MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『小さな命とあっちとこっち  古道具ほんなら堂2』

2013年01月28日 | BOOKS
『小さな命とあっちとこっち』  楠 章子:著 毎日新聞社

 年が明けてまだ1か月にも経たないというのに、人の命について考えさせられる出来事・ニュースがたくさんありました。

 『小さな命とあっちとこっち』は、『古道具ほんなら堂~ちょっと不思議あり~』という本の続編になるのですが、前作よりもさらに不思議で切なくて温かい……素敵な作品が4編入っています。

 大切な人との別れを経験した作者が描いた物語は、どれも命の大切さが伝わるものになってます。
命には「痛み」がある、そして「愛おしさ」がある。
 どこか命の大切さと切り離されて生きている子どもたちに、小学生のうちに読んでもらいたい物語です。
読み聞かせでもいいかもしれません。

 どのお話にも登場する古道具屋の女主人 橙花さんは、礼儀に厳しい「昭和のおばあさん」のような人。
 児童書を読んでいる子どもたちの親世代である私には、亡くなった祖母たちを思い出させてくれる人物です。
 「橙花」というのは、だいだい(橙)というミカンの花。とても良い香りのする花です。
子どもたちにはちょっと怖いおばあさんですけれど、ミカンの花の白い清々しさをイメージして読むと良いかもしれませんね。
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家族で「デジタルデトックス」

2013年01月16日 | ネット
 「デジタルデトックス (Digital Detox)」とは、「デジタル機器(パソコン・スマートフォン・携帯電話などの通信機能を持つ情報機器)から離れる時間を持つ」という言葉なのだそうです。
 「デトックス detox」というのは「体内から毒素や老廃物を排出する・解毒」という意味の単語なので、ここでは体や精神への害(ネット依存・IT依存)になりうるデジタル機器を断つということで、『デジタルデトックス=デジタル断ち』とも言えますね。

 いまや、「小学生がメールを気にして携帯電話を片時も手放せない」なんて話も聞きます。大人も、歩きながらや車を運転しながらスマートフォンしている人を最近よく見かけるようになりました。電車などでのスマートフォン使用率は、見ていて驚いてしまうほどです。
 スマートフォンが原因の事故も急増しているのじゃないでしょうか?子どもへのネグレクトにも繋がっていないか心配です。


 我が家は「強制デジタルデトックスウィーク (Digital Detox Week)」が、年に2回あります。
 田舎への帰省です。
 私の実家は、ネット環境が整っていなくて、固定電話もなく、我が家の使っている携帯電話会社のアンテナが立たない(電波が届かない)というデジタルデトックスには絶好の環境。
 夫の実家も、無線LANがあるわけではないので、ほとんどパソコンやインターネットを使わずに過ごしています。
 それでも、「帰省したい!」と子どもが言っているうちは「ネット依存」ではないと安心していられるかな?

 もちろん、普段の生活でも我が家の子どもたちには、決められた短い時間しかインターネットを許可していないのですけれど。

 まずは大人が、節度を持ったデジタル生活の見本を見せないといけませんね。スマートフォンや携帯電話やインターネットに振り回されない、充実した毎日を過ごすようにしたいものです。


<関連ページ>
Screen-Free week - Wikipedia(英語)
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ななくさなずな とうどのとりの (七草の囃)

2013年01月07日 | 季節
 「七草(七種)なずな 唐土の鳥の 渡らぬ先に 七草なずな」
 これは、私が七種粥の日に歌う「七草の囃(ななくさの はやし)」、囃し歌です。
 結婚するまでは「七草の囃」なんて知らなくて、たださっと茹でた七草を刻んでおかゆに入れていただけだったのですけれど、婚家で教えてもらってからは、忘れてなければ歌うようにしています。

 「唐土の鳥(とうどのとり)」というのは、『古事類苑』内の『梅園日記』によると、唐土(=中国)の「鬼車」という夭鳥(鳥の妖怪?)を指すようです。つまりは、人に害をなすものを寄せ付けないようにする、おまじないの歌だったのですね。

 広辞苑(第3版)には、「七草の囃」の別バージョンも載っています。

「唐土の鳥が 日本の土地へ 渡らぬ先に なずなななくさ(ななくさなずな)」
「唐土の鳥と 日本の鳥と 渡らぬ先に、 ななくさなずな 手に摘み入れて」

 ネット上で調べてみると地域によって様々な歌詞があるのですね。「ストトン」だとか「トントン」のような擬音が付いているところもあって、なんだか可愛いです。
(「日本」の読みが「にほん」「やまと」と異なる地域もあるようです)


 どうも、我が家のものは省略形のようですね。

 今は、スーパーで七草セットが売っていて助かります。

 芹(せり)・薺(なずな)・御形(ごぎょう)・繁縷(はこべら)・
 仏の座(ほとけのざ)・菘(すずな)・蘿蔔(すずしろ)


 どれもこれも、新暦の新年に自分で揃えるのは難しいですものね。

 それにしても、台所で七種類の道具(まな板・包丁・杓子・すりこぎ・薪など)を用意して、恵方(吉方)に向かって、7ずつ7度(つまり49回)も叩くなんて知りませんでした。
 今朝もそんなに叩かなかったなぁ。
 もちろん、全国共通の「正しい七草粥の作り方」なんて存在しないのでしょうけれど。
 音を鳴らして魔を払うというのは弓の「弦打ち(鳴弦)」や獅子舞の「歯打ち」と似ていて、さらに「七」という縁起の良い数字で効果を高めようということかもしれません。

 お正月は新暦でも旧暦でも、寒くて風邪などが流行る時期。
 「唐土の鳥」でなくても、インフルエンザや胃腸風邪を防げたら嬉しいですね。

「七種粥の作り方」自分用メモ
・まず、七草を洗って茹で、水にさらしてから水気を切っておく。
・おかゆを炊く。(前日に洗米して給水しておく)
・台所に七つの道具をそろえる。(とりあえず、まな板と包丁は必須。あとは数合わせ)
・恵方を向いて立てるように、まな板を置く。
・七草をまな板に置き、「七草の囃」を歌い(唱え)ながら、49回(7×7回)叩く。(まな板を打ち鳴らすように叩く)
・炊き上がったおかゆに、叩いた七草を混ぜたら出来上がり。
 七草をゆでるところまでは前日でもOK。七草を刻むのも前夜に行うこともあったようです。

 ちなみに、今年(2013年・平成25年)の恵方は丙の方位(南:南南東)になるようです。

<関連記事>
ご飯から1人分のおかゆ - MOONIE'S TEA ROOM
 ごはんから作るおかゆの作り方を紹介しています。

<参考ホームページ>
第 1 巻 907 頁 「七種粥」(七日 - 年始雜載 - 歳時部十三 - 古事類苑) - 電子資料館>国文学研究資料館ホームページ
日本/唐土の鳥 - 幻想動物の事典
鬼車 - Wikipedia
歳徳神 - Wikipedia
 恵方について書いてあります。恵方って、歳徳神さまのおわす方角なのですね。
 2014年(西暦の1の位が「4・9」)の恵方は「東北東やや右」(「甲」の方位)  (十干が「甲・己」の年)
 2015年(西暦の1の位が「0・5」)の恵方は「西南西やや右」(「庚」の方位)  (十干が「乙・庚」の年)
 2016年(西暦の1の位が「1・3・6・8」)の恵方は「南南東やや右」(「丙」の方位) (十干が「丙・辛・戊・癸」の年)
 2017年(西暦の1の位が「2・7」)の恵方は「北北西やや右」(「壬」の方位) (十干が「丁・壬」の年)
 2018年(西暦の1の位が「1・3・6・8」)の恵方は「南南東やや右」(「丙」の方位) (十干が「丙・辛・戊・癸」の年)
 2019年(西暦の1の位が「4・9」)の恵方は「東北東やや右」(「甲」の方位)  (十干が「甲・己」の年)
 2020年(西暦の1の位が「0・5」)の恵方は「西南西やや右」(「庚」の方位)  (十干が「乙・庚」の年)

<検索ワード>
七草がゆの歌 ななくさのうた
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八重の梅?  『同志社の母 新島八重』

2013年01月03日 | BOOKS
 今年の大河ドラマの主人公新島八重に関する本が、最近いろいろと出版されています。
 何冊か読んでみたのですが、同志社女子大学の広報課が発行している 『同志社の母 新島八重』が、コンパクトで分かりやすくてよかったです。

 襄と八重が夫婦で庭の梅をめでたというエピソードからか、表紙にも梅の花
 優しいピンクの表紙が素敵です。

 同志社女子大学の新島八重研究会の成果の一部ということで、たくさんのエピソードがありますし、必要以上に美化するようなところもなく、たんたんと分かりやすく書かれているところに好感が持てます。
 写真も多く、京都の古地図も、同じ京都に住んでいるということもあって非常に面白いです。

 八重を形容するときによく出てくる「ハンサム handsome」という言葉についても、しっかりと書かれています。
 「She is not handsome at all. But what I know of her is that she is a person who does handsome.」という襄の英文書簡は、八重の気質だけでなく、夫婦愛も感じられて、大河ドラマも楽しみになってしまいます。

 それにしても、八重という人は、演じる綾瀬はるかさんとは違って、見るからに「骨太の力持ち」という感じの人だったのですね。
 まさに、女丈夫(じょじょうふ)とか、女傑という言葉が似合う女性。
 女優さんでいうと、渡辺えりさんが似てらっしゃると、私は思うんだけどなぁ。
 写真が何枚も残っているような近代の人を主人公にするのは、比べることができてしまうので難しいですね。


 「do handsome」=「威厳をもった美しい行動をする」
 そういう、かっこいい女性に私もなりたいものです。

<関連ホームページ>
新島八重×同志社女子大学 | 同志社女子大学
 このホームページ内の「八重を知る本」には、いろいろな八重に関する書籍が紹介されています。
NHK大河ドラマ「八重の桜」
 NHKの公式ホームページです。
 「この時代、咲いてみようじゃないの」ハートマークがついてるのにびっくり!
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