The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2000 シャトー・ド・ヴァランドロー アクセル サンテミリオン・グラン・クリュ

2017-10-26 21:27:01 | ワイン
まさかこのタイミングで、このワインをご相伴に預かるとは思わなかった。
ボルドーにとってのスーパー・ヴィンテージの2000年であることもさることながら、その年だけに造られた『アクセル』というキュベであった事にも驚かされた。
『アクセル』はテュニュヴァン氏の孫娘の名前で、2500本という限定生産であったとのこと。
ものの本によれば、かの洞爺湖サミットにも供されたとのことだ。



そしてこのキュベのみのセパージュは、メルロ25%、カベルネ・ソ-ヴィニヨン25%、カベルネ・フラン25%、マルベック25%であるという。
従って一般的な『シャトー・ド・ヴァランドロー』のメルロ中70%の物よりは、僅かに熟成が遅く、17年の熟成期間を経た今でさえ寡黙で閉じているようだ。
それでもグラスでステアーをして30分ほど待つと、粋な主流ボルドーの森林浴の恩恵に浴する事が出来るのだ。

果実はスタイリッシュでシリアス、そしてその佇まいには知的に神秘性をも持ち合わせている。
もちろんあと5年の熟成はあればとも思うけれど、このワインの贅肉の一切無い、無駄な物を削ぎ落としたかのような緻密性を味わうのなら今。
高原部から下り坂に差し掛かった、淫らな熟成のこのワインは飲みたくは無いとも思う。

『アクセル』、世界に2500分の1、昨夜ありえないワイン会で・・・
ありがとう!