The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1993 クロ・ド・ヴージョ メゾン・ジャン・フィリップ・マルシャン

2017-02-24 22:42:24 | ワイン
ジャン・フィリップ・マルシャンのメゾン物のヴィンテージは1993年だ。
忘れもしない今から20数年前、ここの『1992 モレ・サン・ドニ クロ・デ・ゾルム』を抱えながら、まるで道場破りのような風情で登場した若武者が今のタケちゃんなのだ。
そのときもメゾンのジャン・フィリップだったと思うが、こざっぱりとは造ってあるものの、モレのテロワを投影するオートクチュールの気配はあった。
有名ドメーヌ一色に染まっていた、時のワイン・ヒートの集団はそれをどう見たのかは、今となっては分からない。



で、今回のクロ・ヴージョは何処の区画であるかは定かではないが、濃密に果実は充実しており、やや野趣のある香りで、造りはクラシックそのもの。
ジャン・フィリップは今やドメーヌ物についてはリュット・レゾネで畑を耕作し、自然派のブルゴーニュとして名を馳せているけれど、さてメゾンはどうなのだろうか?
93年物をこのように造る造り手はそうそう居ないと思う。
それはあたかもモノリスの塔のようでもあり、その構築においては基礎を充分に吟味しているかのように堅牢だ。
そして香気は黒系に染まり、湿った土、焙煎珈琲、黒胡椒、カシス、ブラックベリーが立ち上がる。

まずもってジャン・フィリップ・マルシャンは、手ごろにブルゴーニュの醍醐味を楽しむのであれば、一つ抑えておくべき造り手の一人になるのだろう。