MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『親を、どうする?』

2013年11月30日 | BOOKS
『親を、どうする?』
小林裕美子 著
滝乃みわこ 原作協力
実業之日本社 コンペイトウ書房コミックス


 現実をしっかり見せてくれる1冊なのに、優しくて可愛らしいマンガなので、重苦しさを感じずに読むことができます。

 40歳の女友達3人の、それぞれの介護の日常が描かれています。
 「独身」「共働き」「シングルマザー」と、立場もそれぞれ。
 「入院している祖父」「同居している姑」「熟年離婚している実父」と、介護する相手も違います。

 一番、素敵なところは介護者に「愛」があるところ。
 愚痴も不安も不満も家族の意見の相違もあるけれど、「愛」がこの1冊を温かくしてくれています。

 私もそろそろ、祖父母世代だけでなくて両親の世代の老後が気にかかるようになってきたところ。
 父母と同じ世代の人の訃報もときどき耳に入るようになりました。
 先日は、NHKで「女性の40代からの死ぬ準備『終活』」も特集されていました。
「先の話でしょ」なんて言わずに考えていかないといけない時期になったのだと、つくづく思います。
 実家と離れているからこそ、姉と妹としっかり連絡を取り合って、相談したり、愚痴を聞いたりしていかないとなぁ。
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『「現代型うつ」はサボりなのか』

2013年11月27日 | BOOKS
『「現代型うつ」はサボりなのか』
吉野聡 著
平凡社新書 699


 部下を持つ人、人事担当者、そして子育て中の親に読んでほしい良書です。
「現代型うつ・新型うつ」の本の中でも、職場での対応や上司としての心得も書かれている点で非常に読む価値のある1冊になっています。
 働く人たちのメンタルヘルスを扱う「精神科産業医」である著者が、「現代型うつ・新型うつ」を「会社に適応できない状態で心因性のストレスを感じ、心の病気になっている状態」として、きちんと「病気」「うつ病」の枠でとらえ、対処・予防についても書かれているところが秀逸です。

 また、この本では、会社に適応できない若者を「未熟」と切り捨てる論調に疑問を投げかけています。
 はたして、今の若者が「未熟」であるのか?今までの世代が「成熟」していたと言えるのか?そもそも「成熟」とはどのようなものなのでしょうか?
 私も、「できる人が職場の空気を読んで自己犠牲で業績を上げてきた社会」が「成熟」しているといえるのか、非常に疑問を感じます。会社にとって都合の良い人間でいることを「成熟」というのは、経営者側の論理でしょう。
 家族や恋人との時間を持てない社会が今の少子化の大きな原因の一つだと考えられますし、「プライベートも大切にし就業時間内で能率よく仕事ができる社会」のほうが、実際には「成熟」しているのではないかと思うのです。
 多くの情報と選択肢を与えられて「自分らしく生きること」を理想に掲げた社会で育ってきている若者たちにとって、旧時代の「自己犠牲社会」が大きなストレスであるのは間違いないと思います。
 仕事をしても仕事をしても、一昔前のように「終身雇用」「年功序列」もなければ、毎年の「基本給のベースアップ」や「ボーナス」も少ない社会では、無理をすることに魅力を感じないのは当たり前ではないでしょうか。
 それでも、上司世代から見れば若者たちが怠けているように見えるのかもしれませんが、「未来への展望・生きづらさが違う」ということを会社側がしっかり認識しなければ、これからの時代の担い手を多く失うことになると感じました。
 これからは、職場の上司こそが「職場を精神環境の良い場所に変えられるか?」「若手を育てる能力があるか?」「仕事の意味と目的をきちんと把握し、部下を納得させ、仕事へのやる気を高められるか?」試される時代なのかもしれません。


 子育て中の私にとって、特に参考になったのは第6章。
「職場で『うつ』の若者とどう向き合えばいいのか」という職場向けの提案の中に、子育ての段階で気を付けていきたい子どもへの接し方がいくつも見えてきます。
 親の行動として、
  ・自己肯定感・有意味感が育つような接し方をすること(見守り、ほめて育てること)
  ・一貫性のある言動・責任ある言動をすること
  ・「何でやったの?」でなく、「今後はどうする?」と叱ること(誠実に、具体的に叱ること)
  ・親の考えを押し付けずに、悩みを聞くこと
  ・他罰的言動を慎み、前向きな言動をすること
  ・「嫌なことはやらないでいい」環境を作らない

 一番小さな社会としての家庭において、親が見本となれるように努力が必要なのだと思います。

 

<関連記事>
『職場を襲う「新型うつ」』 - MOONIE'S TEA ROOM
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『天国はまだ遠く』

2013年11月25日 | BOOKS
『天国はまだ遠く』
瀬尾まいこ/著
新潮文庫


 会社での毎日に疲れてしまったOLさんに、「自分なんていなくたって同じ」「ここではない、どこかへ行ってしまいたい」と思っている多くの人に、おススメしたい1冊です。
 ページ数は181ページ。厚さは1センチもありません。
ちょっと手に取って、さらっと読んで、「ちょっと頑張ろうかな」と思える貴重な本だと思います。


 ただ生きていることが普通で素敵で幸せだということを、忙しい毎日では見失っている気がします。
私も時々どこかへ逃げ出したくなる人間で、自分の幸せに背を向けているときがあるので、この本は「気付け薬」のように効果的。お説教のように堅苦しくもなく、それでもキッチリ「背を向けてるのはやめようや」って言ってくれる本です。

 簡単に言ってしまうと、このお話は人生の「断捨離」をして、自分の生き方をリセットする物語。
 最終的に、優しい人に依存せず、自分で踏み出していくところが、この物語の秀逸なところです。
それでも、人との絆がつながっている温かさと未来への希望がラスト1ページに込められていて、読み終えたときに「私もガンバロー」と素直に思える読後感です。



 子どもたちに、ただ生きることの幸せを伝えられる母になりたいものです。
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『村岡花子と赤毛のアンの世界』

2013年11月23日 | BOOKS
『村岡花子と赤毛のアンの世界』
村岡恵理 編
河出書房新社


 今年の春、村岡花子生誕120年記念で刊行された1冊。
 村岡花子さんの書いた文章も多数掲載されていますし、著名人から村岡花子さんへのメッセージのようなエッセイもあり、『赤毛のアン』の翻訳者としてだけでない村岡花子という女性を知ることのできる良書です。

 小説家の梨木香歩さんと、ポプリ研究家の熊井明子さんの対談もあります。

 収録されている少女小説「美しき出発」(1949年)は、『赤毛のアン』と『パレアナ』と『小公女』をミックスしたような日本を舞台にした物語で、当時の少女たちがどんな気持ちで読んだのか気になります。

 評伝である『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』とはまた違った切り口なので、両方を読むことでしか分からない部分もあると感じました。
 私としては、こちらの『村岡花子と赤毛のアンの世界』を読んで、若いころよりも30代を超えてからの人生に興味を持ちました。
そこが、朝ドラ「花子とアン」でどう描かれるでしょうね?
 
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『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』

2013年11月22日 | BOOKS
<文庫版>『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』
村岡恵理/著  新潮社文庫

<単行本>『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』
村岡恵理/著  マガジンハウス


 次(2014年春~秋)の連続テレビ小説『花子とアン』の原案、主人公となる「村岡花子」のお孫さんである村岡恵理さんが書いた評伝です。
(脚色して設定も少し変えるようなので「原作」とは言わないのですね。そして、自分で書いていないので「自伝」でもないわけで……。実在の人物が主人公だと、つい「自伝が原作」と言いたくなっちゃうところですが。)

 時代は「ごちそうさん」と重なって、明治に始まって大正・昭和と進んでいきます。

 貧しい地方の商人の娘が、華族や士族のお嬢様の学ぶミッションスクールの寄宿舎へ入り、良き指導者・生涯の友と出会い、給費生として勉学に励む様子は、本当に『赤毛のアン』の主人公アンの人生と大きく重なります。

 この本を読んで一番ショックだったのは、今の時代との「結婚観」の違い。
 結核を患って3年近く前に実家に戻った妻と、兄夫婦に預けた息子がいる男性に、「跡取り息子」だからと言って次々に縁談が舞い込むというところに、初めは嫌悪感を感じてしまいました。
 キリスト教の「健やかなる時も、病める時も」という結婚の誓いがあるにもかかわらず、「家」を守るためには別の人と結婚することを考えざるを得ないということ。(また「跡取り息子」でなければ事情が違ったのかもしれませんが……)初めの結婚が恋愛結婚であったかは書かれていませんし、親同士に仕事の付き合いがあった女性との結婚だったようですが、花子とのラブレターを読むと、「妻」であった女性のことを考えてしまって辛くなります。もちろん、この時代に「妻」の責務を果たせない状態で「妻」の座にあり続けることが幸せかどうかは本人でないと分からないことですし、現代のように結核が治る病気であったなら事情も大きく違ったでしょう。
 さらに、花子が学生時代に、メーテルリンクの「モンナ・ヴァンナ」(「モンナワンナ」)を読んで書いたというメモにも考えさせられました。
「人間は最上のものを知らなければ、第2のもので満足できる。然し、長い間第2のもので満足していた後に、最上のものにめぐり逢うとしたら、それは不幸にもなり得る」
 結婚をしていれば「道ならぬ恋」「不倫」と言われるのは現代でも同じですが、「家」のための結婚があった時代に「最上のもの」に出会ってしまった人たちの物語は、現代の私の倫理観・結婚観で判断してはいけないのかもしれません。


 戦火の中でも明日への希望を忘れず、友情を大切にし、夫婦愛を貫き、家族と日本中の子どもたちを愛した一人の女性、村岡花子さん。
読んでいて、ただ明るく幸せになれる本ではありませんが、それだからこそ激動の時代を生きた女性の記録として、一読に値すると思います。



<関連リンク>
「花子とアン」語りは美輪明宏さんに決定! - NHKドラマトピックス
 村岡翻訳の持つ日本語の美しさ、美輪さんなら納得です。
「花子とアン」主な出演者が決まりました! - NHKドラマトピックス
 仲間由紀恵さんの配役。『アンのゆりかご』を読んで、「なるほど!」と思いました。
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土鍋で中華まんを蒸す

2013年11月20日 | 料理&美味しいもの
 中華まんの美味しい季節です。
 市販の中華まん(今回は肉まんとピザまんとあんまん)を、土鍋で温めました。
 圧力鍋だと早いのですが、土鍋のほうが一気にたくさん温められるので、今回は土鍋で蒸すことにしました。

(1) 土鍋にお湯(1カップ=200ml)を入れて、蒸し皿に中華まんをのせて、布巾をかぶせた土鍋のふたを載せて、加熱開始。

 ※濡らしてきゅっと絞った布巾を、ほどけないように結んであります。これで、中華まんに水滴が落ちてべちゃっとするのを防ぎます。
大きな布巾が便利です。

(2) ふたの穴から蒸気が出始めたら弱火にして、5~10分。(大きさで加減してください!)
(3) 火を止めて、2~3分ほど蒸らして出来上がりです。

 今回はちょっと小さめ・手のひらサイズのものを、8分蒸しました。(包装に書いてあった通りの時間です
 土鍋で蒸した肉まんは、しっとり・ふんわり・ホカホカ。

 数回続けて蒸すときは、お湯を足してくださいね。(水を足すと、温度変化で土鍋が傷むので

<追記>
 先日、(3)の蒸らし時間なしで食べちゃったのですが、じゅうぶん美味しかったです。
 でも、蒸らし時間のあるほうがしっとりするかな?

<関連記事>
冷凍中華まんは圧力鍋で蒸す! - MOONIE'S TEA ROOM
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『青い鳥文庫ができるまで』

2013年11月18日 | BOOKS
『青い鳥文庫ができるまで』
作: 岩貞るみこ
講談社


 子どもたちの大好きな「青い鳥文庫」。
 私も子どもが読んでいる本を必ず読みますし、毎月発売予定をチェックしています。

 その「青い鳥文庫」の本ができあがるまでを、ドキュメンタリー風に描いたのが『青い鳥文庫ができるまで』
 「青い鳥文庫」を好きな若い人だけでなく、本が大好きな人たちに、「1冊の本ができるまで」の長い旅、現場の奮闘と、本が出来上がった時の喜びを伝えてくれます。

 架空の物語「白浜夢一座がいく!」というシリーズの発行を描きながら、今「青い鳥文庫」で活躍している作者・販売担当者・イラストレーター・編集者・業務担当者などなどのインタビューコラムも入っていてノンフィクションならではの面白さです。

 12月発売の本の発行を、3月の企画会議から追いかけていく物語なので、まず、この期間の長さに驚く子も多いのじゃないでしょうか?
 イラスト入りの「本の『折り』の作り方」「本の部品」のコーナーも分かりやすいですし、「本文のでき方」のページは原稿・ゲラ・再校の見本もあって編集現場をのぞきみているような楽しさを感じます。
 「青い鳥文庫」が大好きになったら、ぜひ読んでみてほしいですね。
この本は、「青い鳥文庫」ではなく単行本(ハードカバー)タイプなので、ちょっと大きめ。
 図書館では児童書コーナーの作者名「イ」のコーナーにあるはずです。「青い鳥文庫」に似ている装丁を探してみてください。
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『電気ちゃん』

2013年11月17日 | BOOKS
『電気ちゃん』
楠 章子:著
毎日新聞社


 児童書ではありません。
 少し「異端」で、ひとりひとり孤独な登場人物たちの、情や愛、性もある物語。
 周りの期待する「良い子」ではいられずに一歩踏み出した主人公たちの危うい生き方を怖いと思う反面、自分の中にも同じような衝動があることにも気が付きます。

 児童書「古道具ほんなら堂」シリーズの楠さんの、同じ出版社からの本ということで読み始めましたが、軽くショックでした。
 自分自身が、自分の子どもたちに「周りに恥ずかしくない生き方」をする「良い子」を求めていることが、よくよく分かりました。

 質素でも美味しいものを食べて、小さな幸せを見つけられる毎日を過ごしてほしいけれど、子どもたちは私とは別人格だから、きっと幸せも違うのでしょうね。
 母としては、ただただ体と心と未来を大切にしてほしいと願うばかり。


 先日、生後1か月の赤ちゃんに会ったばかりだからか、「新しい生命」が男女の生活と切り離されている物語が多いことが気になります。この物語もそう。希望よりも不安が多いように感じます。
 まさに今、日本に足りていないものかもしれないですね。
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『物語ること、生きること』

2013年11月16日 | BOOKS
『物語ること、生きること』
著者: 上橋菜穂子
構成・文: 瀧晴巳
講談社


 「守り人」シリーズ、『獣の奏者』の作者、上橋菜穂子さんのインタビューを構成してまとめた「語りおろし」の1冊。
 巻末には、上橋さんが幼少期から読んできた思い出深い本のリストがあります。

 まさに、『物語ること、生きること』というタイトル通り。物語ること=生きること。
 「作家になるにはどうしたらいいですか?」という子どもたちの疑問に、手紙や講演では伝えきれなかったことも含めて、彼女自身の幼少期から今までの人生を語ることで伝えてくれています。
 上橋さん自身が、子どものころから知りたかった「どうやったら作家になれるのか?どうやって作家になったのか?」という疑問だからこそ、優しく温かい語り口なのでしょう。

 おばあさんとのエピソードや、アボリジニ研究のフィールドワークの体験談は、彼女の作品の世界観の礎を見るようで、非常に興味深いです。

 人の気持ちに届く物語を描くためには、様々な立場の人の気持ちを理解すること。
 挑戦すること。書き続けること、直し続けること。人のアドバイスを受け入れること。成長し続けること。

 作家を目指していなくても、人生に必要なことが多いですね。
 中高生向けの書架に、置きたい1冊だと思います。
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『イン・ザ・ルーツ』

2013年11月15日 | BOOKS
『イン・ザ・ルーツ』
著 : 竹内真
双葉社


 孫息子たちが祖父から形見に「根付」をもらうところから始まる12年間を描いた家族小説です。
曰くつきの「根付」は、孫の三兄弟の青春と人生の転機に大きな影響を与えながら、次第に家族の歴史にまつわる一つの「謎」の真相へと近づいていきます。
 「ルーツ」は、「根付」の「根」であるとともに、家族の「ファミリーツリー(家系)」の「ルーツ(根)」なんですね。

 我が道をゆくミュージシャンの「じーちゃん」と彼を愛する孫息子たちの関係、そして、人のあたたかさが隠れているミステリーには、「東京バンドワゴン」シリーズを思い出してしまいました。

 孫息子三兄弟(歩、進、望)の性格の違いが、それぞれの進路・恋愛・就職にあらわれていて、成長小説としても面白いと思います。
 家族全員が泣いて笑って、家族の良さを分かち合えるラストが爽やかです。


 最近、娘に祖父母(娘にとっては曾祖父母)の兄弟の話をしていて、自分自身がよく知らないことが多いと気が付きました。
冬の帰省のときにでも、ちょっと両親に聞いてみようかな……。
 
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『図書室のキリギリス』

2013年11月14日 | BOOKS
『図書室のキリギリス』
著 : 竹内真
双葉社


 高校の臨時雇いの学校司書が主人公の物語です。
 30代バツイチで、離婚には曰くあり。
 「物に残っている強い感情を感じとることができるという特殊能力がある」なんて書くとファンタジーですが、この特殊能力はちょっとしたスパイスのようなもので、学校の図書室を舞台にした「日常ミステリ」です。

 図書室を訪れる高校生の成長とともに、主人公も仕事・プライベートの両方で少しずつ前に進んでいきます。

 なぜキリギリスなのかは、最初のページであきらかになりますよ。

 物語の中に、いろいろな本が紹介されています。
本を紹介しあうイベント「ブックトーク」が物語の大きな柱になっているので、登場人物から素敵な本をたくさん紹介してもらえます。
 ついつい本を読みたくなる、図書室への招待状のような本ですね。
 私も作中で気になる本を3冊も予約してしまいました。


 もう少し子供が大きくなったら、私もなりたい学校司書。
 司書教諭免許……箱にしまってもう何年も見てないから、今度見つけ出しておかないといけないかな?
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『ハルさん』

2013年11月12日 | BOOKS
『ハルさん』
著者:藤野恵美
東京創元社


頼りないお父さん「ハルさん」と、可愛い一人娘「ふうちゃん」、そして天国にいるママ「瑠璃子さん」。

 娘の結婚式を前に、今までの子育てと、その中で輝きを放つ想い出の「謎」が、ハルさんの記憶によみがえります。

 亡くなったパートナーが記憶の中から手助けしてくれるというストーリー、「彼女だったら、どう考えるだろう?」。
 切ないけれど、優しくてあたたかくて、そして子どもの成長の喜びがある物語です。

 たくさんの親子の想い出が、子どもを成長させ、心を育てて、いつか大人になった彼らを支えたり慰めたり、好きな人を選ぶきっかけになったり……。
 良いこと・楽しいことばかりではないけれど、一緒の時間をしっかり楽しみたいと、あらためて思いました。



 ちょっと気になったのは、著者の「あとがき」が、この作品を読んだ後に読むには重い内容を含むこと。
 優しい余韻を大切にしたい方は、「あとがき」は別の日にどうぞ。


 
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『知らずにまちがえている敬語』

2013年11月10日 | BOOKS
 敬語の本を今まで何冊も読みましたが、この本は本当に分かりやすいと思います。

『知らずにまちがえている敬語』
井上明美 著
祥伝社新書


 新書にありがちな「なんだか難しくて分からない」ということのない本です。
 新入社員はもちろん、就職活動中の学生さんや、高校生でも抵抗なく読むことができると思います。

 電話の応対、場面ごとの敬語や、文書の形式、若者言葉の言い換えなど、必要な知識を丁寧に教えてくれています。
 巻末のイラスト入り解説も「おじぎ」「名刺交換」「マナー」と、社会人に必須なことばかりです。

 敬語を使えないことで損をする前に、この本に出会えるといいですね。
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『日本人の清潔がアブナイ!』『清潔はビョーキだ 』

2013年11月09日 | BOOKS
 民放をあまり見ることはないのですが、たまたま見ていたら、すごいコマーシャルをやっていてビックリ。
「スポンジや台布巾には、こんなにバイキンがいるんですよ!」という除菌できる洗剤(?)のCМで、「なんだか恐ろしいCМだなぁ」と思いながら、藤田紘一郎先生の本を思い出しました。


『日本人の清潔がアブナイ!』
藤田紘一郎
小学館
『清潔はビョーキだ』
藤田紘一郎
朝日文庫(朝日新聞社)

 日本人は、どこまで清潔にしたいんでしょう?
 子どもの頃、世の中にはこんなに除菌・抗菌グッズはあふれていなくて、それでも周りの子供たちにはアレルギーも少なかったように思います。
 古来、日本は水が豊かな国で、世界の中でも清潔で衛生的な国だと思いますが、今や潔癖症を生み出す社会になっていないか心配です。

 上記の本では、多くの人や動物・自然と触れ合って育った子どもは体の中にいろいろな菌が入ることで免疫をしっかり獲得していくため、無菌状態で育った子どもよりも健康であるということが、繰り返し繰り返し主張されます。
 子どものころに、いろいろな菌・ウイルスに触れていなかった子どもたちが大きくなって初めてそれらの菌・ウイルスに出会ったときに重症化する事例などを読むと、「日本の子どもたちがが海外へ出なくなった」なんて話題を聞いても「現代日本の子どもたちが外国に行って大丈夫??」と心配になります。
 あんなCМばかりじゃ、日本の子どもたちは「菌=悪」「菌=あってはいけないものだ」と勘違いしてしまうんじゃないでしょうか?ますます、家の外へも国の外へも出ていけないような子どもを作り出している気がします。

 小学館文庫版の『日本人の清潔がアブナイ!』の解説が秀逸です。
 歌人の黛まどかさんの書いた解説ですが、ヨーロッパの旅で経験した「清潔」が原因で起きたトラブルは、他人事ではありません。

 売れるからと言って、菌に対する恐怖をあおるようなCМはやめてもらいたいなぁ。
 「菌がいない清潔な家にするのが、ママの役目ですよ!子どもたちのことが大切じゃないんですか?」と責められているように感じて、一生懸命無菌室のような家庭を作ろうとする人が増えたとしたら、コマーシャルのせいだと私は思います。
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お気に入り キッチンばさみ

2013年11月08日 | 家事のおはなし
 10年近く使っていたキッチンばさみが壊れてしまい、新しいキッチンばさみを買いました。
 購入して1か月。本当に便利で使い勝手がよくて、毎日大活躍しています。

 特長は、
 ・切れ味がいい
  (牛乳パックや冷凍食品の硬いトレイも、びっくりするほど軽く切れます!)
 ・食器洗い機で洗える
 ・刃が着脱できる
 ・持ち手(ハンドル)の素材が手になじむ
 ・刃が、細い刃と太い刃なので、細い場所に差し込んで切るときなど便利


 とにかく、「もっと早く買えばよかった~」と思うぐらい重宝してます。

 食洗機で洗えるのも嬉しいけれど、何が一番嬉しいかというと、刃が着脱できて、接合部を洗えるところ。


 この部分を、

 ぐーんと大きく開くと、こうやって外せます。

 接合部はこんな形。

 我が家では、生肉を切るときにも使うので、接合部も洗えるのが本当に便利。
 洗った後、きちんと水分を拭きとれるのもいいですね。(接合部の水分が残って錆びることってありますから!)

 使用中に外れる心配もないです。
 持ち手を持って乱暴に振り回しでもしないかぎり、刃が外せるほど大きく開くことなんてないですものね。
(ハサミの扱いを知らない幼児には、もちろん手の届かないようにしないといけません!)



 メーカーの回し者ではありませんが、商品名は「貝印 SELECT 100 キッチンばさみ DH-3005」です。
 もちろん、上記はすべて個人の感想ですけれど、母と姉妹にも「おススメのキッチンばさみはコレ!」と宣伝するつもり。
 使いやすい台所道具は、料理する人の味方ですものね。
 

<関連サイト>
SELECT100 キッチンばさみ - 「KAI ストア」
貝印運営のオンラインストア。商品の画像もあります。
 私は、Amazonで購入。
 なぜか、Amazonのほうが、商品説明が詳しいです。
 
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