The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1976 バロン・ド・L ドゥ・ラドーセット

2017-02-02 22:40:32 | ワイン
ヒルズのあのお店での、娘の式前の家族の晩餐に、このワインが登場した。
この格別のプイィ・フュメの登場には、正直オドロキを禁じえなかった。

というのも、このワインはワタクシにとってのロワール地区のワインのレジェンドであり、それに加えて、その当時でも飲み得なかった1976年ものが、さり気無く登場したからなのだ。



思い出してみると、これだけワインという飲みものに耽溺し始めたのが1981年。
その当時、ボルドーやブルゴーニュのそれなりのモノは頻繁に貪り飲んだけれど、ロワールは?となれば、ほぼ手付かずジョウタイだった。
そんな中、その未知の領域であるロワールの凄いのがあると、とある御仁に紹介されて、この『バロン・ド・L』を恐る恐る飲んでみた事を憶えている。
スパイシーで、薫香溢れる、ブルシャルとも違う、唯一無二のこの香気に触れて、アル意味オドロキもしたが、その時はまるでカタログでも眺めるかのように、このワインをそれ以降飲もうとする機会を持つことは無かった。
あれから35年が経過し、熟成し、高原をひた走る『バロン・ド・L』にここで出会うとは・・・

それは完熟した洋ナシ、マルメロを連想させ、そこにハチミツの刺しが入り、唇にはハーヴの戻り香が佇むのだ。
そしてオレンジのピールに白い花、さらにはソチコチに漂う土の香りはシャトー・ド・ノゼの大地の香りに違いない。

それを三重の荒海に巣くう大鯛を、塩釜で焼いて供された『コジト』さんのメインにマリアージュしたことは、説明するだけ野暮!





おそらくこの事どもは、家族で共有できる最高の思い出になったと思う。

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