MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『橋をかける 子供時代の読書の思い出』

2019年10月01日 | BOOKS
<単行本>
『橋をかける 子供時代の読書の思い出』
美智子
出版:文藝春秋

<文庫>
『橋をかける 子供時代の読書の思い出』
美智子
文春文庫


 本を読むことが、いかに人生を豊かにするか。
 大人から押し付けられる「読書」では伝わらない、本を読むことの素晴らしさを伝えてくれる1冊です。

 上皇后美智子様が、1998年に開催された第26回IBBY(国際児童図書評議会 = International Board on Books for Young People)ニューデリー大会の基調講演のため、「子供の本を通しての平和 ー子供時代の読書の思い出ー」と題して語られたビデオ講演の原稿を収録しています。
 表と裏の表紙から、それぞれ日本語と英語の両方を読むことができます。
   裏表紙 英語タイトル>
 単行本の表紙イラスト、風の吹く草原のような絵は、絵本でも有名な安野光雅氏です。

 美しい言葉で紡ぎ出される、子どもたちへの希望、世界中の人々への思いやりと、平和への祈り。
 一文一文に、深く博い知識と、読書の喜び、読書への感謝があふれています。

 読み終わって、「教養とはなんだろう」と考えてしまいました。
 受験勉強をすることでも、大学に入ることでも、「教養」科目を受講することでもない、本当の教養とは何か。
 ひけらかしたり人を批判するための知識ではなく、人を理解し 思いやりあふれる社会を築くために必要な知識を「教養」と呼ぶのかもしれません。
 
 「なんのために読書をするのか」「なんのために勉強をするのか」「この世界をどう生きるべきか」
 新しい「令和」の時代を生きる子どもたちに、そして、その子どもたちを導く大人たちに、ぜひ読んでいただきたいと思います。
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『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

2019年09月03日 | BOOKS
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー The Real British Secondary School Days』
著者:ブレイディみかこ
出版社:新潮社

 イギリス在住の著者が、中学生になった息子さんとの日常を描いた1冊です。
 しかし、その「日常」が驚くほどに「普通じゃない」。
 「外国人労働者受け入れ拡大」がスタートした日本に、これから間違いなく訪れる「多様性ある社会」を考えるための発見がたくさんある本です。
 中学生から大人まで、多くの人が読んでくれたら、多くの「分断」「差別」による問題が減るんじゃないでしょうか。

 イギリスというと「EU離脱=ブレグジット」か「王室」のニュース。
 「貧困」「移民」「差別」「格差」のニュースは、私たち日本人にはあまり届いてないように思います。

 この本では、「元底辺中学校」に入学した息子さんが学校生活で出会うトラブルや悩み事を取り上げながら、イギリスの社会問題をわかりやすく説明してくれています。
 そして、その問題は「日本にはない」とは言い切れないことばかり。

 それにしても、息子さんの考え方が毎回毎回素敵です。
 家族や周りの大人から「相手の考えを尊重する姿勢」が受け継がれていることが伝わります。
 大人よりも子どものほうが理解していることもある。
 私も、そんな当たり前のことを素直に受け入れられる大人でいたいと思います。

 表紙と挿絵イラストは、中田いくみさん。
 『やましたくんは しゃべらない』のときにも感じましたが、思春期に入る頃の少年の独特の空気が伝わる絵だと思います。
 ちょっと『ぼくの地球を守って』の輪くんを思い出してしまいます。
 
 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は もともと雑誌連載。
その連載は、この本が出版された今も、雑誌「波」(新潮社)で続いています。
 続きも楽しみです。

<関連リンク>
新潮社『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』特設サイト
 新潮社の特設サイト。試し読みもあります。
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『貸出禁止の本をすくえ!』

2019年08月19日 | BOOKS
『貸出禁止の本をすくえ!』
アラン・グラッツ 著
ないとうふみこ 訳
ほるぷ出版


 娘が「来年の夏の読書感想文、この本にする!」と言っています。
 と、いうのも、今年の読書感想文を書き始めてからこの本に出会ったから……。
 出版されたのが、今年(2019年)の7月30日という新しい本です。

 たしかに、面白いだけでなく、考えさせられる素晴らしい1冊です。
 読書感想文の課題図書に推薦したいぐらい!

 ストーリーは、学校の図書室から主人公の大好きな1冊が姿を消してしまうところから始まります。
 「小学校の図書室にふさわしくない」という理由で、本棚から外されてしまったのです。

 主人公のエイミー・アンは、家でも学校でも、言いたいことを言わずに我慢してしまう女の子。
 そんな彼女と友達・家族が、この「貸出禁止」に立ち向かっていきます。

 本の中には「貸出禁止」になった本がたくさん出て来ます。
 これらの本は、実際にアメリカの図書館で異議申し立てや貸出禁止措置の出たことのある本なのだそうです。
 巻末には、本に登場した書籍のリストがありますが、私の読んだことのある本もたくさん。
 反対に「おすすめ書籍リスト」にしてもいいくらいです。

 一人の女の子の成長物語として素晴らしいだけじゃなく、「子ども(人間)の権利」「伝えること・話し合うことの大切さ」「意見が違う人に対する敬意」など、大人が読んでも勉強になることが多い物語です。

 表紙・裏表紙も、読んでから見ると「登場人物のことが伝わるなぁ」と感じる素敵なイラストです。

 英語タイトルの「BAN THIS BOOK」は、直訳すると「この本を禁止しなさい」。
 日本語タイトルと全く反対だけれど、読めば納得すること間違いなしです。
 子どもたちによる「図書館戦争」。ぜひ読んでみてください!
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『本屋さんで探す「明日のカルタ」』

2019年07月23日 | BOOKS
 「明日に向けて前向きになれる言葉を、書店内で見つけてください」
著者から、そんなお願いをされた全国の書店員さんたちが見つけた、素敵な一文が紹介されています。
 「あ」から「わ」まで、それぞれの文字と言葉にちなんだイラストが、なんとも愉快。
 娘は、まずイラストから楽しんでいました。

 巻末には、「選んだ言葉が登場する本の一覧」があります。
素敵な言葉の出てくる本は、読んで面白い本が多いですから、この1冊が読書のきっかけになるかもしれません。
 そろそろ夏休みですから、読書感想文の本を選ぶ参考にもなると思います。

 「言葉を紹介してくださった書店員の方々」のリストもあります。
自分の住んでいる街の本屋さんもあるかもしれませんよ。
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『専門医が教える 世界一わかりやすい 下肢静脈瘤の治療と予防』

2019年06月29日 | BOOKS
『専門医が教える 世界一わかりやすい 下肢静脈瘤の治療と予防』
齋藤 陽
医学通信社


 「下肢静脈瘤ってなんだろう?」という疑問に、詳しく答えてくれる1冊です。
 不安になってしまうような「下肢静脈瘤に関する都市伝説」をバッサリ切り捨ててくれているところを読んで、本当に安心しました。
 下肢静脈瘤が気になり始めたころに出会えていたら、もっと早く安心できたのに!これから妊娠・出産という方にも、「下肢静脈瘤かも?」と気になり始めた方にもオススメしたいです。

 知らない情報もたくさんありました。
 「日本人の10人に1人」
 「女性ホルモンや妊娠出産が影響すること」
 「妊娠を経験した女性の2人に1人」
 「2回目の妊娠から目立つように」
 「妊娠回数の増加で静脈瘤の発生の頻度も増加」
 ……3人の子供がいる自分に軽度の静脈瘤があるのも納得です。

 色々な種類の静脈瘤の種類・段階が紹介されていて、診断や治療・手術の情報も、全ページカラーで、イラストや写真がたくさんあって、非常に分かりやすいです。
 そして、どのような症状が出てきたら治療・手術をすべきか、はっきり書いてあります。
 手術の当日の流れも詳しく分かって、安心です。

 とくに素晴らしいと思ったのが、「信頼できる医師に出会うためのポイント」「悪徳クリニックにだまされないために〜悪徳クリニックの共通点〜」というページ。
 本当に参考になります!

 一度なったら自然には治らない下肢静脈瘤。
 それでも、ふくらはぎの筋肉を動かしたり、肥満や便秘にならないように適度な運動をすることで、少しでも悪化しないように気をつけていこうと、改めて思いました。
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『ファミリー デイズ』

2019年06月02日 | BOOKS
『ファミリー デイズ』
著者:瀬尾まいこ
集英社


 2019年本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』の著者、瀬尾まいこさんの2017年11月発行のエッセイです。

 教職からの離職、結婚まで、結婚・妊娠・出産・育児。
 人生の大きな転機であったであろう数年間を、今までの小説と同じように、優しい、あたたかい、ほんわかした文章で書かれています。

 号泣する旦那さん、元気なお嬢さん、そして不可思議な占い師さんに、面白い校長先生。
 結婚までのエピソードも、育児の悩みも、こうやって残しておけるのは羨ましいことに思えます。
(結婚前のこととか、育児中のことって、うろ覚えになってしまうので……)

 あんまり優しすぎて良い人が多すぎて「ファンタジー」のような小説世界も、著者自身の、世界をとらえる目が穏やかだからだということに気づかされます。
 そして、素敵な人に出会ったときに、その素敵なところをしっかりキャッチするということは、誰にでもできることじゃないということにも。
 「出会う人々に恵まれていた」そう言えるのは、出会う人たちの素敵なところをキャッチする能力があればこそ。

 現実世界は決して幸せなことばかりではないけれど、それでも多くの「素敵なこと」「優しさ」「あたたかさ」を、ひねくれないで受け止められる人間でいたいものです。

 『さんびきのくま』のような、布川愛子さんの表紙イラストも、読み終えた後に見ると「ふふふ」と微笑んでしまうこと間違いなしです。
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「松」の意味は「ゆるむ」

2019年05月07日 | いろいろ
 換気扇の羽根を固定する部品「スピンナ」に、「松」と書いてあるのを発見。
   
 日本語は「ゆるむ」、英語は「LOOSEN」って書いてあるので、これはきっと同じ意味であろうと推測して辞書で調べてみることにしました。

 『新選漢和辞典』(小学館)によると、【松】は、「中国では、最近【鬆】の書き換え字に用いる」とのこと。
 ということで、「鬆」をチェック。

 【鬆】1.<あら・い(ーー・し)>
    2.ゆるい。しまりがない。
    3.髪が乱れる。
    4.<す>だいこんや ごぼうの しんにある すきま。

 2番の「ゆるい。しまりがない。」が、あてはまりますね。
 「松」が「ゆるむ」の意味も持つなんて、なんだか不思議な感じがします。


<追記>
 「この字って、『骨粗鬆症』の『鬆』だね」と、夫。
 なるほど、大根やゴボウに「す」が入るように、骨が粗くもろくなるという症状なんだなぁと納得。
 イメージすると、ちょっと怖いですね。
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『かっぱのねね子 こうの史代小品集』

2019年04月10日 | BOOKS
『かっぱのねね子 こうの史代小品集』
こうの史代
朝日新聞出版


 福音館書店から発行されていた小学校低学年向け雑誌「おおきなポケット」。
 今は休刊してしまっていますが、そこで連載されていた「かっぱのねね子」と、そのほかの短編を合わせた"小品集"です。
 どのお話も、こうのさんらしい茶目っ気と優しさがあります。

 いたずら好きで、意地悪で、でもちゃんと優しいところもある、河童の女の子 ねね子。
 いじっぱりで、短気で、でも寂しがりやの ねね子がとる行動の多くは、大人から見ると「困った子」に見えてしまうでしょう。
 それでも、子ども達には親近感がわくキャラクターなんだと思います。

 優しくて善良な いずみちゃん、どじょうの ながいくんも、いずみちゃんのご家族も、ねね子のことを温かい目で見守り、大切にしています。

 「困ったことをしてしまう子であっても愛される」そんな肯定感を、小さい頃に持つことができる子どもは幸せなんじゃないでしょうか?
 「良い子でいなくちゃ」というプレッシャーに押しつぶされそうな子ども達にも読ませてあげたいし、まず子育てをする大人が読むべきなのかもしれません。

 

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『統計でふりかえる平成日本の30年』

2019年03月20日 | BOOKS
『統計でふりかえる平成日本の30年』
双葉社スーパームック


 今年は「統計不信」がニュースになっていますが、この本の「統計」は非常に興味深いです。

 平成の最初と最後の時期(平成元年と平成30年 統計によっては平成27年〜29年)の統計データを比較して見えてきたことに、わかりやすい見出しと解説が書かれています。

 この本は、大きく3章に分かれた構成です。
   1. 基本データ 日本はどう変わったか
   2. 生活データ 日本人の生活はどう変わったか
   3. 世界の中の日本 日本の位置づけはどう変わったか

 グラフもたくさんありますが、各ページの見出しを読んでいるだけでも平成という時代がわかってくるように思います。
   ・日本人はとにかく首都圏へ集まるようになった
   ・日本人は晩婚化が進み出産年齢も高齢化した
   ・日本人はお金を使わないようになった
   ・日本は大学の授業料が倍近くになった
                   などなど。

 巻末には、平成元年から29年までの30年間の書籍ベストセラー、邦楽ヒット曲、映画ランキングもあり、眺めているだけでも面白いです。
 平成30年までの主な出来事がわかる年表も掲載されているので、平成時代を振り返る1冊としてオススメしたいと思います。

 冒頭から「統計で見ると日本の将来は暗い」と書かれていますが、まず現実を知らないと次の元号の時代を生きるための方策も見えてこないんじゃないでしょうか。
 この本は、ただ出来事を振り返るのでなく「データで見る」というところが秀逸です。

 平成時代は、子どもであった私たちの世代が、子育てする大人になるまでの30年間。
 これから始まる新しい元号の時代が少しでも明るくなるように、できることを見つけていけたらと思います。
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『まゆと そらとぶ くも』

2019年03月13日 | BOOKS
『まゆと そらとぶ くも』
こどものとも(5〜6才向け) 2019年4月号
富安 陽子 文
降矢 なな 絵
福音館書店

 「やまんばのむすめ まゆのおはなし」シリーズの新刊です。
 こんどは「空飛ぶ雲」に乗る まゆ のお話。
 まゆ の元気と冒険心、そして優しさが伝わってくる1冊です。

 今回は、素敵なカミナリさまの一家が登場しますよ。

 お話の展開はドキドキ・ワクワク、言葉の使い方も楽しくて、読み聞かせにもぴったりです。
 ゆっくり読んだら、7分半くらい。
 今年度の小学校の読み聞かせは終わってしまったので、来年度以降どこかで出番を作りたいものです。
 雲に乗るお話ですから、「くじらぐも」を学習する1年生でもいいですね。

 『まゆと そらとぶくも』は、福音館書店の月間雑誌「こどものとも」(5〜6才向け)の2019年4月号です。
 雑誌「こどものとも」の発売日は、4月号だったら3月上旬。「○月号」の数字の前月の上旬になります。
 書店員さん曰く、「4月号だったら2月中に注文しておいてもらえたら、取り寄せも取り置きもできますよ」とのことでした。
 毎年2月には、次の年度の発売予定「年間ラインナップ」が発表されて、児童書を置いている書店ではリーフレット(下の写真)が配布されたりします。

 「こどものとも」は、年間定期購読をしなくても、欲しい号だけ買うこともできます。
 私も2019年度のリーフレットを手に入れて「まゆ だ!」と、早速取り寄せ&取り置きをお願いしたのでした。
 ほぼ毎年「年間ラインナップ」を手に入れて、カレンダーにメモしておいて、数冊ほど購入しています。
 子どもたちはもう大きいですけれど、お気に入りのシリーズは必ずチェックです!
   
 子ども向けとあなどるなかれ。月刊誌の中に、一生の宝物になる出会いもあります。
 『まゆと そらとぶくも』も、お気に入りになりました。

<私の持っている「やまんばのむすめ まゆのおはなし」シリーズ>
 
・『やまんば山のモッコたち』(2001年11月30日)
・『まゆとブカブカブー(こどものとも 2001年12月号)』
・『まゆとりゅう(こどものとも 2004年3月号)』
・『まゆとうりんこ(こどものとも 2007年2月号)』
・『まゆとおおきなケーキ(こどものとも 2009年4月号)』
・『まゆとかっぱ(こどものとも 2015年4月号)』
・『まゆと そらとぶくも(こどものとも 2019年4月号)』
 あれあれ、『まゆ と おに(こどものとも 1999年4月号)』がないですね。

<関連リンク>
月刊誌のご案内 - 福音館書店
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