The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2000 サッシカイヤ テヌータ・サン・グイード

2018-01-19 22:38:45 | ワイン
盛岡に戻ったのが1981年。
数年たってワインに染まり始めた頃、セピア色のあの場所でこんなのがあるのですよ!と、知る人ぞ知るムッシュ・Kに差し出されたのが『サッシカイヤ』だった。
記憶もだいぶ薄れてきたけれど、確か1982年ものだったと思う。
そんなヤリトリがあれば、そりゃあ抜け出せなくなるよね、ワインにどっぷり嵌ってしまうのも分るよね。

その当時、サッシカイヤを素晴らしく思ったのは、そのイタリアらしからぬ味わいに寄るものだと思う。
どうしても当時のイタリアワインは派手目の味わいで、バランスよりも濃い味わいに重きを置かれているものが多かったのだ。
その中で、サッシカイヤは誰の目にも異彩を放っているように見えた。



それは濃密さの中に複雑性を内包するエキスがある。
加えて果実を堅牢に支える引き締まった酸味があるのだ。

そんなことを思い出しながら、昨日久しぶりにサッシカイヤをご相伴に預かった。
ヴィンテージは2000年、オフではあるけれど、それだけに期待できた。

僅かにエッジはマホガニーに染まり、芯は濃密なガーネットに輝いている。
カベルネの鼻をくすぐるスパイス感とタールのニュアンスが心地良し。
そこに焙煎珈琲がアクセントを付与し、探せば鰹出汁をも見つけられるのだ。
言うなれば和のテーストさえ感じうる滋養系カベルネ・ソーヴィニヨンというのかな。
そうそう正しくこれはラフィットのカベルネじゃん!(笑)
ああ、言っちゃった。

熟成期間は18年、これだけ練れてメタモしたサッシカイヤを飲む機会はそうはないのだろう。
まずは出展者の珈琲店主氏にありがとうと言わねばなるまい。