MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『自分はバカかもしれないと思ったときに読む本 』

2013年06月29日 | BOOKS
 バカを作り出しているのは大人であるという真実。かなしいけれど、本当だなぁと思いながら読みました。

『自分はバカかもしれないと思ったときに読む本』竹内 薫 著  河出書房新社


 きっと、自分のことをバカだと思いこんでいる子は、この本を手に取ることさえしないかもしれません。既に自分をあきらめてしまっているから……。
 でも、周りの人が、とくに親・教員がこの本を読んで手を差し伸べてあげることはできるのじゃないかと思います。

 自分は、できない子を「バカ」と決めつける大人になっていないか?
 子どもに関わる全ての大人が自問自答してほしいと思います。


 私も、小学校中学年まで「自分はバカだ」思ってました。
 「バカじゃない」と言ってくれる先生との出会いが、私を勉強好きに変えてくれました。

 知識を得る楽しさって、もっと多くの人が楽しめるもののはず。
 それを次世代にちゃんと伝えられないこと、子どもたちの可能性を大人の思い込みで狭めているようなことがあったら、本当にもったいないですね。

 まずは、大人が一読!
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『エール! 1』

2013年06月27日 | BOOKS
 お仕事小説アンソロジーというコンセプトのオール書き下ろし。
 読んでいると、「私も頑張ろう」と思える「働く女子応援小説」になってます。

『エール! 1』 実業之日本社文庫

 6話とも、「なるほど、元気をもらえそうなお仕事小説!」という作家さんたちの作品です。

 著者は、
大崎梢 
平山瑞穂 
青井夏海
小路幸也 
碧野圭
近藤史恵 

 「働くことは楽しいことばかりじゃないけど、頑張れるささやかな幸せがある」ということを教えてくれます。
就活や進学に悩んでいる女の子たちに読んでもらいたいな。

 今年(2013年)の4月には第2弾が発売されてます。こちらも楽しみな作者さんたち。

 『エール! 2』 実業之日本社文庫

 単行本でなく、文庫での企画というところも魅力的ですね。
 どこでも、ひょいっと取り出して元気をもらえたら、嬉しいですものね。
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家族の診察券整理に、リヒトラブの「カードホルダー」

2013年06月23日 | いろいろ
 便利なものを見つけました。
 株式会社リヒトラブの、LIHITLAB ポイントカードホルダー 40枚 A5013

 家族全員の診察券を入れるのに使っているけれど、これが便利!
 開いたときにカードを探しやすくて、しかも落ちたりしないのが有難い。

 診察券を出す時は子供のケガや発熱などで慌てているときも多いので、ストレスを感じずに診察券を探せるのが助かります!
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『たまさか人形堂物語』『たまさか人形堂それから』

2013年06月18日 | BOOKS
 シリーズ第2弾の紹介文句に惹かれて、2冊合わせて読みました。

『たまさか人形堂物語』 津原 泰水・著  文藝春秋
『たまさか人形堂それから』 津原 泰水・著  文藝春秋
『たまさか人形堂』文庫版もあります。)

 私は人形にどこか怖さを感じてしまうのですけれど、この本の中では人形は「愛すべき存在」であると思います。
いろいろな種類の人形が出てきて、またその人形と人との結びつきも様々で、「人形の修理」という大きな共通点はあるとはいえ、なんて多種多様。
 人の心が必要としているものは何なのか、ちょっと考えてしまいました。

 人形修理を扱う人形店・玉阪堂の女店主が主人公。
 彼女の周りには、なぜか才能ある不思議な男たちが次第に集まって、人形とともにやってくる小さな謎を一緒に解き明かし、もどかしいぐらいにゆっくりとゆっくりと心を通わせていきます。
 第2弾では、新しいキャラクターも現れ心も揺れつつ、でも少しずつ自分のコトも仲間のことも分かっていく時間の流れが嬉しいです。
 第1弾で心残りだった小田巻姫も、第2弾で再び登場。章の終わりでは、くすりと笑わずにはいられない一言が。

 彼らがどうなるのか。続編が欲しいような、このまま脳内妄想での完結で落ち着かせたいと思ったり。
でも、続きが出たら、きっときっと読みたいなぁ。


 ところで。第2弾のカバーイラストは、第1弾の文庫版と同じ方が担当されているのですね。単行本の方では、1と2でイメージがガラッと変わったので驚きました。こういうことってあるんですね。
 第1弾の表紙の柔らかい感じが好きだったので、ちょっと残念です。


 
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『ふたつめの庭』

2013年06月15日 | BOOKS
 子ども好き・本好き・絵本好きな人なら、「うんうん」「なるほど」と思いながら読み進めるでしょう。
 我が家の本棚にもある大好きな絵本が何冊も登場して、ちょっと嬉しい1冊でした。

『ふたつめの庭』大崎梢 新潮社

 絵本と絵を書くのが好きな保育士さんが主人公。(保母さんって、もう言わないのですよね

 悪意のある出来事が起こるわけではない、子どもと保護者と保育士の日常の中にある小さな謎を解き明かしつつ、人の心が離れたり近づいたりするゆるやかな恋の物語でもあります。

 私はやっぱり、主人公ではないけれど、園の保護者のママさんたちが気になりました。
 子どもが保育園・幼稚園世代よりも上の女性だったら、母ゴコロも女ゴコロも、自分も同じ園に通わせている保護者のように感じるのじゃないかと思います。
 どこの園にもいる、母親であり女の人。
 可愛くて、強くて、淋しくて、怖いところもある、それが女性ですものねぇ。

 それにしても。「家庭」って「家」と「庭」なんだなぁ……と初めて気が付いたような気がします。

 表紙は湘南モノレール。裏表紙が江の島で、ちょっと素敵。
 登場人物には日常なのだけど、まるで旅のようで。
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『ちいさなおはなしやさんのおはなし』

2013年06月12日 | BOOKS
 『ちいさなおはなしやさんのおはなし』
竹下文子 作/こがしわかおり 絵  小峰書店


 絵も可愛い、お話も可愛い。
 そして、出てくる登場人物のつながりも、本当に愛おしくなるような可愛いお話です。


 難しい話ばかりでなくて、こんな「あぁ、つながってるんだな」と思える、あたたかい物語「おはなし」を読むことが、生きていくのに大事なのかもしれないですね。
 きっと、おはなしやさんのお店の「おはなし」が本当にあったら、たくさんの大人たちが仕事帰りに買いに行くんじゃないかしら。
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父の日を前に 『ミラクル・ファミリー』

2013年06月10日 | BOOKS
 ファンタジーなのだけど、本当に「お父さん」という人たち、そして家族が愛おしくなる、そんな1冊です。

  『ミラクル・ファミリー』 柏葉幸子 講談社文庫


 文庫版のページ数は172ページ(解説含む)。
薄い1冊なので、本当にあっという間に読めるのだけど、長い時間じっくりじんわり心が温かくなります。
 ファンタジーなのに、本当にありそうな、ちょっと信じたくなるような「柏葉ミラクル」とでもいいましょうか。
お話の最後に、ふわっと読者を微笑ませてしまうトコロは、よくできた古典落語のようです。

 ふと父が語りだす物語は、不思議で、優しくて、「愛」がある。
 そして、子どもたちが父を愛していることも行間から伝わってくる。
けっして、今どきのオシャレな「イクメン」ではありません。
 ちょっと格好悪かったり、不器用なお父さんばかり。でも、お父さんってそれでいいと思うんです。
他人から称賛されるよりも、もっと大事なことは家庭の中にあるんですから。
 (私は、家の外で他の人に評価される「イクメン」よりも、「母」である私を家の中で笑顔にしてくれる旦那様のほうが嬉しいのですけれど、ほかの「母」たちはいかがでしょう?)

 
 思春期を超えたあたりの若者から大人まで「あぁ、お父さんっていいなぁ」と思えるような、父の日前におススメの1冊です。
 今年の父の日は、6月16日日曜日。
ちょっとお父さんに電話でもしませんか?
 
 
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レンジで 「ジューンベリージャム」(レシピ)

2013年06月08日 | 料理&美味しいもの
 電子レンジで作る簡単なジューンベリージャムの作り方です。
 電子レンジで作るジャムは、本当に簡単。作り方と言っても、要するに「砂糖を混ぜる+レンジする」だけ。
お子さんと一緒のクッキングにぴったりです。
 ジューンベリーは種が硬くて多いのですが、ひと手間かけて種を濾したら、本当に美しいジャムになりました。(上の写真)
 もちろん、実がそのままごろごろ入っているジャムも果実感たっぷりでよいものです。お好みでどうぞ。
<粒入りジューンベリージャム>
 赤い色がキレイなので、うちの子は「レッドベリージャム」とよんでいます。

 理想的なジューンベリーの収穫は、色が紫になってから。実についている軸というか果梗(かこう ※)の部分から実がぽろりと取れるぐらいになったら甘く熟しています。でも、完熟の実は非常に柔らかいので、収穫時に汁が服に飛んだりするので気を付けて!
 ※果柄(かへい)ともいいます。このサクランボの絵では、緑色の部分です。
 完熟とまではいかなくても、色が濃くなってくると甘くなります。つまんで味見してみるといいですね。
「1週間前の若い実」    「完熟の実」
 完熟した実は、まるでブルーベリーみたいですよね。でも、この色まで熟すまでに小鳥に食べられちゃうことの方が多いのです。狙われやすい木には、防鳥ネットが必要かもしれませんね。
<追記 2016.05.29.>カメムシが完熟の実の果汁を吸い取ってしまうことも! みんな美味しいものを よく知ってます。


 ジャムを電子レンジで作るときのポイントの一つが、深めの耐熱容器を使うこと。
 果実と砂糖を入れて、容器の半分ぐらいの高さまでのほうが、飛び散ったりしないので良いと思います。
(加熱中は、けっこうブクブクいうのです
 私は、iwakiの「ニューボウル 3.3リットル」を使ってみました。
 (直径23センチ×高さ11センチの耐熱ガラス製ボウルです。電子レンジもオーブンも使えます!)

ジューンベリーの種について
 ジューンベリーの種は、ブルーベリーの種に比べて大きくて硬いです。米粒よりは小さいですけど、胡麻より大きくて硬いので、少し口当たりが悪くなります。
 生で一つ食べてみて「この種が入っていると、ちょっと食べづらいかも」と思われた方は、もうひと手間かけて、種を取り除く作業をするといいかもしれません。(詳しくは下記レシピ参照のこと)
 我が家の家族は「実も種も入っていてOK」なのですが、今回は裏ごしして種無しジャムも作ってみました。作ってみたら、とっても綺麗なジャムができて大満足。年配の方にも喜んでもらえると思います。


■レンジで作るジューンベリージャム■

<材料>
・ジューンベリー 500グラム
・砂糖  200~300グラム
 (お好みで加減してください。砂糖が多い方が長期保存できます)
・レモン汁  大さじ2
・オリーブオイル 4~5滴
 (なくてもよい。私も何のために入れるかは分からないのですけれど、昔読んだレシピで入れていたので……)

<作り方>
(1)ジューンベリーは、洗って水気をきり、果梗(軸)を取り除き、深さのある耐熱容器に入れる。
  ※必ず、「電子レンジ使用可」の耐熱容器を使ってください!

(2)耐熱容器に、砂糖・レモン汁・オリーブオイルを加えて、砂糖が少し溶けるぐらいに混ぜる。

「砂糖などを混ぜたところ」(加熱前)

(3)ラップをかけないで、電子レンジ800ワットで7~9分間加熱して、灰汁(アク)をとる。
  ※耐熱容器も熱くなるので注意!
  ※500ワットや600ワットの電子レンジでは、加熱時間を長くしてください。(9~13分ぐらいです。)

「1回目の加熱後・灰汁をとる前」


(3’)<もうひと手間>
 灰汁をとったものを冷まして、ミキサーで実が崩れるまで混ぜ、「裏ごし」や目の細かいざるで濾し、種を取り除く。

※ミキサーするときは、量を入れすぎないように。あまり入れすぎると、ミキサーが止まってしまいます。少量ずつ(容器の半分ぐらい?)入れて、「フラッシュ・スイッチ」機能で様子を見ながら混ぜてください。
※ミキサーの耐熱温度に注意。我が家のミキサーは「40度以下」でした。
ミキサーして濾して……ペーストになりました!
種を漉すのに、お味噌汁のときに使う「みそ漉し」を使ったら、とっても楽でした。(2017.06.07.追記)

(4)ラップをかけないで、再び電子レンジ800ワットで5~7分間加熱。少しとろみがついたぐらいで、出来上がり。とろみがつかない場合は、1分ずつ加熱を追加してください。
※500ワットや600ワットの電子レンジでは、7分~10分ぐらい。様子を見て加熱してください。

冷めると、さらにとろみが出て固くなるので、あまり加熱しすぎないこと。
 濾したものは、とろみが早くつきました。つぶした皮や果肉のおかげかな?
 ジューンベリー500グラムが、種を濾したら400mlほどのジャムになりました。
 ヨーグルトなどによく合います。(これは、果実の粒入りのもの)
 これは、甘さ控えめのレアチーズケーキに。

<おまけ>
 もっとしっかり「とろみ」をつけたい方は、製菓コーナーで「ペクチン」を買ってきて混ぜるといいです。(使用方法は箱に書いてあります!)
 「ペクチン」は、りんごやかんきつ類などの果物由来の天然成分で、ジャムなどにとろみをつけてくれます。ジャム作りが盛んなのか、ドイツではペクチン入りの砂糖が売っていました。便利ですね。


<参考サイト>
アヲハタ 「手作りジャム入門」
 瓶への詰め方・保存など、非常に参考になります。お鍋で作るジャムの基本的な作り方も。

<関連リンク 2020.06.10.>
レンジで「桑の実ジャム」 - MOONIE'S TEA ROOM

<関連記事 2016.05.29.>
ジューンベリーとカメムシ - MOONIE'S TEA ROOM
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ピルで肝斑(かんぱん)?

2013年06月05日 | いろいろ
 「婦人科治療の低用量ピルが、肝斑(かんぱん)というシミのきっかけになる」と、皮膚科の先生から聞いてビックリ。
PMS治療のために数年飲み続けていますが、手元にある薬の説明書には書いていなかったので驚きました。

 手荒れの診察のついでに、「目じりの下に、ちょっとシミができてきたんですけれど」と相談したら、
「あぁ、肝斑(かんぱん)ですね」と先生。
 妊娠やピルの服用など、女性ホルモンのバランスが変わったりするとできやすいシミなのだそうです。
(「妊娠するとシミができやすい」って、そういうことだったんですね!
 ピルだけが原因になるわけではないのですが、「たぶん、原因はピルの服用じゃないかなぁ」という診断でした。
たしかに、ぼんやりとシミができ始めたのはピルを飲み始めてから……。
「いよいよシミのできる年齢なのかな」と思っていたのですが、肝斑は30代から40代にできやすいシミなんだそうです。高齢になると、別のシミが増える一方で肝斑は薄くなったり消えたりするんだとか。

 ピルの副作用でシミができるのは困る……、でも体調維持のためには飲み続けたい。
 と、いうことで、皮膚科では「トラネキサム酸」の錠剤を処方してもらいました。
 トラネキサム酸は、肝斑に効くお薬ということで、市販薬も発売されているようです。
そして、「ビタミンC」は肝斑にも有効なので、服用を続けることにしました。こちらもお願いすれば皮膚科でも処方していただけるようです。(私は、市販のビタミンCサプリを摂っているということで、今回は処方していただきませんでした。)
ピルの種類や体質によっては、ビタミンCとピルの飲み合わせで体調を崩すケースが報告されているようです。薬剤師さんや婦人科の先生に相談してからの服用をおススメします。

 あと、大事なのは紫外線対策。肝斑は紫外線で悪化することがあるので、日焼け止めなどをしっかり塗って、帽子もかぶってお出かけしたほうがいいそうです。

 薬の効果があるといいなぁと思いつつ、「薬を飲んでまでシミ対策をする必要があるのかな?」とも思ったり。
あまり治療に期待しすぎす、日常生活でできることを続けて、シミは加齢の一つとして受け入れていくことも大事なのかもしれません。


<『ピルによる肝斑』対策>
・紫外線対策を万全に!
・「トラネキサム酸」の薬を皮膚科で相談して処方してもらう。
・サプリメントなどで、「ビタミンC」を摂取する。※上記部分参照のこと
・洗顔時など、皮膚をこすりすぎない。
・よい食事と睡眠をとる。
または、
・婦人科の先生と相談して、ピルをやめる。別のピルや漢方薬に替える。
という選択肢もあります。これは、体調次第ですね。
皮膚科を受診するときは、「すっぴん」で!お化粧をしていると、症状が分からないということです。
私は色のつかない、透明の日焼け止めだけ塗っていきました。

<参考リンク>
かんぱん専門サイト「かんぱんInfomation」第一三共ヘルスケア
かんぱんの薬「トランシーノ」のメーカー・第一三共ヘルスケアの肝斑(かんぱん)情報サイトです。
肝斑のことがよく分かります。
 特に、「3分でわかるかんぱん」は分かりやすいです!
 
コメント (2)
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『りんご畑の特別列車』

2013年06月04日 | BOOKS
『りんご畑の特別列車』
著者: 柏葉幸子
画家: ひらいたかこ
講談社


 今は「青い鳥文庫」に入っている、『りんご畑の特別列車』。
 1989年に出版された物語ですが、さすが柏葉幸子さんのファンタジー。
最後までワクワク・ドキドキしながら読める、素敵な物語です。

 りんご畑を通る列車で高校に通学していた私は、このタイトルもお気に入り。
私は不思議な世界へは行けなかったですけれど、この本を読むと私の通っていた沿線のりんご畑を思い出します。

 そうそう。ユキが訪れる世界の名前「メルクリウス」。
どこかで聞いたことのある響きだと思ったらローマ神話の商業の神様、英語だと「マーキュリー」です。
ギリシャ神話ではヘルメスにあたります。(仏語だと「エルメス」ですね)
 
 「ジェード」や「ニクシ―」も、読んだ後に調べてみると「ほほうっ」ってなりますよ。
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読みました! 『チャーメインと魔法の家』(「ハウルの動く城」第3巻)

2013年06月02日 | BOOKS
 面白かった!
 購入して、もうすでに何度も初めに戻って読んでいます。
これからもきっと何度も何度も読み返さずにはいられなくて、そして毎回読むたびに発見がありそうなダイアナ・ウィン・ジョーンズならではの作品でした。

『ハウルの動く城3 チャーメインと魔法の家』
徳間書店
作 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
訳 市田泉


 もちろん、ソフィーもハウルも、二人の子どものモーガンも出てきます。
 設定は、第2巻の『アブダラと空飛ぶ絨毯』から2年後ぐらいのようです。

 主人公は、とにかく 「お上品 respectable」になるように育てられた、読書以外は何もできない女の子・チャーメイン。
 「respectable」には「社会的にちゃんとした・尊敬すべき・立派な・地位の高い」という意味もあるのですが、「respectableになるように育てられたのに身の回りの家事も何にもできない」というところが、なんとも皮肉的なのです。(日本の受験生も同じかも
 お父さんはパン屋さん(= baker)で、苗字もそのまま「Baker ベイカー」というところなんて、ソフィーが帽子屋(= hatter)で「Hatter ハッタ―」だったのと、同じですね。
「チャーメイン Charmain」の名前の「charm」は、「魅惑する・呪文・魔除け」という意味があるので、いかにも魔法とかかわりができそうな名前!

 今回の物語の舞台は、「ハイ(高地)・ノーランド」という山岳地帯の王国。第2巻にも登場した高齢のお姫様の国です。
 ソフィーが暮らしているインガリーは、ウェールズ(イギリス)と結びつきがあるように描かれていましたが、今回の「ハイ・ノーランド」は、出てくる言葉やキャラクターから、ドイツと結びつきがあるように感じました。魔法のドアは、ドイツにもつながってるんじゃないかしら。おじさんの部屋にある「魔法の書 Das Zauberbuch(ダス ツァウバーブーフ)」もドイツ語ですし。
(本の中では「ブッフ」とフリガナがありましたが、「ブーフ」かなぁと思います)
「High Norland」という地名も、「High German(高地ドイツ)」を思い起こさせます。
 主人公たちを困らせる「Kobold コボルト」もドイツ語。人を手伝うこともあるけれど、悪さもする小さな妖精です。独英辞典には「goblin」とあります。『ハリー・ポッター』シリーズのグリンゴッツの「子鬼」ですね。
「ラボック lubbock」「ラボキン lubbockin」も、語尾「-in」がついて変化させるところがちょっとドイツ語っぽい感じ。(ドイツ語では「-in」がつくと、名詞が女性形になります)「ラボキン」は女性だけではないですけれど、女性が産みますものね。


 今回も2作目までと同様に、一度読んだだけではちょっと難解かもしれません。
 これから読む方や、「1回読んだけど難しかった」という方に、3つのポイントをご紹介。
   (1)「Palimpsest パリンプセストの書」
   (2)「Waif 宿なし」
   (3)「Twinkle キラキラ」

(1)の「パリンプセストの書」ですが、書いてあったものを消して再度新しいことを記録した古文書(再録羊皮紙)のことを「Palimpsest」といいます。詳しく書いてしまうとネタバレになってしまうので控えますが、チャーメインと一緒に出てくる箇所は細部まで要チェックです。
(2)は「宿なし」。原書では「Waif」と呼ばれています。「waif」を英英辞典で見てみると、「a small thin person, usually a child, who looks as if they do not have enough to eat (小さくてやせっぽちな人、普通は子どもを指し、まるで十分に食事ができていないように見える)」という意味が載っているので、「宿なし」よりも「みなしご・浮浪児」という感じでしょうか?
 とにもかくにもチャーメイン同様に、やせっぽちなのによく食べるというところがチェックポイントの一つです。
(3)「キラキラ」。これは1巻と2巻を読んでいる方なら、登場シーンから笑わずにいられないのでは。
原書では「Twinkle」と呼ばれています。 
「Twinkle, twinkle, little star(=「きらきら星」)」をつい口ずさんでしまいました。
 舌足らずの英語はさぞかし翻訳が大変だったでしょうね。
キラキラのやることはしっかりちゃんと子どもらしいことですが、一つ一つがちゃんと意味あることなので、お見逃しなく!

 もちろん主人公チャーメインも問題解決に大きな貢献をするのですが、1・2巻同様に最後を仕切るのはやっぱり、あのコンビ・魔法使いハウルと火の悪魔カルシファー。
 ハウルもすごいけど、シリーズ通してカルシファーの活躍が大きいと思います。

 そうそう。カバーの色は空色でしたね!栞紐(スピン)も空色。
 屋根の上のキラキラ(Twinkle)が着ている服の色ですね。
 佐竹美保さんのカバーイラストが、今回もまさに絶品。
 中央奥の窓の外には、「動く城」が。アジサイとコボルト、イカをくわえたジャマールの犬もいます。裏表紙のイラストがなんなのかは、読んでからのお楽しみ。

 さぁ、私もまた新しい発見を探しに、本を開こうと思います。
 

<「HOWL'S MOVING CASTLE」(『ハウルの動く城』)シリーズ>
1.「Howl's Moving Castle」(1986)・邦題『魔法使いハウルと火の悪魔』
2.「Castle in the Air」(1990)・邦題『アブダラと空飛ぶ絨毯』
3.「House of Many Ways」(2008)・邦題『チャーメインと魔法の家』


<関連記事>
楽しみ!「ハウルの動く城」第3巻『チャーメインと魔法の家』
<参考サイト>
著者 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ Diana Wynne Jonesの公式ウェブサイト(英語)
House of Many Ways - Wikipedia(英語)

<おまけ
 作品の中でとっても美味しそうだったクランペット!下のリンクでバターたっぷりの画像が見られます。
クランペット - Wikipedia(日本語)
Crumpet - Wikipedia(英語)
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