裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

世界のつくり/宇宙編・11

2023年03月24日 07時27分22秒 | 世界のつくり

11・観測問題って

こうして、できたての宇宙空間に「つぶとしても解釈可能な波」が満ちることになったわけだ。
満ちる、と書いたけど、実際には宇宙空間にはなにもない。
あるんだかないんだか、わからない。
なにしろ、すべては波なんだから。
そしてその波はまだ、つぶに変身させてもらってないんだから。
ただ、宇宙空間全域に波が満ち、沸き立って、出現と消失を繰り返してることは確かなようだ。
ビッグバンの際に放たれた超高エネルギーの光と熱は、宇宙がふくらむにつれて弱く、暗く、か細く薄まり、やがて心細い波長のマイクロ波の背景放射となって・・・要するに宇宙空間を文字通りに満たす舞台背景となって、あまねくゆき渡る。
そんな中に、物質の種とも言うべき陽子が、電子が、ニュートリノが散りばめられた。
これらはみんな、波動関数に従い、位置を持たないで確率だけで存在してる。
要するに、数値だけを与えられた状態で、われわれ人類の目には見えない波として展開してる。
・・・いや、今のレトリックは、永遠のジレンマを含んでる。
なぜなら、波は「われわれ人類の目に見えた瞬間に」つぶに変身するのだから。
逆説すれば、波は「何者かに見てもらえない限り、永遠に波のまま」の姿でいる。
量子のこの観測問題は、卵が先かニワトリが先か、という問い以上に奥深い謎を持つ。
観測が先か?物質が先か?
すべては生まれた。
が、その問題を解決しないことには、いかなる実在も生まれられない。

つづく

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園


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