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『まんが クラスメイトは外国人 課題編』

2020年08月10日 | BOOKS
『まんが クラスメイトは外国人 課題編』
「外国につながる子どもたちの物語」編集委員会 編
まんが:みなみ ななみ
出版:明石書店 (2020/02/20)


 「まんが クラスメイトは外国人」シリーズの新刊がでました。
 1冊目の『まんが クラスメイトは外国人 多文化共生20の物語』は2009年の出版、2冊目の『まんが クラスメイトは外国人 入門編 はじめて学ぶ多文化共生』は2013年の出版でした。
 1冊目が出版されてから10年以上経った今、はたして「多文化共生」は進んでいるでしょうか?

 2020年1月1日現在の人口動態調査では、日本に住む外国人の人口は286万6715人。
 日本人の人口は1億2427万1318人だそうです。
 日本人人口は11年連続で減少、外国人人口は6年連続で増加しています。
 計算してみると、日本に住んでいる44人に一人は外国人ということです。
 街でも、コンビニなどで外国人の店員さんが増えていることを実感します。
 それでも、「多文化共生」が進んだと感じないのは、「日本人」と「外国人」が交流する場面が少ないからかもしれません。

 この本では、学校での「外国人」と「日本人」生徒が出会う問題を、まんがで分かりやすく描いています。
 「日本人」の立場から、「外国人」の立場からだけでなく、いろんな視点・立場からの意見を描くことで、読者への問題提起になっています。
 まんがの後には、文章で詳しい説明があり、歴史や経緯、現在の状況などを深く学ぶことができます。

 「ハーフ」はずるいのか?
 ヘイトスピーチ、日本の難民・移民政策、領土問題、戦争責任、日本の先住民族…。

 どれも、若い世代だけでなく、親の世代も考えていかなくてはいけないテーマばかりです。
 移民社会であるアメリカでも、今でも人種差別があり、今年も「Black Lives Matter」運動が大きなニュースになりました。
 日本でも「人種の問題」が「他人事ではない」ことなのだと、まず気づくところから始めなくてはいけないのでしょう。

 多くの若い人に、そして多くの大人に手に取って欲しい1冊です。
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