裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

イチロー

2009年09月07日 23時27分40秒 | Weblog
イチローを嫌いなひとは、たぶん「生意気」とか、「ナルシスト」ってところで嫌悪感を感じてるんでしょう。
が、果たしてプレイヤーにとって、そんな些末な要素が価値に影響するものでしょうか?
太宰治や川端康成がどれだけ奇妙なひとだったかという点を勘案して、作品を軽んじるようなもの。
そのパフォーマンスのすばらしさは、人間性や、いわば人付き合いというものとはまったく切り離して考えるべきものです。
「人格者」として尊敬される松井は、メジャーで変節してぼくらをがっかりさせたわけだけれど、果たしてイチローがぼくらをがっかりさせたことがかつて一度でもあったか?と言いたいのです。
でもあるな、たまに本数稼ぐためとしか思えないバントヒットとか・・・
だけどそれをきちんとやってのけて数字にのっけるというところが人間離れしてて、ぼくらはぐうの音も出せないわけです。
さて、冒頭の「生意気」とか「ナルシスト」の件ですが、彼のインタビューを聞いてると、その批判が的を射てないことがわかります。
生意気やナルシストというのは、「当人の勘違い」の産物です。
イチローは、少しも勘違いしてない。
彼は感性が特殊なだけで、そして尋常ならざる境地に実際に到達してしまってるので、ぼくらにその立場の意味が理解できないだけなのです。
ぼくら凡百の人間には、もちろん理解などしようもありません。
なぜなら彼は、古今東西この世に存在した人類の中で、最も野球がうまい人物なのだから。
「最もうまい」という点に納得できないなら、「最高の記録を残し」「最高の記憶を残した」人物と言いかえることもできます。
それはすなわち、「唯我独尊」を口にしても誰にも文句を言わせない高みに存在してる、ということです。
伝説として今後100年語り継がれるお方様。
だから、あのインタビューはしょうがないの。
あきらめてください。
ところで、ぼくの好きなイチローの言葉に、「引退するのは、腹の出たとき」というのがあるんですが、これもすごい思想です。
本当に、本当に、イチローはほんっとーに、変人なのですよ。
そして、そのついでに、大天才なのです。
だから、しょうがないのです。
あきらめて、見守りましょう。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園