦をたたく特殊な奏法がある(col legno).
カタカタ,コトコト,コツコツという音になる.
これはまるで,骸骨の骨と骨がぶつかりあうような音だ.
禿山の一夜にも,このcol legnoで弾く場面がある.
とても神秘的で不思議な響き.
まるで骸骨が踊り狂い,闇の神を賛美しているように聴こえる.
怖いですねぇ~,不気味ですねぇ~.

特別バージョンの最大の聴き所は,ラストの盛り上がり.
リムスキー版では,村の教会の鐘が鳴り,闇の精たちは消え去り,夜が明けることになっている.
(これは編曲者リムスキーのアイディアではなく,実は作曲者ムソルグスキー本人のアイディアであったらしい.)

一方,こまフィル・バージョンでは夜は明けません.
全楽器がスケールで登ったり下ったり・・・.
これが大音量で延々と続きます.
闇の精や悪魔たちの宴会は,終わることを知りません.
飲めや歌えの大騒ぎが,徹夜で続くような雰囲気デス.

う~む,まるで,どこかのアマオケの打ち上げの飲み会のような勢いデス?
宴会は,夜を徹して続くのデス.


♪小松シティーフィルハーモニック第12回定期演奏会♪

日時:2011年2月27日(日)14時開演
場所:こまつ芸術劇場うらら
曲目:
ムソルグスキー「禿山の一夜」
チャイコフスキー「くるみ割り人形」より抜粋
リムスキー・コルサコフ「交響組曲・シェエラザード」

指揮:野村幸夫
バイオリン:坂口真紀

入場料:800円







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