MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

10代のうちに読んでほしい「ココロ」を成長させる本

2014年10月27日 | BOOKS
 まさに「10代のうちに」読んでほしい、そんな2冊です。

 まず、
『10代のうちに知っておきたい 折れない心の作り方』
水島広子 著
紀伊國屋書店


 第1章の「自分らしく生きるための『心の原則』」が必読です。
 とくに衝撃だったのは、原則2「怒っている人は『困っている人』」
 これを知っているだけで、世界は変わって見える気がします。
 「口うるさく注意する大人」も「すねている恋人」も「ライバル心に燃えている友だち」も、そして悪いことをしてしまう人も、「困っているんだ」と思うことで見えてくるものが大きく変わります。
 もちろん、自分の感情も「わたし、困ってるんだ」と思えるようになったら、対処の仕方も見えてくる気がします。
 そのほかの5つの原則も、知っておきたいものばかり。
イヤな気持ちをたくさん抱えやすい中高生だからこそ、こういう「イヤな気持ち対応マニュアル」って必要だと思います。
 そして、中高生の親も読んでほしいと思います。コチラに目次もあります。

 そして、もう1冊は
『10代のうちに考えておくこと』
香山リカ 著
岩波ジュニア新書

 目次はコチラ

 「10代のうちに考えること、悩むことが一生の宝物になる」
 私も本当にそう思います。そして、若いうちに考える力をつけることが本当に大切だと思います。
 この本では、一つ一つの短いコラムに3つの易しい質問がついていて、「一緒に考えよう!」と考えるキッカケを与えてくれます。
 著者が体験したいろいろなエピソードは、どれもこれも「わたしだったらどうだろう」と考えてしまうような興味を引く話題で、自然と考える力のトレーニングになります。
 大人からの押し付けじゃなくて、「現代の若者の生きづらさ」も「大人が完璧じゃないこと」も教えてくれる、中高生に寄り添ってくれている1冊です。


 本当に、私も10代のうちに読みたかったなぁ。
そして、中学校・高校の図書館と保健室には、数冊置いてもらいたい本です。
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『恋する狐』

2014年10月21日 | BOOKS
『恋する狐』
折口真喜子 著
光文社

 まず、表紙に惹かれました。
 この緑、地紋も素敵。そして、まるで縁起物の「宝尽くし」のように描かれた可愛い物の怪たち。

 中身は、時代物の怪談話。でも、なんともホンワカ優しい物語です。
 人も人外のものも、悲しくて愛おしくて切なくて、おかしくて。

 与謝蕪村が案内役として、あちこちで不思議な話に巻き込まれていきます。
 全部で9話。短くて読後感のよい物語たちですから、朝でも夜でも、ちょっと読みたいときに手に取って読むのに最適です。
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『風になってください 視覚障害者からのメッセージ』

2014年10月16日 | BOOKS
『風になってください 視覚障がい者からのメッセージ』
 松永信也 著
 法蔵館

 「見えない」人の気持ち・暮らしを知ることが、「見える」人の暮らしにもプラスになる。
網膜色素変性症という難病で、40歳ごろに視力を失った著者の優しくて温かいエッセイです。

 まるで詩のような読みやすい文で、「見えない」人たちの気持ちを伝えてくれます。
困っていること、悲しかったこと、「こうしてもらえたら助かるよ」というアドバイス。そして何よりも、見えなくなってからの日常の小さな喜びは、「障害者=可哀そう」という偏見にヒビを入れてくれます。

 「見える」人の経験と「見えない」人の経験、両方があるからこそ両方の気持ちが分かるメッセージになっているのでしょう。
いつか「見えない」人になるかもしれない私たち、「今はまだ障害のない生活を送れている」私たちが知っておくべき情報だと感じました。

 著者の松永さんは「『見えない』ということが、正確に知られていないことに一番の原因があると思うようになりました」と、この本のあとがきで書いています。
ヘレン・ケラーの
The chief handicap of the blind is not blindness, but the attitude of seeing people towards them. (1925)」
(視覚障害者の一番の障害は「見えないこと」ではありません、「見える」人たちの「見えない」人たちへの態度が一番の障害です。)
 という言葉を思い出しました。 

 どんな障害も、どんな「困っている人」の状況も、知ることで意識が変わるということを私も感じています。

 第2弾『風になってください 2 視覚障がい者からのメッセージ』(法蔵館)も出版されています。
 こちらも、とても素敵なエピソードが紹介されていて、是非読んでいただきたい1冊です。
 
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『糸切り』

2014年10月10日 | BOOKS
糸切り紅雲町珈琲屋こよみ
吉永南央
文藝春秋


 「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズの第四弾です。

 和服のおばあさん、お草さんの営む「小蔵屋」は、コーヒー豆と和食器のお店。
 試飲のためのコーヒーがあるので、カフェのようにお客さんが語らう場にもなってます。

 今回は、同じ街の小さな商店街の昔と今が絡み合った謎と人間関係をときほぐしていきます。

 自分の人生にも過ちもあれば失敗もある、悲しみも淋しさも全て抱えて生きている人生の先輩だからこそ見えてくること、そして受け止められること。
 お草さんはお人好し過ぎる……、そう思うけれど決して「ただ優しい」わけではないところが魅力です。

 本の帯には、「シリーズ第1作『萩を揺らす雨』、ドラマ化決定!NHKにて来春放送予定!」とあります。
 仮タイトルは「紅雲町のお草さん」だとか。お草さんは誰になるのかな?
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『お坊さんの一日一分説法』

2014年10月08日 | BOOKS

『小さな心から抜け出す お坊さんの1日1分説法
 疲れた心に今すぐ効く。心をスッキリ整える66の智慧』
 著:彼岸寺
 永岡書店

 一人のお坊さんではなくて、複数のお坊さん、それも違う宗派のお坊さんたちが書いている本と言うのがとても新鮮でした。

 この本を書いているのは、「彼岸寺」というインターネットの中にあるお寺のお坊さんたちです。
 仏教の中には色々な宗派がありますが、この「彼岸寺」では、宗派を超えてお坊さんや仏教徒だけでなく普通の現代人が新しい今の時代の仏教について考えてらっしゃるんだとか。

 簡単な座禅の仕方や、食事のときに心がけること、写経についてや、日々のいろいろな悩みについてのカウンセリング的なメッセージなど、1冊が濃い内容になっています。
 一番印象に残ったのが「毎日を丁寧に大切に生きることの大切さ」。
 仏教といっても、「別世界」ではなくて、とても一般人の心に近い1冊だと思います。
無理せず、ちょっと耳を傾けることのできる「説法」なので、一度書店で手に取ってみてはいかがでしょう?


<関連リンク>
彼岸寺 | 超宗派仏教徒によるインターネット寺院
 彼岸寺のホームページです。
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『迷いアルパカ拾いました』

2014年10月04日 | BOOKS
『迷いアルパカ拾いました』
似鳥 鶏
文春文庫


 本当にあるかもしれない、こんなことがあったら嫌だなぁと思う、動物を巻き込んだ事件を描くミステリー第3弾。
登場人物のキャラクターも面白いけれど、登場する動物さんたちも本当に愉快で、可愛い。だからこそ、現実に、動物たちを傷つけるようなことが起きないように、起きているとしてもなくなるようにと祈ってしまいます。

 今回はタイトル通り、迷子のアルパカさんが登場するという奇妙な事件。
 人間の歪んだ欲と弱さが引き起こす事件に、友情と動物への愛で立ち向かう動物園職員たち。

 なんとも読みやすくてテンポ良いストーリー展開と、個性豊かな登場人物たちの行動の可笑しさが絶妙です。ミステリーとしても、大満足。
 ちょっとですが人間関係も進歩があって、続きが読みたいシリーズです。

<関連記事>
『午後からはワニ日和』『ダチョウは軽車両に該当します』 - MOONIE'S TEA ROOM

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枕カバーで ナップザック

2014年10月01日 | 手芸・工作・リメイク
 小学生の体操服袋として使うナップザックを枕カバー(ピローケース)で作りました。
 実を言うと、娘の気に入る布がお店になくて可愛い生地の枕カバーを買ってきたのですが、これが大正解。
 思った以上に簡単にできちゃいました。
 
 枕カバーのサイズは35センチ×50センチのもの。

売り場で大きい枕カバーと小さい枕カバーがあったら、小さいほうがこのサイズだと思います。お子さんの背中に合わせてみると分かりやすいと思います。
 このサイズ、我が家で使っている枕には小さいのですが、これで作るとちょうど小学校の家庭科で作るナップザックと同じぐらいのサイズになりました。
(学校のナップザックは32センチ×40センチぐらいでした。ちょっと横幅が違いますね)
 紐は、ランドセルの上から背負えるように長め。3メートルの紐を買ってきて調節しました。

 今回、枕カバーが400円弱。紐(3メートル)が300円弱。
合わせて700円ぐらいでできちゃいます。布を1メートル単位で買うよりも安いかも。

 まずファスナーのついているほうを少し切り落とします。

 左右の下に付ける「ひも通し」用の布を、切り落としたファスナー側の布で作ります。

四つ折りに折って、上下にステッチしておきます。
 布が足りない場合は綿テープや別布で作ってください。

 底布は二重にしなくてもいいですが、扱いが乱暴な子は底から擦り切れちゃうので厚手の布をつけると安心。
 今回我が家では家にあったデニム地を使用。ぴったり枕カバーに重ねられる浅い袋状に縫ってから、枕カバーに縫い付けました。

底布を袋状にするときに「ひも通し」も適当な場所に差し込んで縫っておきます。
 底布なしのときは、枕カバーの適当な場所を直接リッパーでほどいて差し込んで「ひも通し」を縫い付けましょう。ほどいた箇所の上下の縫い目に重なるようにミシンでしっかり返し縫いしておきます。


 袋の上部、あき口の紐を通す部分は両わきをほどいて作ります。(ほどいた部分がさらにほどけてしまわないように、ここもミシンで返し縫いしてください)
 まず折った部分にステッチをかけてから、紐が通る幅の三つ折りにして縫ってます。
 フックにかけられるように、「持ち手」兼「吊るすため」の平テープも付けました。

 最後は紐を通して完成。
 ミシンの直線縫いや紐を通す作業をお子さんに手伝ってもらうと、「自分も一緒に作った!」と大切に使ってもらえるかもしれません。


「ナップザック」と「ナップサック」。
 両方辞書に載っているのですよね。でも、もともとはドイツ語由来のようなので「ナップザック」だったのかなぁ?
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